福徳岡ノ場
福徳岡ノ場 | |
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頂上深度 | -25 m |
所在地 | |
所在地 | 南硫黄島の北北東約5 km |
座標 | 北緯24度17分16秒 東経141度28分55秒 / 北緯24.28778度 東経141.48194度 |
地質 | |
種別 | 海底火山 |
火山弧/帯 | 伊豆・小笠原・マリアナ島弧 |
福徳岡ノ場︵ふくとくおかのば︶は、北緯24度17分6.0秒 東経141度28分54.0秒 / 北緯24.285000度 東経141.481667度座標: 北緯24度17分6.0秒 東経141度28分54.0秒 / 北緯24.285000度 東経141.481667度︵南硫黄島の北約5km[注 1]︶に位置する粗面安山岩質の海底火山であり、北福徳カルデラ内の中央火口丘である。2024年1月時点では周辺海域警戒が発表されている。
名称[編集]
福徳岡ノ場という名称の正確な由来は不明であるが、福徳丸という漁船が発見したことに由来するとの説が有力である。海底火山は天然の魚礁としての役割を持ち、漁船にとっては漁場としての価値を持つ。明治以降、南方での漁場開拓が進められ、発見された海底地形には漁場としての観点から、発見した船の名をとって﹁︵船名︶ノ場﹂という名称が付けられることが多かった。福徳岡ノ場は比較的水深の浅い場所であることから﹁岡ノ場﹂と名づけられたと考えられている[1][2]。歴史[編集]
有史以来たびたび噴火し、時には海面上に新しい島を形成するまでに成長する。気象庁によると、明治以降1986年までに、噴火が少なくとも7回確認され、島が3回生まれたが、いずれも波浪の浸食により海没している[3]。1904年及び1914年に出現した新島は﹁新硫黄島﹂と呼ばれた[4]。産業技術総合研究所は、福徳岡ノ場の新島が消滅しやすいのは、溶岩でなく軽石が積もってできているためであるとの見解を示している[3]。 2010年の時点では島はなく最浅水深25mほどのギヨーとなっていた[5]。海上保安庁や海上自衛隊による調査で、2007年、2008年[6]、2010年[7]、2013年[8]にも変色水が観測されている。 2021年8月13日には海底噴火が発生し[9]、新島が形成された[10]。この噴火は、日本国内で戦後最大級の規模と見られる[11]。年表[編集]
ギャラリー[編集]
1986年の福徳岡ノ場の噴火状況。海上保安庁により1986年1月20日に撮影[5]。
1986年の噴火活動中の福徳岡ノ場と南硫黄島。海上保安庁により1986年1月20日に撮影[5]。
1986年の噴火によって浮き上がった軽石が海面を埋め尽くしている。遠方の島は南硫黄島。海上保安庁により1986年1月20日に撮影[5]。
ひまわり8号による2021年8月12日~8月13日の福徳・尾花沢噴火の衛星画像
2021年の噴火で生じた軽石に覆われた羽地内海。
2021年の噴火後、国頭村の海岸に打ち上げられた軽石。
脚注[編集]
注釈[編集]
出典[編集]
(一)^ “︻解説︼日本に新しい島が誕生!?島の名前は?住める?生き物の楽園に?”. TBS NEWS (TBSテレビ). (2021年8月23日). オリジナルの2021年8月24日時点におけるアーカイブ。
(二)^ “都心から約1300km! 海底火山﹁福徳岡ノ場﹂の噴火に熱視線が送られる理由”. アーバン ライフ メトロ (メトロアドエージェンシー). (2021年8月22日). オリジナルの2021年8月21日時点におけるアーカイブ。
(三)^ ab“小笠原諸島付近で新島を確認…11年ぶり噴火の海底火山、過去3回は﹁島﹂消滅”. 読売新聞. (2021年8月16日). オリジナルの2021年8月18日時点におけるアーカイブ。 2021年8月18日閲覧。
(四)^ abcd“福徳岡ノ場 有史以降の火山活動”. 気象庁. 2021年8月16日閲覧。
(五)^ abcde“福徳岡ノ場”. 海域火山データベース. 海上保安庁海洋情報部. 2017年8月28日閲覧。
(六)^ ab“平成20年︵2008年︶の福徳岡ノ場の火山活動”. 気象庁地震火山部 火山監視情報センター. 2021年8月16日閲覧。
(七)^ ab“南硫黄島近海で白煙、新島出現の可能性も”. 読売新聞 (2010年2月4日). 2010年2月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年12月25日閲覧。
(八)^ ab“阿蘇山噴火の可能性9月の火山活動 気象庁”. ハザードラボ. 2014年3月11日閲覧。
(九)^ ab“海底火山﹁福徳岡ノ場﹂が噴火 硫黄島の南約50キロ”. 朝日新聞デジタル (朝日新聞社). (2021年8月13日) 2021年11月12日閲覧。
(十)^ ab“海底火山の福徳岡ノ場で新島確認 過去は海没、噴石に警戒”. 共同通信. (2021年8月16日). オリジナルの2021年8月16日時点におけるアーカイブ。 2021年8月16日閲覧。
(11)^ abc“﹁福徳岡ノ場﹂噴火、戦後最大級と判明 桜島﹁大正噴火﹂に次ぐ規模”. 毎日新聞. (2021年10月23日). オリジナルの2021年10月23日時点におけるアーカイブ。
(12)^ “福徳岡ノ場の海底噴火”. かいほジャーナル (海上保安庁) 42 (2010年春号): 1. (2010-03-26) 2013年12月25日閲覧。.
(13)^ “軽石漂流パターン解明へ 堀場製作所と地球研 リュウグウ分析技術活用”. 産経ニュース (2022年2月7日). 2022年2月7日閲覧。
(14)^ “Volcanic Ash Graphic Initial 142100UTC August 2021”. VAAC Tokyo. 2021年8月14日閲覧。
(15)^ “沖縄・北大東島を取り巻く灰色ライン 謎の漂着物の正体は?”. 琉球新報. (2021年10月8日). オリジナルの2021年10月8日時点におけるアーカイブ。
(16)^ “1450キロ離れた沖縄本島にも﹁軽石﹂漂着 小笠原の海底火山噴火の影響か”. 琉球新報. (2021年10月14日). オリジナルの2021年10月14日時点におけるアーカイブ。
(17)^ “科学の森‥100年前の軽石、海流調査の基礎に 海底火山噴火で10倍噴出、漂流図に”. 毎日新聞. (2022年1月13日). オリジナルの2022年1月13日時点におけるアーカイブ。
(18)^ ﹃軽石のふしぎ﹄ネコのわくわく自然教室、2021年11月17日、7頁。
(19)^ “福徳岡ノ場の新島が海没 朝日新聞社機が確認 ﹁軽石の流出は収束﹂”. 朝日新聞. (2022年1月7日). オリジナルの2022年1月7日時点におけるアーカイブ。
参考文献[編集]
- 加藤祐三『軽石 : 海底火山からのメッセージ』八坂書房、2009年。ISBN 978-4-89694-930-8。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- 福徳岡ノ場 - 海域火山データベース 海上保安庁海洋情報部
- 気象庁による噴火記録
- “福徳岡ノ場の噴火活動関連情報”. 国土地理院. 2022年5月17日閲覧。
- 福徳岡ノ場 火山活動解説資料(平成18年年報)
- 福徳岡ノ場 地図 平成20年(2008年)の福徳岡ノ場の火山活動
- 福徳岡ノ場付近の噴火を確認