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米子[[道笑町]]の[[商家]]に生まれる。三好常次郎の次男<ref>﹃勝田ヶ丘の人物誌﹄47頁に﹁ひと口に米子の三好といってもその系統は多岐に分かれている。米子の街にいまも古老の記憶に残っている家の名に“[[砂糖]]三好”、“[[酢]]三好”などというのがあるが、いずれも十数代わたる[[老舗]]︵しにせ︶を誇る、富商の[[系譜]]をあらわしたものである。﹂とある</ref>。
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米子[[道笑町]]の[[商家]]に生まれる。[[三好常次郎]]の次男<ref>﹃勝田ヶ丘の人物誌﹄47頁に﹁ひと口に米子の三好といってもその系統は多岐に分かれている。米子の街にいまも古老の記憶に残っている家の名に“[[砂糖]]三好”、“[[酢]]三好”などというのがあるが、いずれも十数代わたる[[老舗]]︵しにせ︶を誇る、富商の[[系譜]]をあらわしたものである。﹂とある</ref>。
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県立第二中学校︵現[[鳥取県立米子東高等学校|米子東高校]]︶<ref>﹃勝田ヶ丘の人物誌﹄47頁に﹁米中出身最初の[[国務大臣]]である。もとの名は栄次郎。もっとも彼は米中を[[卒業]]してはいない。五年生になった時、上京して[[京華中学校・高等学校|京華中学校]]に転校したからである。﹂とある。ただし、米子東高校同窓会名簿には名前の記載がある</ref>、東京の[[京華中学校・高等学校|京華中学]]を経て明治39年︵[[1906年]]︶に[[早稲田大学]][[政治経済学部|政治経済]]科を卒業。
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県立第二中学校︵現[[鳥取県立米子東高等学校|米子東高校]]︶<ref>﹃勝田ヶ丘の人物誌﹄47頁に﹁米中出身最初の[[国務大臣]]である。もとの名は栄次郎。もっとも彼は米中を[[卒業]]してはいない。五年生になった時、上京して[[京華中学校・高等学校|京華中学校]]に転校したからである。﹂とある。ただし、米子東高校同窓会名簿には名前の記載がある</ref>、東京の[[京華中学校・高等学校|京華中学]]を経て明治39年︵[[1906年]]︶に[[早稲田大学]][[政治経済学部|政治経済]]科を卒業。
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: 三好家は[[道笑町]]・[[日野町 (米子市)|日野町]]にわたって[[本家]][[分家]]が広い間口を占めて、諸商売を営み[[土地]]への[[投資]]も行った<ref name="Yonago_p49">﹃米子商業史﹄49頁</ref>。米子[[近世]]の富商としての三好家は、[[阿波国|阿波]][[三好氏]]の一党である<ref name="Yonago_p49"/>。[[元亀]]・[[天正]]のころ河内・和泉のあたりに活躍した[[三好康長]]は河内高屋城主であった<ref name="Yonago_p49"/>。
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: 三好家は[[道笑町]]・[[日野町 (米子市)|日野町]]にわたって[[本家]][[分家]]が広い間口を占めて、諸商売を営み[[土地]]への[[投資]]も行った<ref name="Yonago_p49">﹃米子商業史﹄49頁</ref>。米子[[近世]]の富商としての三好家は、[[阿波国|阿波]][[三好氏]]の一党である<ref name="Yonago_p49"/>。[[元亀]]・[[天正]]のころ河内・和泉のあたりに活躍した[[三好康長]]は河内高屋城主であった<ref name="Yonago_p49"/>。
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: [[横田村詮]]は三好の重臣であったが、[[三好氏]]が松永勢に攻められて滅亡後、[[豊臣秀吉]]の将[[中村一氏]]の家臣となり、一氏の妹を妻とした<ref name="Yonago_p49"/>。[[中村一忠]]が[[米子城]]主となり、慶長8年([[1603年]])老臣[[横田村詮|横田内膳村詮]]を暗殺した時、横田方に'''三好右衛門兵衛'''がいた<ref name="Yonago_p49"/>。これが阿波三好の流れである<ref name="Yonago_p49"/>。 |
: [[横田村詮]]は三好の重臣であったが、[[三好氏]]が松永勢に攻められて滅亡後、[[豊臣秀吉]]の将[[中村一氏]]の家臣となり、一氏の妹を妻とした<ref name="Yonago_p49"/>。[[中村一忠]]が[[米子城]]主となり、慶長8年︵[[1603年]]︶老臣[[横田村詮|横田内膳村詮]]を暗殺した時、横田方に'''[[三好義紹|三好右衛門兵衛]]'''がいた<ref name="Yonago_p49"/>。これが阿波三好の流れである<ref name="Yonago_p49"/>。
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: 中村家十八万石の執政家老[[横田村詮|横田内膳正村詮]]は三好一門、子がなかったので三好右衛門兵衛を[[養子]]とした<ref name="Yonagozyou_p116">[[佐々木謙]]著﹃伯耆米子城﹄116頁</ref>。米子へきた右衛門兵衛には左内、玄蕃の兄弟がいた<ref name="Yonagozyou_p116"/>。しかし内膳正暗殺事件によって右衛門兵衛らは城内飯山にこもり[[中村一忠|一忠]]に反抗した<ref name="Yonagozyou_p116"/>。その[[侍]]たちの横田党を指揮したのは、当然右衛門兵衛で、一党の生き残りは助命されたが、当時の法によって主将は切腹して部下の助命にかわるのは又当然である<ref name="Yonagozyou_p116"/>。三好家にのこる[[古文書]]によると、切腹にあたり一門に帰農土着を訓えている<ref name="Yonagozyou_p116"/>。右衛門兵衛は実名義紹とおもわれる<ref name="Yonagozyou_p116"/>。内膳の事件後六年、[[中村一忠]]が急死したので、三好家の二人は米子に帰った<ref name="Yonagozyou_p117">[[佐々木謙]]著﹃伯耆米子城﹄117頁</ref>。だが左内、玄蕃の同一人であるかはたしかでない<ref name="Yonagozyou_p117"/>。兄を'''久兵衛義信'''、弟を'''仁兵衛長政'''といい、兄は稲田氏と改めて[[農家]]になり四日市︵[[福市 (米子市)|福市]]︶に土着し、弟は三好氏で[[商人]]になった<ref name="Yonagozyou_p117"/>。これが[[道笑町]]・三好家の先祖であるという<ref name="Yonagozyou_p117"/>。
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: 中村家十八万石の執政家老[[横田村詮|横田内膳正村詮]]は三好一門、子がなかったので三好右衛門兵衛を[[養子]]とした<ref name="Yonagozyou_p116">[[佐々木謙]]著﹃伯耆米子城﹄116頁</ref>。米子へきた右衛門兵衛には左内、玄蕃の兄弟がいた<ref name="Yonagozyou_p116"/>。しかし内膳正暗殺事件によって右衛門兵衛らは城内飯山にこもり[[中村一忠|一忠]]に反抗した<ref name="Yonagozyou_p116"/>。その[[侍]]たちの横田党を指揮したのは、当然右衛門兵衛で、一党の生き残りは助命されたが、当時の法によって主将は切腹して部下の助命にかわるのは又当然である<ref name="Yonagozyou_p116"/>。三好家にのこる[[古文書]]によると、切腹にあたり一門に帰農土着を訓えている<ref name="Yonagozyou_p116"/>。右衛門兵衛は実名義紹とおもわれる<ref name="Yonagozyou_p116"/>。内膳の事件後六年、[[中村一忠]]が急死したので、三好家の二人は米子に帰った<ref name="Yonagozyou_p117">[[佐々木謙]]著﹃伯耆米子城﹄117頁</ref>。だが左内、玄蕃の同一人であるかはたしかでない<ref name="Yonagozyou_p117"/>。兄を'''[[稲田義信|久兵衛義信]]'''、弟を'''[[三好長政|仁兵衛長政]]'''といい、兄は稲田氏と改めて[[農家]]になり四日市︵[[福市 (米子市)|福市]]︶に土着し、弟は三好氏で[[商人]]になった<ref name="Yonagozyou_p117"/>。これが[[道笑町]]・三好家の先祖であるという<ref name="Yonagozyou_p117"/>。
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: [[伝承]]では仁兵衛長政が米子三好の先祖となっているが初代清心が[[寛文]]四年︵[[1664年|一六六四]]︶死去とすれば、義紹没後五十年、仁兵衛の子か孫となるわけである<ref name="Yonagozyou_p41">佐々木謙著﹃伯耆米子城﹄41頁</ref>。左内、玄蕃ともつながる可能性は大きい。[[米子城]]下の大通りしかも目ぬき通りに[[店]]をもち豪商[[郷士]]の誇りをもっていた三好氏は、中村家[[浪士|遺臣]]、[[大阪]]出身の第一級であったであろう<ref name="Yonagozyou_p41"/>。
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: [[伝承]]では仁兵衛長政が米子三好の先祖となっているが初代[[三好清心]]が[[寛文]]四年︵[[1664年|一六六四]]︶死去とすれば、義紹没後五十年、仁兵衛の子か孫となるわけである<ref name="Yonagozyou_p41">佐々木謙著﹃伯耆米子城﹄41頁</ref>。左内、玄蕃ともつながる可能性は大きい。[[米子城]]下の大通りしかも目ぬき通りに[[店]]をもち豪商[[郷士]]の誇りをもっていた三好氏は、中村家[[浪士|遺臣]]、[[大阪]]出身の第一級であったであろう<ref name="Yonagozyou_p41"/>。
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: 五代'''佐二郎'''の時文化5年([[1808年]])に[[藩]]の献金要請があり、全額銀700貫のうち300貫を三好が拠出しているから、当時の富力のほどがうかがわれる<ref name="Yonago_p50">『米子商業史』50頁</ref>。その前後三好家は分家が次第に増加したのは富の分配が可能であったからで[[砂糖]]・[[酢]]・[[紙]]類・古手類などと分家が軒を連ね、町内外に多くの[[土地]]・[[借家]]も持ち、在方での小作地の保有も増えた<ref name="Yonago_p50"/>。米子城代[[荒尾氏]]から20人[[扶持]]をあたえられていたということは、三好家が財力で[[藩]][[財政]]に種々の貢献をしたことを物語る<ref name="Yonago_p50"/>。 |
: 五代'''[[三好佐二郎]]'''の時文化5年([[1808年]])に[[藩]]の献金要請があり、全額銀700貫のうち300貫を三好が拠出しているから、当時の富力のほどがうかがわれる<ref name="Yonago_p50">『米子商業史』50頁</ref>。その前後三好家は分家が次第に増加したのは富の分配が可能であったからで[[砂糖]]・[[酢]]・[[紙]]類・古手類などと分家が軒を連ね、町内外に多くの[[土地]]・[[借家]]も持ち、在方での小作地の保有も増えた<ref name="Yonago_p50"/>。米子城代[[荒尾氏]]から20人[[扶持]]をあたえられていたということは、三好家が財力で[[藩]][[財政]]に種々の貢献をしたことを物語る<ref name="Yonago_p50"/>。 |
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: 現在も町内に三好内科医院やその一門が繁栄している。'''三好三七夫'''(みよし みなお)は昭和34年([[1959年]])[[医学博士]]号を受け、昭和40年([[1965年]])に三好内科医院を開業した<ref>『鳥取県人名録』より</ref>。 |
: 現在も町内に三好内科医院やその一門が繁栄している。'''[[三好三七夫]]'''(みよし みなお)は昭和34年([[1959年]])[[医学博士]]号を受け、昭和40年([[1965年]])に三好内科医院を開業した<ref>『鳥取県人名録』より</ref>。 |
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* 父・'''常次郎'''<ref name="zinzi4pみ9"/> |
* 父・'''常次郎'''<ref name="zinzi4pみ9"/> |
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:[[文久]]元年6月生<ref name="zinzi4pみ9"/> - 没 |
:[[文久]]元年6月生<ref name="zinzi4pみ9"/> - 没 |
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* 母・'''フテ'''(天野大三郎長女<ref name="zinzi4pみ9"/>) |
* 母・'''フテ'''([[天野大三郎]]長女<ref name="zinzi4pみ9"/>) |
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:明治元年([[1868年]])2月生<ref name="zinzi4pみ9"/> - 没 |
:明治元年([[1868年]])2月生<ref name="zinzi4pみ9"/> - 没 |
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* 弟・'''次一郎'''<ref name="zinzi4pみ9"/> |
* 弟・'''[[三好次一郎|次一郎]]'''<ref name="zinzi4pみ9"/> |
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:明治21年([[1888年]])11月生<ref name="zinzi4pみ9"/> - 没 |
:明治21年([[1888年]])11月生<ref name="zinzi4pみ9"/> - 没 |
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* 妹・'''たき'''([[島根県]][[平民]]、[[原本大三郎]]養子虎一郎に嫁する) |
* 妹・'''たき'''([[島根県]][[平民]]、[[原本大三郎]]養子[[原本虎一郎]]に嫁する) |
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:[[明治]]23年([[1890年]])10月生<ref name="zinzi4pみ9"/> - 没 |
:[[明治]]23年([[1890年]])10月生<ref name="zinzi4pみ9"/> - 没 |
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* 妻・'''モト'''(島根県、政治家[[遠藤嘉右衛門]]の妹) |
* 妻・'''モト'''(島根県、政治家[[遠藤嘉右衛門]]の妹) |
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== 参考文献 == |
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* 吉本重義 『岸信介傳』 東洋書館 1957年 150-152頁 |
* [[吉本重義]] 『岸信介傳』 東洋書館 1957年 150-152頁 |
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* [[佐々木謙]] 『伯耆米子城』 立花書院 2000年(改版) 38~41頁、115-118頁 |
* [[佐々木謙]] 『伯耆米子城』 立花書院 2000年(改版) 38~41頁、115-118頁 |
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* [[佐藤朝泰]] 『豪閥 <small>地方[[豪族]]のネットワーク</small>』 2001年 427、429頁 |
* [[佐藤朝泰]] 『豪閥 <small>地方[[豪族]]のネットワーク</small>』 2001年 427、429頁 |
2016年4月21日 (木) 12:34時点における版
三好英之 みよし ひでゆき | |
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生年月日 | 1885年8月29日 |
出生地 | 鳥取県米子市道笑町 |
没年月日 | 1956年2月14日(70歳没) |
死没地 | 東京都世田谷区 |
出身校 | 早稲田大学 |
前職 |
山陰日日新聞社長 山陰実業銀行頭取 |
称号 |
正五位 勲三等旭日中綬章 米子市名誉市民 |
親族 |
妻の兄・遠藤嘉右衛門 長男の妻の父・米原章三 |
第9代 北海道開発庁長官 | |
内閣 | 第1次鳩山内閣 |
在任期間 | 1954年12月10日 - 1955年3月19日 |
選挙区 | 鳥取県選挙区 |
当選回数 | 1回 |
在任期間 | 1953年5月3日 - 1956年2月14日 |
選挙区 |
(鳥取県第4区→) 鳥取県全県区 |
在任期間 | 1924年5月 - 1945年12月 |
経歴
人物像
学生時代
岸信介と三好
評価
家族・親族
三好家
親戚
参考文献
- 吉本重義 『岸信介傳』 東洋書館 1957年 150-152頁
- 佐々木謙 『伯耆米子城』 立花書院 2000年(改版) 38~41頁、115-118頁
- 佐藤朝泰 『豪閥 地方豪族のネットワーク』 2001年 427、429頁
- 『勝田ヶ丘の人物誌』』(編集・勝田ヶ丘の人物誌編集委員会、発行・鳥取県立米子東高等学校創立百周年記念事業実行委員会 2000年 47-52頁)
関連項目
脚注
外部リンク
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