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警視流

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

警視流(けいしりゅう)は、明治10年代に警視庁で制定された武術

木太刀形撃剣形)、立居合捕縄術活法をも含む柔術(「警視拳法(けいしけんぽう)」とも云う)からなっていたが、現在の警視庁では木太刀形と立居合のみが伝承されている。

制定の経緯[編集]

明治21年(1888年)頃の警視庁武術世話掛

101877西

121879

191886

退

警視流木太刀形[編集]

剣術10流派から1本ずつ技を採用して構成されている。諸流派を統合した形という点で日本剣道形の先駆けといえる[注釈 1]太平洋戦争前には剣道の教本に掲載されることもあり、中山博道のように積極的に修練する剣道家もいた。現在も警視庁の剣道家によって伝承されている。

脛斬りに対する応じ方(八相)や肘打ち(阿吽)など、日本剣道形には見られない技法も含まれている。礼法木太刀も日本剣道形とは異なり、古式の形態を残している。木太刀は全長33(約1m)で刃長2尺4寸(約73cm)、柄9寸(約27cm)、刀身部の断面の形状は蛤刃と定められており、写しが市販されている。

(流派名は警視流の表記に従う)

撃剣級位[編集]

警視流立居合[編集]

居合5流派から1本ずつ技を採用して構成されている。座位の技はなく、すべて立ち技である。現在も警視庁居合同好会[注釈 2]に伝承されている。一部の民間道場でも稽古されている。

警視拳法[編集]


167

11416

[]



  1. 柄取(つかどり):天神真楊流真蔭流より
  2. 柄止(つかどめ):渋川流より
  3. 柄搦(つかがらみ):立身流より
  4. 見合取(みあいどり):戸田流気楽流より
  5. 片手胸取(かたてむなどり):荒木新流より
  6. 腕止メ(うでどめ):起倒流より
  7. 襟投(えりなげ):渋川流天神真楊流より
  8. 摺込(すりこみ):一傳無双流清水流より
  9. 敵ノ先(てきのせん):神明殺活流より
  10. 帯引(おびひき):良移心頭流より
  11. 行連レ左 上頭(ゆきつれひだり うわかしら):殺当流より
  12. 行連レ右 突込(ゆきつれみぎ つっこみ):各流合併
  13. 行連レ左 右腰投(ゆきつれひだり みぎこしなげ):渋川流「四方組」より
  14. 行連レ右 壁副(ゆきつれみぎ かべぞえ):揚心流より
  15. 行連レ  後捕(ゆきつれ うしろどり):各流合併
  16. 陽ノ離レ(ようのはなれ):扱心流の同名の技より

早捕[編集]

  1. 鈎縄
  2. 捕縄:各流合併
  3. 捕縄:立身流より
  4. 早縄:関口流より
  5. 早縄(五寸縄):水野流より
  6. 早縄(七寸縄)
  7. 手錠縄

活法[編集]

  • 心兪
  • 胆兪活
  • 不容巨闘
  • 心臓活
  • 裏活

脚注[編集]

注釈[編集]



(一)^ 

(二)^ 441969242012OB[1]

出典[編集]

  1. ^ 月刊剣道日本』2012年11月号116-117頁、スキージャーナル

参考文献[編集]

関連項目[編集]