「瑜伽師地論」の版間の差分
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[[世親]]の兄である[[無着]](asaNga, असण्ग)が、[[兜率天]]に住む[[弥勒菩薩]](maitreya तैत्रेय)の説を聞いて著したといわれている。瑜伽行(yogaacaara)の観法を詳説したものである。 |
[[世親]]の兄である[[無着]](asaNga, असण्ग)が、[[兜率天]]に住む[[弥勒菩薩]](maitreya तैत्रेय)の説を聞いて著したといわれている。瑜伽行(yogaacaara)の観法を詳説したものである。 |
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本書は、[[瑜伽]][[行者]]が認識する対象([[境]])、修行、果を明らかにしたもので、[[阿頼耶識]]説、[[三性]][[三無性]]説、[[唯識]]説、その他のさまざまな問題が詳しく説かれている。<br>
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組織は5つからなり、第1本地分では、三乗の思想を、 |
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# 五識身相応地 |
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# 有尋無伺地 |
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# 無尋唯伺地 |
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# 無尋無伺地 |
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# 三摩哂多地 |
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# 有心地 |
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# 無心地 |
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# 聞所成地 |
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# 思所成地 |
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# 修所成地 |
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# 声聞地 |
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# 独覚地 |
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# 菩薩地 |
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# 有余依地 |
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# 無余依地 |
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の17地に分けて説き、第2の摂決択分では本地の中の要義を説明し、第3の摂釈分では諸経の儀則を解釈し、第4の摂異門分では経典中の諸法の名義を解釈し、第5の摂事分では三蔵の要義を解釈している。
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なお、これらの部分訳がある。 |
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* 『菩薩地持経』10巻 [[北涼]] [[曇無讖]]訳 菩薩地 |
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* 『菩薩善戒経』9巻 [[劉宋]] [[求那跋摩]]訳 菩薩地 |
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* 『十七地論』5巻(散佚) [[梁]] [[真諦]]訳 本地分の初め |
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* 『決定蔵経』3巻 梁 真諦訳 摂決釈分の初め |
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本書に影響をうけた論書に、次のようなものがある。 |
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* 『顕揚聖教論』20巻 |
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* 『大乗阿毘達磨集論』7巻 |
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* 『摂大乗論』[[無著]]著 |
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* 『摂大乗論釈』[[世親]]著 |
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* 『仏性論』世親著 |
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* 『成唯識論』護法著 |
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なお、下記は菩薩地と同じ名前であり、菩薩地に基づいて内容を発展したものである。 |
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* 『大乗荘厳経論』13巻(mahaayaanasuutraalaMkaara) |
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==註釈書== |
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* [http://21dzk.l.u-tokyo.ac.jp/SAT/ddb-sat2.php?mode=detail&useid=1829_ 『瑜伽師地論略纂』]16巻 [[基]] |
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* [http://21dzk.l.u-tokyo.ac.jp/SAT/ddb-sat2.php?mode=detail&useid=1828_ 『瑜伽論記』]48巻 遁倫 |
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==関連項目== |
==関連項目== |
2011年5月26日 (木) 12:25時点における版
上座部・部派 |
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■ 大衆部 前3世紀
■ 説一切有部 前2世紀 ■ 化地部 ■ 法蔵部 ■ 経量部 3世紀
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大乗 |
初期 |
■馬鳴
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中期 |
■ 唯識派(瑜伽行派) |
後期(金剛乗) |
瑜伽師地論︵ゆがしじろん、梵‥yogaacaarabhuumi-zaastra, योगाचारभूमिशास्त्र︶は仏教唯識派の重要な文献。
概要
表題は﹁ヨーガ行者の階梯﹂の意。100巻、弥勒菩薩説、唐・玄奘訳︵大正蔵・30︶。ただし、チベット訳では無着所説という。 世親の兄である無着(asaNga, असण्ग︶が、兜率天に住む弥勒菩薩︵maitreya तैत्रेय)の説を聞いて著したといわれている。瑜伽行︵yogaacaara︶の観法を詳説したものである。内容
本書は、瑜伽行者が認識する対象(境)、修行、果を明らかにしたもので、阿頼耶識説、三性三無性説、唯識説、その他のさまざまな問題が詳しく説かれている。 組織は5つからなり、第1本地分では、三乗の思想を、 (一)五識身相応地 (二)意地 (三)有尋無伺地 (四)無尋唯伺地 (五)無尋無伺地 (六)三摩哂多地 (七)非三摩哂多地 (八)有心地 (九)無心地 (十)聞所成地 (11)思所成地 (12)修所成地 (13)声聞地 (14)独覚地 (15)菩薩地 (16)有余依地 (17)無余依地 の17地に分けて説き、第2の摂決択分では本地の中の要義を説明し、第3の摂釈分では諸経の儀則を解釈し、第4の摂異門分では経典中の諸法の名義を解釈し、第5の摂事分では三蔵の要義を解釈している。 なお、これらの部分訳がある。 ●﹃菩薩地持経﹄10巻 北涼 曇無讖訳 菩薩地 ●﹃菩薩善戒経﹄9巻 劉宋 求那跋摩訳 菩薩地 ●﹃十七地論﹄5巻(散佚) 梁 真諦訳 本地分の初め ●﹃決定蔵経﹄3巻 梁 真諦訳 摂決釈分の初め 本書に影響をうけた論書に、次のようなものがある。 ●﹃顕揚聖教論﹄20巻 ●﹃大乗阿毘達磨集論﹄7巻 ●﹃摂大乗論﹄無著著 ●﹃摂大乗論釈﹄世親著 ●﹃仏性論﹄世親著 ●﹃成唯識論﹄護法著 なお、下記は菩薩地と同じ名前であり、菩薩地に基づいて内容を発展したものである。- 『大乗荘厳経論』13巻(mahaayaanasuutraalaMkaara)