カメルーン
- カメルーン共和国
- République du Cameroun(フランス語)
Republic of Cameroon(英語)
Republik Kamerun(ドイツ語) -
(国旗) (国章) - 国の標語:Paix, Travail, Patrie
(フランス語: 平和、労働、祖国) - 国歌:Chant de Ralliement(フランス語)
カメルーンの国歌 -
公用語 フランス語、英語 首都 ヤウンデ[1] 最大の都市 ドゥアラ - 政府
-
大統領 ポール・ビヤ 首相 ジョセフ・ディオン・ングテ 元老院議長 マルセル・ナイアット・ニフェンジ 国民議会議長 カヴァイェ・イェギエ・ジブリル - 面積
-
総計 475,440[1]km2(52位) 水面積率 1.3% - 人口
-
総計(2020年) 2654万6000[2]人(52位) 人口密度 56.2[2]人/km2 - GDP(自国通貨表示)
-
合計(2019年) 10兆4100億[3]CFAフラン - GDP(MER)
-
合計(2019年) 390億900万[3]ドル(90位) 1人あたり 1507.514[3]ドル - GDP(PPP)
-
合計(2019年) 982億2700万[3]ドル(94位) 1人あたり 3795.998[3]ドル
独立
- 日付フランスから
1960年1月1日(西南部はイギリスから1961年)通貨 CFAフラン(XAF) 時間帯 UTC(+1) (DST:なし) ISO 3166-1 CM / CMR ccTLD .cm 国際電話番号 237
概要[編集]
カメルーンは中部アフリカに位置している。だが稀に西アフリカの一部に数え上げられる場合がある。現在の同国地域を植民地としていたドイツ帝国が敗れた第一次世界大戦後の1922年、イギリスとフランスの植民地に分かれた経緯がある[4]。 独立後は非同盟路線を歩むが、経済・文化・軍事の面でフランスとの関係が深く、フランコフォニー国際機関に加盟している。1995年にはイギリス連邦にも加盟している。国名[編集]
正式名称は英語で、Republic of Cameroon︵リパブリック・オブ・キャメルーン︶。フランス語で、République du Cameroun︵レピュブリク・デュ・カムルン︶。 日本語の表記は、カメルーン共和国。通称、カメルーン。 国名は、1470年にカメルーンを最初に訪れたポルトガル人がエビの多いことから﹁カマラウン︵camarão、ポルトガル語で﹁小エビ﹂を意味する︶﹂と名付けたことに由来する[注釈 1]。歴史[編集]
独立前[編集]
カメルーン内の遺跡からは約8000年前の歴史までさかのぼることができる。カメルーンの先住民はバカ・ピグミーである。バントゥー系民族はカメルーン高地に起源を持つが、他民族による侵入が行われる前に別の土地に移動している。
独立後[編集]
アフリカの年と呼ばれる1960年、フランス領カメルーンが独立した。大統領は北部出身のイスラーム教徒アマドゥ・アヒジョである。イギリス領カメルーンは北部と南部で別々に住民投票を実施した結果、1961年には北部がナイジェリアと合併、南部はカメルーンとの連邦制となり、アヒジョが大統領、イギリス領カメルーン首相のジョン・フォンチャが副大統領に就任した。しかし徐々に圧倒的に規模の大きな旧フランス領の勢力が増大していき、フォンチャが副大統領を辞任したのち連邦制の是非を問う国民投票が行われ、この連邦制は1972年に廃止されて、アヒジョ大統領は国号をカメルーン連合共和国に変更した[5]。アヒジョ大統領は1965年・1970年・1975年・1980年の大統領選挙で再選されたが、1982年には南部出身のポール・ビヤを後継に指名して大統領を辞任した。 アヒジョからビヤへの政権交代そのものは平和的なものであり、またアヒジョも与党党首の座にはとどまるなど一定の権力は保持しつづけたが、やがてビヤが権力基盤を固めるとともに両者の関係は険悪化し、1983年にはアヒジョがクーデターを計画したとしてフランスに追放され、1984年には国外のアヒジョに死刑判決が下される︵アヒジョは国外にいたため実行はされていない︶など、ビヤは独裁権力を樹立していった[5]。また同年、国号を現在のカメルーン共和国に変更した。その後、ビヤ政権とカメルーン人民民主連合︵CPDM︶の一党支配が嫌われ、1990年には政党の結成を合法化した[5]。民主化後もビヤは選挙に勝利し続け、長期政権を維持しているが選挙自体の公正さに疑問もある。2018年の大統領選挙でもビヤが再選され、通算で7期目に入った[6]。政治[編集]
カメルーンは国家体制として共和制、大統領制をとる立憲国家である。
行政[編集]
1996年の憲法改正により、カメルーン大統領はカメルーン政府内で行政執行権を行使できるようになった。大統領は広範囲な権力を与えられており、両院制の議会に諮ることなく行使できる。
立法[編集]
議会の定数は180人。年3回開催される議会の目的は法案を通過させることである。実際、議会が法案を変更すること、成立を阻むことはめったにない。
この節の加筆が望まれています。 |
政党[編集]
司法[編集]
司法部は行政部門である法務省の下に置かれている。最高裁判所は、大統領が要求した場合に限り、違憲立法審査に着手できる。この節の加筆が望まれています。 |
法律[編集]
この節の加筆が望まれています。 |
憲法[編集]
カメルーンの憲法は1972年に制定された。
国内における政情[編集]
国際関係[編集]
この節の加筆が望まれています。 |
日本との関係[編集]
国家安全保障[編集]
同国の軍隊は、陸軍と海軍と空軍の3軍に編成されている。準軍事組織として憲兵隊が存在している。
また特殊部隊として迅速介入大隊ならびに迅速介入旅団が結成されており、この部隊は陸軍が管轄している。
地理[編集]
|
地質[編集]
この節の加筆が望まれています。 |
地方行政区分[編集]
主要都市[編集]
|
国境[編集]
この節の加筆が望まれています。 |
経済[編集]
総論[編集]
産業[編集]
対外経済関係[編集]
カメルーンを含む旧フランス領中央アフリカ諸国で用いられている通貨CFAフランは、フランス・フランとの交換レートが固定されており、安定した経済運営の下地となった。一方、フランの為替レートに引きずられる弊害もあった。経済圏としては、フランス経済ブロックに組み込まれていたと言える。 カメルーンは、西アフリカ諸国経済共同体と南部アフリカ開発共同体に挟まれた位置にあるが、いずれにも加盟していない。2国間経済援助ではフランスの出資が最も多い。一人あたりの援助受け取り額は30米ドル︵1998年︶であり、アフリカ諸国としては平均的である。 貿易相手国はフランス、ドイツ、日本の順である。対日貿易ではカメルーンの大幅な貿易赤字となっており、カメルーンからの輸出では木材が54%︵2016年︶、カカオ豆が34%を占め、この2品目で約88%に達する。輸入では化学繊維が4割を占め、次いで機械、医薬品となっている[12]。交通[編集]
鉄道[編集]
空港[編集]
河川・港湾[編集]
最も大きな港はドゥアラ港で、鉄道の通じる内陸部への物資の集散地となっている。このほか、海港としてはリンベやクリビも重要である。旧イギリス領カメルーンの海港であったリンベ港は周囲に油田が存在し、石油産業の重要拠点となっている。ドゥアラから南へ約150 km のクリビ港はかつて木材の輸出港だったが、チャドのドバ油田と結ぶ原油パイプラインを受ける原油積出基地がある。また、ベヌエ川に面する北部のガルア港も重要な河川港であるが、利用は増水期に限られている[18]。国民[編集]
民族[編集]
言語[編集]
婚姻時、婚前の姓をそのまま用いることも、夫の姓に変更することも可能である[19]。
宗教[編集]
教育[編集]
評点 | 学力の説明 | アメリカ式の評価 | 備考 |
---|---|---|---|
15.00-20.00 | Très bien(秀) | A | |
13.00-14.99 | Bien(優) | A- | |
12.00-12.99 | Assez bien(良) | B+ | |
11.00-11.99 | Passable(可) | B | |
10.00-10.99 | Moyen(並) | C | |
0.00-9.99 | Insuffisant(不良) | F | Failure(1年間の成績次第で進級) |
評点 | 学力の説明 | 分岐 | アメリカ合衆国式の評価 |
---|---|---|---|
A | 1級 | A | |
A- | 2級の上 | A- / B+ | |
B | 2級の下 | B | |
C+ | 進級可能 | C |
保健[編集]
治安[編集]
カメルーンは﹁歴史上、政治的安定を保っている﹂とされてきた国であるが、近年では殺人や強盗および窃盗などの凶悪犯罪が日常的に発生しており、旅行などで現地に滞在する際には細心の注意を払う必要がある[26]。 犯罪情勢としては、全国的に殺人、強盗、窃盗、強姦などの凶悪犯罪や電子メールを用いた詐欺事件が日常的に発生している面が窺えるが、沿岸州のドゥアラでは犯罪発生数及び犯罪発生率ともに毎月全国1位であり、殺人、強盗、身代金目的の誘拐などが多発している。更にドゥアラではマフィアの活動が活発化しており、これらマフィアが殺人、強盗、麻薬密売などに深く関わっていることが判明している。 一方、中央州では北部において障害物などを道路に置いて走行中の車両を停車させ、運転手や乗客を銃で脅して金品を強奪する道路封鎖強盗が多発している。また、中央州に位置する首都ヤウンデも地域別犯罪発生率が毎月上位を占めており、殺人、強盗などの凶悪犯罪が多発している現状がある他、2020年6月以降ヤウンデ市内で即席爆弾による小規模爆発事案が散発的に発生している[27]。 傍ら、現地では売春が問題となっている。警察[編集]
この節の加筆が望まれています。 |
人権[編集]
この節の加筆が望まれています。 |
難民[編集]
カメルーンは難民問題を抱える国の一つとなっている。
この節の加筆が望まれています。 |
マスコミ[編集]
主要ラジオ・テレビ局は国営で、電信電話局もほとんど政府の管理下にあるが、最近インターネットが普及し、規制を受けないインターネットサービスプロバイダが増えている。
この節の加筆が望まれています。 |
文化[編集]
食文化[編集]
文学[編集]
音楽[編集]
アフロビートのマヌ・ディバンゴがカメルーン出身のサックス奏者として著名であり、彼は1973年に「ソウル・マコッサ」の世界的ヒットを残した。また、アメリカで活動している女性シンガーソングライター、アンディ・アローもカメルーン出身である。
美術[編集]
この節の加筆が望まれています。 |
映画[編集]
この節の加筆が望まれています。 |
世界遺産[編集]
カメルーン国内には、ユネスコの世界遺産リストに登録された自然遺産が2件存在する(うち1件は中央アフリカ共和国、コンゴ共和国と共有)。
祝祭日[編集]
日付 | 日本語表記 | 現地語表記 | 備考 |
---|---|---|---|
1月1日 | 元日 | New Year's Day | |
2月11日 | 青年の日 | National Youth Day | |
5月1日 | メーデー | Labor Day | |
5月20日 | 建国記念日 | National Day | |
8月15日 | 聖母の被昇天 | Assumption | |
12月25日 | クリスマス | Christmas |
スポーツ[編集]
サッカー[編集]
バスケットボール[編集]
バスケットボールカメルーン代表はかつてアフリカ選手権4位となったことがあるものの、近年は長らく低迷が続いていた。しかし2007年に15年ぶりのアフリカ選手権出場を果たすと、準優勝となり2008年北京五輪の世界最終予選まで進出するなどしている。オリンピック[編集]
著名な出身者[編集]
- 文化人
- スポーツ選手
- サミュエル・エトー - 元サッカー選手
- ロジェ・ミラ - 元サッカー選手
- パトリック・エムボマ - 元サッカー選手
- アレクサンドル・ソング - 元サッカー選手
- カルロス・カメニ - 元サッカー選手
- ジョエル・マティプ - サッカー選手(リヴァプールFC所属)
- シュポ=モティング - サッカー選手(FCバイエルン・ミュンヘン所属)
- フランシス・ガヌー - 総合格闘家(UFCヘビー級王者)
- ジョエル・エンビード ‐ バスケットボール選手
脚注[編集]
注釈[編集]
出典[編集]
参考文献[編集]
●﹃ナイジェリア・カメルーン・中央アフリカ﹄ 103巻、朝日新聞社︵編︶︿週刊朝日百科世界の地理﹀、1985年︵昭和60年︶10月13日、11-76,77頁。 ●A・ノルトマン=ザイラー 著、松田忠徳 訳﹃新しいアフリカの文学﹄︵初版︶白水社、東京︿文庫クセジュ622﹀、1978年9月10日、90-91,96頁。 ●片岡幸彦﹁アフリカ――フランス語﹂﹃激動の文学――アジア・アフリカ・ラテンアメリカの世界﹄︵初版︶信濃毎日新聞社、長野市、1995年3月15日、213-214頁。 ●田辺裕、島田周平、柴田匡平﹃世界地理大百科事典2アフリカ﹄朝倉書店、1998年、126頁。ISBN 4254166621。 ●﹁アフリカ黒人文学概論﹂﹃世界の黒人文学 : アフリカ・カリブ・アメリカ﹄加藤恒彦; 北島義信; 山本伸 (編著)、鷹書房弓プレス、2000年。ISBN 480340447X。 ●一般社団法人海外鉄道技術協力協会﹃世界の鉄道﹄︵初版︶ダイヤモンド・ビッグ社、2015年10月2日、341頁。 ●﹃データブック オブ・ザ・ワールド世界各国要覧と最新統計﹄2016年版、二宮書店、2016年(平成28年)1月10日、264頁。 ●﹃データブック オブ・ザ・ワールド 世界各国要覧と最新統計﹄2018年版、二宮書店、2018年(平成30年)1月10日、265頁。関連項目[編集]
●カメルーン関係記事の一覧 - 英語版 (List of Cameroon-related topics) ●セネガル ●セネガンビア - カメルーンと同じフランス語圏国家セネガルと、英語圏国家ガンビアが一緒になった連合国家。1982年発足、1989年解消。 ●ナイジェリア ●マリ ●石油関連 ●ドバ油田 - カメルーン南部を横断するパイプライン輸送路が存在する。 ●バカシ半島 - 隣国ナイジェリアと油田がらみの領有権問題を抱えている。 ●ジャー動物保護区 - 2007年現在ではカメルーンの唯一の世界遺産 ●カメルーン海軍艦艇一覧関連文献[編集]
発行年順 ●端信行﹃サバンナの農民 : アフリカ文化史への序章﹄中央公論社︿中公新書629﹀、1981年、NCID:BN00763595。 ●﹁農民﹂佐藤次高、富岡倍雄、後藤晃、永田雄三、村井吉敬、日野舜也、中野暁雄、三木亘﹃イスラム世界の人びと﹄2、上岡弘二 (ほか編)、1984年、東洋経済新報社、ISBN:4492812628、NCID:BN04450252。 ●片倉もとこ、大塚和夫、原隆一﹃イスラーム教徒の社会と生活﹄、西野節男、宮本勝、張承志、赤堀雅幸、清水芳見、中山紀子、鷹木恵子、宮治美江子、日野舜也、中村光男、板垣雄三、栄光教育文化研究所; 悠思社 (発売)︿講座イスラーム世界1﹀、1994年、ISBN:4946424849、NCID:BN11693866。 ●﹃アフリカ経済﹄末原達郎、池上甲一、辻村英之、高根務、武内進一、大林稔、世界思想社︿Sekaishiso seminar﹀、1998年、ISBN:4790706923、NCID:BA33850999。 ●佐々木重洋﹃仮面パフォーマンスの人類学 : アフリカ、豹の森の仮面文化と近代﹄、世界思想社、2000、ISBN:4790708403、NCID:BA49475946 ●宮本正興、松田素二、砂野幸稔﹃現代アフリカの社会変動 : ことばと文化の動態観察﹄栗本英世、松田凡、戸田真紀子、梶茂樹、米田信子、小森淳子、竹村景子、稗田乃、赤阪賢、嘉田由紀子、中山節子、MalekanoLawrence、三島禎子、末原達郎、澤田昌人、元木淳子、楠瀬佳子、木村大治、人文書院、2002年、ISBN:4409530275、NCID:BA56698612。 ●亀井伸孝﹃森の小さな﹁ハンター﹂たち : 狩猟採集民の子どもの民族誌﹄京都大学学術出版会、2010年、ISBN:9784876987825。 ●重田眞義、伊谷樹一、泉直亮﹃争わないための生業実践 : 生態資源と人びとの関わり﹄、加藤太、桐越仁美、山本佳奈、佐藤靖明、近藤史、吉村友希、大山修一、藤岡悠一郎、四方篝、黒崎龍悟、重田眞義、京都大学学術出版会︿アフリカ潜在力 / 太田至シリーズ総編、4﹀、2016年、ISBN:9784814000081。 ●﹃紛争をおさめる文化 : 不完全性とブリコラージュの実践﹄総編、松田素二、平野美佐、太田至、松田素二、松本尚之、Lengja NgnemzueAnge B.、石田慎一郎、HeboMamo、HolzmanJon、楠和樹、木村大治、SadombaWilbert Z.、金子守恵、重田眞義、NyamnjohFrancis B.、京都大学学術出版会︿アフリカ潜在力 / 太田至シリーズ1﹀、2016年。ISBN:9784814000050。 ●国立民族学博物館、江口一久﹁北カメルーンの王さま﹂﹃みんぱく映像民族誌﹄第23集、国立民族学博物館、2017年。外部リンク[編集]
- カメルーン共和国大統領府 (英語)(フランス語)
- カメルーン共和国首相府 (英語)
- 日本政府
- 日本外務省 - カメルーン (日本語)
- 在カメルーン日本国大使館(日本語)(英語)(フランス語)
- カメルーン政府観光局 (フランス語)
- Cameroon Field Station (日本語)
- カメルーンのピグミー (英語)(イタリア語)
- カメルーンに関連する地理データ - オープンストリートマップ
- 『カメルーン』 - コトバンク