NHK UHFテレビ実験局

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NHK UHFテレビ実験局(エヌエイチケイ ユーエイチエフテレビじっけんきょく)とは、日本放送協会極超短波(UHF帯)によるアナログ・デジタルのテレビジョン放送の実用化に向けて開設した無線局実験局放送試験局)である。

その目的は時代によって変化しており、年代ごとに

  1. UHF帯活用のための小電力実験局(1960年 - 1963年)
  2. UHF帯の県域放送実施のための大電力実験局(1966年 - 1967年)
  3. 大都市部におけるUHFテレビ放送の実験局(1970年 - 1975年)
  4. スーパーハイビジョン実用化のためのデジタル実験局(2013年 - 2017年)

が設けられている、以下に実験目的ごとに記述する。

UHF帯での実験開始と小電力サテライトUHF局[編集]

UHF帯を使用したテレビ実験局の嚆矢は、NHK放送技術研究所に開設された実験局である。これは、NTSC方式によるカラーテレビジョンを1960年に本放送開始するためのものであった。

物理ch 放送局名 呼出符号 空中線電力 ERP 送信地点 実験地域 実験期間
46(669.25MHz[1]) NHKカラーテレビ実験局 JO2O 映像1kW、音声0.5kW[1] 不明 東京都世田谷区砧1丁目10-11 NHK放送技術研究所[1] 東京都世田谷区 1956年12月20日1970年12月17日[2]

当時テレビジョン放送は超短波(VHF帯)で放送され、1chから12chまで、最大7局までしか割り当てることができず、兵庫県姫路市周辺や有明海沿岸のようにチャンネルが短期間で逼迫して地元の新局や県域放送局の中継局設置の要望に応えることが困難な地域が生じたり、親局送信所から遠い地域で中継局を設置して難視聴を解消させることがままならない状態だった。
そこで1961年3月27日に当時の郵政省(現・総務省)が「テレビ放送用周波数の割当計画基本方針」(以下、「基本方針」と略記)を修正し、UHF帯をテレビ放送に割り当てる方針を定めた。これを受け、NHKは放送法に基づき国から受託する形で(以後もほぼ同じ)まず以下の3局が小出力のサテライト局(中継局)としてUHF帯を使うための本格的な実験を始めた。このうち後に県域親局となった大津局に関しては、1960年にVHFの実験局として開局したのを転換したものであった。

物理ch 放送局名 呼出符号 空中線電力 ERP 送信地点 実験地域 実験開始日
52 NHK日立UHF実験局 映像60W[3] 不明 風神山 茨城県日立市ほか 1961年12月1日[3]
52 NHK大津UHF実験局 映像18W[3] 不明 滋賀県大津市ほか 1962年2月21日[3]
51 NHK高萩UHF実験局 映像100W[4] 不明 茨城県高萩市ほか 1962年12月28日[4]

19635722UHF96[5]615UHF[6]KDD19661971

UHFUHFVHFUHF

UHF[]


196498調UHFNHK2使VHF3

NHK1966414UHFUHF4301967220[7][8]
物理ch 放送局名 呼出符号 空中線電力 ERP 送信地点 実験地域 実験開始日
38 NHK徳島UHF実験局 映像30kW 不明 眉山 徳島県徳島市ほか 1967年2月20日

4630NHK調101311923UHF131UHFUHF1969315

[]


196932145NHKUHF197012241225UHFUHF調[9]UHF[10]
物理ch 放送局名 呼出符号 空中線電力 ERP 送信地点 実験地域 実験開始日
14 NHK大阪テレビ実験局 JO4W-TV 50kW[11] 不明 生駒山 近畿地方 1970年12月24日
14 NHK東京テレビ実験局 JO2W-TV 10kW[11] 不明 千代田送信所[12] 関東地方 1970年12月25日

19711224197227[13]27330NHK[14]197211131228[15]13

197114330[12][16][17]

11974116[18]
UHF調調1974197547[19]197626[20]

使14chUHF使使使14ch使

1981198416ch77.1MHzFM1111985412011724721[21]FM2018930BS[22]

[]


2020NHK201311228K[23]
物理ch 放送局名 識別信号 空中線電力 ERP 実験地域 実験期間
46 NHK人吉UHF実験試験局 NHKひとよしUHFじっけん 10W 不明 熊本県人吉市ほか 2013年11月〜2017年3月

実験結果を踏まえ、総務省の情報通信審議会で専門家などを交え詳細な検討が行われ、2023年7月18日に答申が行われた[24]。今後総務省にて実現に向け関係法令等の整備が行われることになっている。

脚注[編集]

出典[編集]



(一)^ abcUHF1611962

(二)^ NHK'71197142 

(三)^ abcd NHK1962No.2196291242NDLJP:2474358/143https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2474358 

(四)^ ab NHK'6319631010198NDLJP:2474360/119https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2474360 

(五)^  NHK'641964101536NDLJP:2474361/28https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2474361 

(六)^   NHK'6419641015300NDLJP:2474361/176https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2474361 

(七)^ NHK ,22119674119NDLJP:2341272/10 

(八)^   NHK'671967910339NDLJP:2474364/199https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2474364 

(九)^ NHK'7119712 

(十)^ NHK'711971222 

(11)^ abNHK'721972605 

(12)^ abNHK'71197173 

(13)^ NHK'72197214-15 

(14)^ NHK'72197217-18133 

(15)^ NHK'73197396 

(16)^ NHK UHF251019711122NDLJP:2341317/12 

(17)^ UHF - 2016621PDF

(18)^ NHK'7419748-9 

(19)^ NHK'7519756 

(20)^ NHK'7619764-5 

(21)^  2011721 (PD).   (2011). 201711220231220

(22)^ TVFMBS  20165272017110

(23)^  --20131122https://www.soumu.go.jp/soutsu/kyushu/press/131122-1-0.html20131126 

(24)^  2023718https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01ryutsu08_02000287.html2023922 

関連項目[編集]