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「日本書紀」の版間の差分

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[[ファイル:Nihonshoki tanaka version.jpg|thumb|right|300px|巻第十の写本(田中本)[[奈良国立博物館]]蔵 [[国宝]] 平安時代・9世紀 現存最古写本 画像は現存第1紙(応神天皇紀)]]


[[File:Nihonshoki tanaka version.jpg|thumb|right|300px|<hr>[[]][[]]9<hr>1]]

[[File:Postscript from The Age of Gods chapter, The Chronicles of Japan (1286).jpg|thumb|300px|巻第一(神代巻上)の写本(吉田本、2巻のうち)[[京都国立博物館]]蔵 国宝 鎌倉時代・弘安9年(1286年)卜部兼方奥書 画像は巻頭部分]]


[[File:Postscript from The Age of Gods chapter, The Chronicles of Japan (1286).jpg|thumb|300px|2<hr>[[]]91286<hr>]]

[[File:Nihon Shoki Iwasaki.jpg|thumb|300px|巻第二十二の写本(岩崎本、2巻のうち)京都国立博物館蔵 国宝 平安時代・10 - 11世紀 画像は推古天皇元年正月紀(「[[飛鳥寺|法興寺]]の塔の刹柱に仏舎利を安置」の記事がみえる)]]


[[File:Nihon Shoki Iwasaki.jpg|thumb|300px|2<hr>10 - 11<hr>[[|]]]]

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※[[Wikipedia]]においては、必ず[[Wikipedia:中立的な観点]]のガイドラインにそって「対立する観点との相対的な勢力差を示す」必要があります。「各観点を1人ずつの主張として記すことによって、圧倒的な多数派の観点とごく少数の人々の観点をあたかも対等であるかのように伝えて」しまうのはナンセンスです。


[[Wikipedia]][[Wikipedia:]]1[[]][[Wikipedia:]]

[[学術]]的に主流とされる見解を記載の上で、編集を行ってください。

また、必要に応じて[[Wikipedia:ノートページのガイドライン]]に従って、ノートページにて議論を行ってください。

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''''''<ref>{{Cite web||title=30. [1] - |url=https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2544340?tocOpened=1|website=dl.ndl.go.jp|accessdate=2020-12-18}}</ref><ref>{{Cite web||title=30. [2] - |url=https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2544341?tocOpened=1|website=dl.ndl.go.jp|accessdate=2020-12-18}}</ref>[[]][[]][[]][[]]1[[]]4[[720]]<ref>{{Cite web||url=https://www.nippon.com/ja/japan-topics/g00709/|title=1|publisher=nippon.com|date=2019-06-25|accessdate=2021-02-07}}</ref>[[]]<ref>{{Cite web||url=https://allreviews.jp/review/5126|title=: () -  , , ,  -   | |publisher=ALL REVIEWS|date=2020-11-18||accessdate=2021-01-03}}</ref>[[]][[]]{{Sfnp||2001|pp=39-41}}[[ ()|]][[]][[]][[]]30[[]]1{{Sfnp||2009|p=11}}

''''''<ref>{{Cite web||title=30. [1] - |url=https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2544340?tocOpened=1|website=dl.ndl.go.jp|accessdate=2020-12-18}}</ref><ref>{{Cite web||title=30. [2] - |url=https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2544341?tocOpened=1|website=dl.ndl.go.jp|accessdate=2020-12-18}}</ref>[[]][[]][[]][[]]1[[]]4[[720]]<ref>{{Cite web||url=https://www.nippon.com/ja/japan-topics/g00709/|title=1|publisher=nippon.com|date=2019-06-25|accessdate=2021-02-07}}</ref>[[]]<ref>{{Cite web||url=https://allreviews.jp/review/5126|title=: () -  , , ,  -   | |publisher=ALL REVIEWS|date=2020-11-18||accessdate=2021-01-03}}</ref>[[]][[]]{{Sfnp||2001|pp=39-41}}[[ ()|]][[]][[]][[]]30[[]]1{{Sfnp||2009|p=11}}
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* 『[[譜第]]』

* 『[[譜第]]』



== 区分論 ==

== 区分論と仏典・朝鮮変格漢文の影響 ==

=== 区分論 ===

『日本書紀』は内容・語句・音韻など様々な観点から各巻をいくつかのグループに分類できることがわかっており、多くの学者が区分論を展開している。以下、主として坂本太郎と[[森博達]]の著作を参考にまとめる。

『日本書紀』は内容・語句・音韻など様々な観点から各巻をいくつかのグループに分類できることがわかっており、多くの学者が区分論を展開している。以下、主として坂本太郎と[[森博達]]の著作を参考にまとめる。



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森による分析でα群に使用されている万葉仮名の漢字音は唐代北方音([[漢音]])に依拠しており、β群のそれは倭音・複数の字音体系が混在していることが明らかになっている。そして森はさらにそれを発展させ、β群に和習が集中すること、漢文の初歩的な文法・語彙の誤りが頻出することなどから、β群は非中国語話者が主筆担当したと推定している{{Sfnp|森博達|2011|p=20}}。逆にα群では漢文の誤りが少ない事、和歌の採録時日本語の[[清音]]と[[濁音]]を区別できていないこと{{Sfnp|森博達|2011|p=22}}、日本の習俗に精通していないことがわかることなどから、中国系の渡来1世が主たる述作にあたったと結論している{{Sfnp|森博達|2011|p=22}}。さらにα群・β群内の混在(α群の中に和習の強い文章が混入している)や、特定の表現が頻出する筆癖などから、本文完成後の加筆や潤色等の編纂過程の手掛かりが得られるとしている{{Sfnp|森博達|2011}}。

森による分析でα群に使用されている万葉仮名の漢字音は唐代北方音([[漢音]])に依拠しており、β群のそれは倭音・複数の字音体系が混在していることが明らかになっている。そして森はさらにそれを発展させ、β群に和習が集中すること、漢文の初歩的な文法・語彙の誤りが頻出することなどから、β群は非中国語話者が主筆担当したと推定している{{Sfnp|森博達|2011|p=20}}。逆にα群では漢文の誤りが少ない事、和歌の採録時日本語の[[清音]]と[[濁音]]を区別できていないこと{{Sfnp|森博達|2011|p=22}}、日本の習俗に精通していないことがわかることなどから、中国系の渡来1世が主たる述作にあたったと結論している{{Sfnp|森博達|2011|p=22}}。さらにα群・β群内の混在(α群の中に和習の強い文章が混入している)や、特定の表現が頻出する筆癖などから、本文完成後の加筆や潤色等の編纂過程の手掛かりが得られるとしている{{Sfnp|森博達|2011}}。



=== 仏典・朝鮮変格漢文の影響 ===

[[森博達]]によると、『日本書紀』は

[[森博達]]や[[石井公成]]などによると、『日本書紀』は

*[[持統天皇]]期に中国人の[[続守言]]と[[薩弘恪]]が記したα群

*[[持統天皇]]期に中国人の[[続守言]]と[[薩弘恪]]が記したα群

*[[文武天皇]]期に[[新羅]]に留学した[[山田御方|山田史御方]]が記したβ群

*[[文武天皇]]期に[[新羅]]に留学した[[山田御方|山田史御方]]が記したβ群

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*正格漢文によって綴られる

*正格漢文によって綴られる

*『[[金光明最勝王経]]』を用いた潤色が巻 15・16・17・19・20・21に見られる(後人の潤色加筆)

*『[[金光明最勝王経]]』を用いた潤色が巻 15・16・17・19・20・21に見られる(後人の潤色加筆)


*[[]]α14151922021242192021424[[|]]β23[[]]3

*ほとんど朝鮮俗漢文や仏典のみでしか見られない冷僻字「噵」が用いられる

*四字格

*四字格

*受身の「所+動詞」

*受身の「所+動詞」

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*歌謡や訓注の[[万葉仮名]]は[[倭音]]

*歌謡や訓注の[[万葉仮名]]は[[倭音]]

*漢文において誤用や奇用が目立つ

*漢文において誤用や奇用が目立つ

*『[[経律異相]]』由来の「未経幾〇」という表現が頻出する

*『[[経律異相]]』など仏典由来の「未経幾〇」という表現が頻出する

*仏典由来の「亦+主語」という誤用が頻出する

*『[[法華経]]』など仏典由来の「亦+主語」という誤用が頻出する

*仏典由来の「因以(接続詞)」「遣〜令〜(使役)」「有〜之情」「動詞+之日」「爰(語気助詞)」 という奇用が頻出する

*仏典由来の「因以(接続詞)」「遣〜令〜(使役)」「有〜之情」「動詞+之日」「爰(語気助詞)」 という奇用が頻出する

*排除の介詞「除」

*排除の介詞「除」

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*巻2の火中出生譚は『[[雑宝蔵経]]』、巻11の仁徳紀における兄弟皇位相譲譚は『[[宝苑珠林]]』に由来する

*巻2の火中出生譚は『[[雑宝蔵経]]』、巻11の仁徳紀における兄弟皇位相譲譚は『[[宝苑珠林]]』に由来する

という特徴があるとした<ref>森博達「仏教漢文と『日本書紀』区分論[https://ksu.repo.nii.ac.jp/record/2000066/files/CLSKSU_2023_002.pdf]」吉田和彦編『ことばの不思議ー日本語と世界の言語』(松香堂書店、2024年)</ref>。

という特徴があるとした<ref>森博達「仏教漢文と『日本書紀』区分論[https://ksu.repo.nii.ac.jp/record/2000066/files/CLSKSU_2023_002.pdf]」吉田和彦編『ことばの不思議ー日本語と世界の言語』(松香堂書店、2024年)</ref>。


他にも、仏典などによる影響は以下の通り多数見られる<ref>森博達「仏教漢文と『日本書紀』区分論[https://ksu.repo.nii.ac.jp/record/2000066/files/CLSKSU_2023_002.pdf]」吉田和彦編『ことばの不思議ー日本語と世界の言語』(松香堂書店、2024年)</ref>。

*巻19・[[欽明天皇]]紀の即位前紀の「忻'''喜遍身'''」「'''歎未曽'''夢」「'''汝有何事'''」「而楽'''麁行'''」「倶'''令全命'''」や、[[仏教公伝]]の記事の「無不尊敬」「懐'''随意宝'''」「'''無所乏'''」「且'''夫遠'''自天竺」「'''歓喜踊躍'''」は『[[金光明最勝王経]]』などに由来する仏典表現であり、「天皇聞已」の「聞已」は漢訳経典の定型句である。また、[[崇仏論争]]の記事についても「'''相貌端厳'''」「全'''未曽有'''」が仏典表現である。

*巻20・[[敏達天皇]]紀の「'''汝可独'''行仏法」は仏典にのみ見られ、巻21・[[用明天皇]]紀の「天皇'''為之'''悲慟」という四字句は仏典に多用される。


*21[[]][[]] [[]]''''''[[]]'''''''''''''''''''''''' β''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''''[[]]'''''''''''' '''''' 43β 

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*巻5「出雲振根主于神宝。」

*巻14「小鹿火宿禰深怨乎大磐宿禰」

*巻14「超攄絶於埃塵」

*巻15「天皇即遣使、嘖譲於上道臣等、而奪其所領山部。」

*巻18「毎念於玆、憂慮何已。」

*巻18「以示於後、式観乎昔。」

*巻18「元元蒼生、楽於稼穡」

*巻19「遣□□伐于高麗。」

*巻20「汝若不愛於学」

*巻20「可勤修乎任那之政也。」

*巻21「助衛於我使獲利益」

*巻21「恐嫌於己」

*巻21「馬子宿禰詐於群臣」

*巻21「乃使東漢直駒殺于天皇。」

*巻22「或病或使、有闕於事。」

*巻25「毎念於斯」

*巻25「惟此天地、生乎万物。」

*巻25「必先於近。」

*巻25「天皇恨欲捨於国位」

*巻27「遣□□救於百済」

*巻29「大津皇子謀反於皇太子。」

*巻30「諫争天皇欲幸伊勢、妨於農事。」


β522使293018αα181418[[ ()|]][[]]15使1818[[]][[]]β25252525[[]]3[[]][[]]2[[702]][[]]319[[]]21使2121宿21使4[[]]344511宿<ref>[https://ksu.repo.nii.ac.jp/record/2000066/files/CLSKSU_2023_002.pdf]2024</ref>

仏教漢文の語法の特徴は主に5つある。1つ目は「疑問句例」である。口語化した「正反並列法」と書面語的な「否定詞のみで反項を表す方法」の2種類が存在する。仏典での前者の用例は[[後漢]]から[[東晋]]の訳経で、[[後漢]]・[[安世高]]訳『大安般守意経』の「問:坐與行為'''同不同'''?」や[[東晋]]・[[法顕]]訳『摩訶僧祇律』の「聞者生疑:為'''爾不爾'''?」などが挙げられる。ただし、『書紀』には類句は存在しない。後者の用例については、[[後漢]]・[[支讖]]訳『般若道 行品経』の「是男子為黠'''不'''?」が挙げられる。ただし、この用法は仏教漢文のみでなく、通常の[[漢籍]]でも[[前漢]]の[[司馬遷]]による『[[史記]]』「袁盎晁錯列伝」の「呉楚罷不?」や[[劉宋]]の『[[世説新語]]』「方正篇」の「尊君在不?」のように会話文で用いていることから、仏教漢文とは断言できない。この用法は、『書紀』においてはα・β両群に18例が存在する。β群は7例ある。巻2に「當須避'''不'''。」「国在耶以'''不'''。」「奉天神耶以'''不'''。」「奉天神耶以'''不'''。」の4例、巻7に「易及人民順'''不'''。」、巻9の分注に「天皇怒解'''不'''。」、巻10に「未知 其成'''不'''。」がある。α群には11例ある。巻19に「徵召新羅、問聽與'''不'''」「願居一處、倶論可'''不'''」「西蕃獻佛,相貌端嚴。全未曾有、可禮以'''不'''。」「来'''不也'''、又軍数幾何。」という4例、巻25に「不言題'''不'''、諫朕癈忘。」「國司至任、奉所誨'''不'''。」「猶如古代、而置以'''不'''。」の3例、巻26分注は「伊吉連博徳書」の文章に「平安以'''不'''。」「好在以'''不'''。」「國內平'''不'''。」という3例、巻27に「福信之罪、既如此焉、可斬以'''不'''。」 があり,これらは[[崇仏論争]]や朝鮮関係の記事である。α群の用例は四字句が顕著であり、後生の加筆と考えられる<ref>森博達「仏教漢文と『日本書紀』区分論[https://ksu.repo.nii.ac.jp/record/2000066/files/CLSKSU_2023_002.pdf]」吉田和彦編『ことばの不思議ー日本語と世界の言語』(松香堂書店、2024年)</ref>。


仏教漢文の語法の特徴の2つめは「排除式例」が挙げられる。これは介詞「除」の二種の用法のことであり、「特殊を排除する」ものと「その他を補充する」ものであり、「〜の他はすべて」と「〜の他にさらに」の二種であり、以下のものが挙げられる。

*[[三国時代]]・[[支謙]]訳『頼吒和羅経』「'''除'''王家宗親、視我国中尚無過卿。」

*[[東晋]]・[[仏陀跋陀羅]]訳『観佛三昧海経』「唯'''除'''我身、其餘無惜。」

*[[西晋]]・[[竺法護]]訳『無量清浄平等覚経』「'''除'''我國中人民所願、餘人民壽命無有能計者」

*[[後秦]]・[[鳩摩羅什]]訳『維摩詰所説経』「'''除'''彼不肖人、癡冥無智者。」


 [[]]11β''''''10

*巻6「吾則是國王也、'''除'''吾復無二王、故勿往他處。」


*7''''''*9''''''

*巻9「非東日更出西、且'''除'''阿利那禮河返以之逆流、及河石昇爲星辰、而殊闕春秋之朝、怠廢梳鞭之貢、天神地祇共討焉。」

*巻22「天上有神、地有天皇。'''除'''是二神、何亦有畏乎。」

*巻22「…夫佛法自…仰願、其'''除'''惡逆者以外僧尼、悉赦而勿罪。…」

*巻29「…唯'''除'''賀使以外不召、則汝等親所見。…」

*巻29「凡任國司者、'''除'''畿內及陸奧・長門國、以外皆任大山位下人。」

*巻29「凡當正月之節、諸王諸臣及百寮者、'''除'''兄姉以上親及己氏長以外、莫拜焉。」

*巻29「凡諸寺者自今以後、'''除'''爲國大寺二三以外、官司莫治。」

*巻29「庚寅、'''除'''死刑以下罪人皆咸赦焉。」


11ββ[[|]][[]]<ref>[https://ksu.repo.nii.ac.jp/record/2000066/files/CLSKSU_2023_002.pdf]2024</ref>

仏教漢文の語法の特徴の3つ目は「被動句例」 である。仏教漢文に特徴的な被動句(受身文)に「為〜所見〜」「為〜之所〜」「為〜而見〜」「所見〜」の4種が挙げられる。また、「動作主+所+動詞」の句式として、[[西晋]]・[[竺法護]]訳『生経』の「飛鳥所食。」が挙げられる。ただし、『書紀』には以上の被動句は見られない。なお、仏典には動作主が提示されない被動句もある。「所+動詞」の動詞が原典の被動記号の漢訳として用いられたものである。[[唐]]・[[玄奘]]訳『阿毘達磨倶舍論』には「餘契經中諸蘊處界。隨應攝在前所説中。如此論中所説蘊等。」とある。これと同様の被動句は『書紀』にも6例見え、すべてα群に偏在する。

*巻14「坂合黒彦皇子深恐'''所疑'''」

*巻14「其舍人等【闕名字也】、收取'''所焼'''」

*巻17「多多羅等四村之'''所掠'''者」

*巻21「是其妣皇后'''所葬'''之陵也。」

*巻24「葛野秦造河勝、悪民'''所惑'''、打大生部多。」

*巻24「船史恵尺、即疾取'''所焼'''国記奉中大兄。」


62[[]][[]]34α5[[]]6[[]][[]][[|]][[]]<ref>[https://ksu.repo.nii.ac.jp/record/2000066/files/CLSKSU_2023_002.pdf]2024</ref>

仏教漢文の語法の特徴の4つ目は「完成態を表す已」である。仏典には[[隋]]・[[闍那崛多]]訳『仏本行集経』の「時諸大臣聞'''已'''歓喜、往至彼林迎二王子、将還入宮。」がある。『書紀』には以下の4例が見える。


*16''''''

*巻19「聖明王聞宣勅'''已'''、歷問三佐平內頭及諸臣」

*巻19「天皇聞'''已'''、歡喜踊躍、詔使者云」

*巻21「誓'''已'''厳種種兵、而進討伐」


α12336 4[[]]62.3.4<ref>[https://ksu.repo.nii.ac.jp/record/2000066/files/CLSKSU_2023_002.pdf]2024</ref>

仏教漢文の語法の特徴の5つ目は「主語+名詞+是(也)式判断句」である。β群が16例、α群が3例である。以下に例を挙げる。

*巻1「便授之素戔嗚尊、此則筑紫胸肩君等所祭神是也。」

*巻14「吉備上道蚊嶋田邑家人部是也。」

*巻21「天皇爲之悲慟。今南淵坂田寺木丈六佛像・挾侍菩薩、是也。」

*巻25「尊佛法、輕神道【斮生國魂社樹之類、是也】。爲人柔仁好儒。」

*巻28「時人曰、卽神所教之辭是也。」

*巻29「拜造高市大寺司。【今大官大寺、是。】」


α314[[|宿]][[]]21[[]]25[[]][[]][[]]α3<ref>[https://ksu.repo.nii.ac.jp/record/2000066/files/CLSKSU_2023_002.pdf]2024</ref>

仏教漢文の語法の特徴の5つ目は「分句末に用いられて原因を表す故」である。『書紀』には6例ある。「故」が4例、「由〜故」が2例ある<ref>森博達「仏教漢文と『日本書紀』区分論[https://ksu.repo.nii.ac.jp/record/2000066/files/CLSKSU_2023_002.pdf]」吉田和彦編『ことばの不思議ー日本語と世界の言語』(松香堂書店、2024年)</ref>。

*巻15「則哭女與麁寸、異父兄弟之故、哭女之女飽田女、呼麁寸曰『於母亦兄』也。」

*巻15「則飽田女與麁寸、異母兄弟之故、飽田女呼夫麁寸曰『於吾亦兄』也。」

*巻19「別汝所噵、恐致卓淳等禍、非新羅自强故所能爲也。」

*巻22「是軍事者、境部臣・阿曇連、先多得新羅幣物之故、又勸大臣。」

*巻1「由吾在故、汝得建其大造之績矣。」

*巻25「四方諸國郡等、由天委付之故、朕總臨而御寓。」



使+

「因以」の用例は


*[[ ()|]][[]]

*[[唐]]・[[道世]]『法苑珠林』「貧人見之、因以發願。願我後身長大一切深水無過膝者。」

**巻1「然後洗左眼。因以生神、號曰天照大神。」

**巻22「便受佛像、因以造蜂岡寺。」

**巻29「天皇始體不安、因以於川原寺說藥師經」

「遣〜令〜」の用例は

*[[西晋]]・[[竺法護]]『仏説普耀経』「佛遣使令行孚致消息來」

*[[東晋]]・[[瞿曇僧伽提婆]]訳『中阿含経』「遣尊者舍梨子令見佐助。」

**巻5「任那國、遣蘇那曷叱知.令朝貢也。」

**巻22「辛未、皇太子遣使令視飢者。」

**巻28「遣田中臣足麻呂令守倉歷道。」

「有〜之情」の用例は

*[[呉]]・[[康僧會]]訳『六度集経』「得無吾母以身肉飡吾等乎。三子愴然有悲傷之情。」

*唐・道世『法苑珠林』身居無慚之地。心有無愧之情。」

**巻2「猶有憶郷之情」

**巻8「天皇聞神言、猶有疑之情。」

**巻20「有帰於不破宮之情」

「動詞+之日」の用法は

*[[後秦]]・[[仏陀耶舍共竺仏念]]訳『長阿含経』「君等亦當別封王土。居位之日勿相忘也。」

*梁・宝唱撰『経律異相』「疾病之日開看骸骨。洗浴求福使病得愈。」

**巻10「是以、天皇宴于後宮之日、始喚髮長媛」

**巻24「三韓進調之日必將使卿讀唱其表」

**巻25「事了還鄕之日、忽然得疾臥死路頭」

**巻30「告喪之日、翳飡金春秋奉勅。」

「爰」の用法は

*[[隋]]・[[闍那崛多]]訳『起世経』「歴諸勝地。爰及林苑。」

*南梁・[[慧皎]]撰『高僧傳』「爰自西域至于南土。凡所遊履靡不興造檀會敷陳教法。」

**巻5「爰倭迹々姬命、心裏密異之」

**巻21「誓已嚴種種兵、而進討伐。爰有迹見首赤檮、射墮大連…」

**巻28「爰大友皇子謂群臣曰、將何計。」


106β使30β11β+28β25α2301 α224調使[[]]25[[]]α2425[[]]30使30112β89α23<ref>[https://ksu.repo.nii.ac.jp/record/2000066/files/CLSKSU_2023_002.pdf]2024</ref>


== 暦 ==

== 暦 ==

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== 受容・読書史 ==

== 受容・読書史 ==


{{Sfnp|||2020|pp=viii-ix}}[[]][[]][[]][[]][[]][[]]{{Sfnp||2020|p=245}}

[[|]]{{Sfnp|||2020|pp=viii-ix}}[[]][[]][[]][[]][[]][[]]{{Sfnp||2020|p=245}}


=== 日本紀講筵と書紀古訓 ===

=== 日本紀講筵と書紀古訓 ===

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=== 本格的注釈書の出現 ===

=== 本格的注釈書の出現 ===

近世に入ると、[[儒教|儒学]]の立場から理解しようとする動向が見られるようになる。それまでも[[卜部兼方]]『釈日本紀』に始まり、[[一条兼良]]『[[日本書紀纂疏]]』や[[吉田兼倶]]『[[神書聞塵]]』『[[日本書紀神代巻抄]]』へと続き、さらにその周辺において[[忌部正通]] 『[[神代巻口訣]]』、劔阿『日本紀私鈔』、良遍『[[日本書紀巻第一聞書]]』『神代巻私見聞』、[[慈遍]]『旧事本紀玄義』など、仏教の要素がある注釈書は少なからずあるが{{Sfnp|斎藤英喜|2020|p=79}}、儒学が幕府の庇護を受けるようになってからは、[[朱子学]]を中心に解釈が成されていった。

近世に入ると、[[儒教|儒学]]の立場から理解しようとする動向が見られるようになる。それまでも[[卜部兼方]]『釈日本紀』に始まり、[[一条兼良]]『[[日本書紀纂疏]]』や[[吉田兼倶]]『[[神書聞塵]]』『[[日本書紀神代巻抄]]』へと続き、さらにその周辺において[[忌部正通]] 『[[神代巻口訣]]』、劔阿『日本紀私鈔』、良遍『[[日本書紀巻第一聞書]]』『神代巻私見聞』、[[慈遍]]『旧事本紀玄義』など、仏教の要素がある注釈書は少なからずあるが{{Sfnp|斎藤英喜|2020|p=79}}、儒学が幕府の庇護を受けるようになってからは、[[朱子学]]を中心に解釈が成されていった。

[[File:Yamazaki Ansai.jpg|thumb|200px|山崎闇斎<hr>垂加神道では『日本書紀』研究が盛んに行われた。]]



[[]][[]][[|]]稿{{Sfnp||2022|p=86|ps={{Harvnb|||2022}}}}[[]][[]]姿{{Sfnp||2022|p=86|ps={{Harvnb|||2022}}}}

[[]][[]][[|]]稿{{Sfnp||2022|p=86|ps={{Harvnb|||2022}}}}[[]][[]]姿{{Sfnp||2022|p=86|ps={{Harvnb|||2022}}}}

[[File:Tanigawa Kotosuga 25.jpg|thumb|200px|left|<hr>[[|]]{{Efn2|[[]]{{Sfnp||2007|p=93}}}}]]


[[]][[]]500{{Sfnp||2022|p=87|ps={{Harvnb|||2022}}}}{{Sfnp||2018|p=35}}[[|]]{{Efn2|[[]]{{Sfnp||2007|p=93}}}}{{Sfnp||2007|p=93}}{{Sfnp||2022|p=87|ps={{Harvnb|||2022}}}}{{Sfnp||1999|pp=21-23}}{{Sfnp||2007|p=95}}{{Sfnp||2007|p=92}}

[[]][[]]500{{Sfnp||2022|p=87|ps={{Harvnb|||2022}}}}{{Sfnp||2018|p=35}}{{Sfnp||2022|p=87|ps={{Harvnb|||2022}}}}{{Sfnp||1999|pp=21-23}}{{Sfnp||2007|p=95}}{{Sfnp||2007|p=92}}

[[File:.jpg|thumb|300px|[[#|]]<hr>[[]][[]][[]]]]

こうした儒家の研究に対して、18世紀頃から隆盛を極めたのが、[[国学]]の流れを汲む研究である。例えば[[実証主義]]的な[[文献学]]的方法で後々の国学者に大きな影響を与えた[[契沖]]は、『厚顔抄』という記紀歌謡の注釈書を著しているが、全3巻のうち上・中が『日本書紀』で下が『古事記』という排列から、『日本書紀』を重んじる精神が見られる{{Sfnp|荊木美行|2022|p=88|ps=(原論文:{{Harvnb|荊木美行|浦野綾子|2022}})}}。また、[[荷田春満]]は神代巻の注釈書や講義録を残しており{{Efn2|春満の『日本書紀』研究については、{{Harvp|渡邉卓|2012}}に詳しい。また『新編荷田春満全集』全12巻(2003年6月~2010年2月)の第2巻と第3巻には、未公開資料も含めて春満の講義録などが翻刻されている{{Sfnp|荊木美行|2022|p=88|ps=(原論文:{{Harvnb|荊木美行|浦野綾子|2022}})}}。}}、後世の解釈に拠らないで研究すべきことを説いている{{Sfnp|荊木美行|2022|p=88|ps=(原論文:{{Harvnb|荊木美行|浦野綾子|2022}})}}。やがて[[賀茂真淵]]の頃から、国学者は『古事記』を高く評価するようになっていった。とりわけ[[本居宣長]]による[[漢意]]の排斥と『[[古事記伝]]』の完成以降、こうした風潮は一気に高まった{{Sfnp|谷口雅博|2007|p=92}}。尤も宣長は『古事記伝』の中で『日本書紀』を漢意に惑わされず読むことの必要性を述べていることから、宣長以前にあった『日本書紀』研究の蓄積なくして『古事記伝』はなかったともいえる{{Sfnp|渡邉卓|2020|p=116}}。また、[[橘守部]]などは宣長の考えに対して『日本書紀』の優越性を主張しているほか、[[平田篤胤]]なども『古事記』偏重の傾向を批判している{{Sfnp|荊木美行|2022|p=89|ps=(原論文:{{Harvnb|荊木美行|浦野綾子|2022}})}}。いずれにせよ、国学者が研究の対象とする古代文献は漢字で書かれているが、その中にあって純粋な漢文で書かれている『日本書紀』は、海外の表記法で日本を記した文献であるため、国学者は『日本書紀』の訓読作業に取り組み、和語に改めることで古語を知ろうとしたのであり、いわば『日本書紀』以前の古語を求める取り組みは、『日本書紀』を和文として理解することでもあった{{Sfnp|渡邉卓|2020|p=117}}。

こうした儒家の研究に対して、18世紀頃から隆盛を極めたのが、[[国学]]の流れを汲む研究である。例えば[[実証主義]]的な[[文献学]]的方法で後々の国学者に大きな影響を与えた[[契沖]]は、『厚顔抄』という記紀歌謡の注釈書を著しているが、全3巻のうち上・中が『日本書紀』で下が『古事記』という排列から、『日本書紀』を重んじる精神が見られる{{Sfnp|荊木美行|2022|p=88|ps=(原論文:{{Harvnb|荊木美行|浦野綾子|2022}})}}。また、[[荷田春満]]は神代巻の注釈書や講義録を残しており{{Efn2|春満の『日本書紀』研究については、{{Harvp|渡邉卓|2012}}に詳しい。また『新編荷田春満全集』全12巻(2003年6月~2010年2月)の第2巻と第3巻には、未公開資料も含めて春満の講義録などが翻刻されている{{Sfnp|荊木美行|2022|p=88|ps=(原論文:{{Harvnb|荊木美行|浦野綾子|2022}})}}。}}、後世の解釈に拠らないで研究すべきことを説いている{{Sfnp|荊木美行|2022|p=88|ps=(原論文:{{Harvnb|荊木美行|浦野綾子|2022}})}}。やがて[[賀茂真淵]]の頃から、国学者は『古事記』を高く評価するようになっていった。とりわけ[[本居宣長]]による[[漢意]]の排斥と『[[古事記伝]]』の完成以降、こうした風潮は一気に高まった{{Sfnp|谷口雅博|2007|p=92}}。尤も宣長は『古事記伝』の中で『日本書紀』を漢意に惑わされず読むことの必要性を述べていることから、宣長以前にあった『日本書紀』研究の蓄積なくして『古事記伝』はなかったともいえる{{Sfnp|渡邉卓|2020|p=116}}。また、[[橘守部]]などは宣長の考えに対して『日本書紀』の優越性を主張しているほか、[[平田篤胤]]なども『古事記』偏重の傾向を批判している{{Sfnp|荊木美行|2022|p=89|ps=(原論文:{{Harvnb|荊木美行|浦野綾子|2022}})}}。いずれにせよ、国学者が研究の対象とする古代文献は漢字で書かれているが、その中にあって純粋な漢文で書かれている『日本書紀』は、海外の表記法で日本を記した文献であるため、国学者は『日本書紀』の訓読作業に取り組み、和語に改めることで古語を知ろうとしたのであり、いわば『日本書紀』以前の古語を求める取り組みは、『日本書紀』を和文として理解することでもあった{{Sfnp|渡邉卓|2020|p=117}}。



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=== 神聖視からの脱却 ===

=== 神聖視からの脱却 ===


[[]]{{Sfnp||2007|p=100}}[[]][[]]{{Sfnp||2007|p=102}}30[[1897]][[]][[]]70{{Sfnp||2007|p=101}}{{Sfnp||2007|p=101}}{{Sfnp||2022|p=91|ps={{Harvnb|||2022}}}}

[[File:Iida Takesato.jpg|thumb|180px|left|<hr>{{Sfnp||2007|p=101}}]]

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[[File:Sōkichi Tsuda 2.jpg|thumb|160px|{{Sfnp||2007|p=106}}]]


[[|]][[]]{{Sfnp||2007|p=106}}10[[]]4{{Sfnp||2007|p=104}}[[]]{{Sfnp||2007|p=105}}[[]]{{Sfnp||2007|p=105}}{{Sfnp||2020|p=250}}

[[|]][[]]10[[]]4{{Sfnp||2007|p=104}}[[]]{{Sfnp||2007|p=105}}[[]]{{Sfnp||2007|p=105}}{{Sfnp||2020|p=250}}


== 記述の信頼性 ==

== 記述の信頼性 ==

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== 『日本書紀』目次 ==

== 『日本書紀』目次 ==

[[ファイル:Nihonshoki jindai kan pages.jpg|right|thumb|200px|日本書紀巻第一神代上慶長勅版]]

[[File:Nihonshoki jindai kan pages.jpg|right|thumb|250px|日本書紀巻第一神代上)<hr>慶長勅版]]

* 卷第一

* 卷第一

** 神代上(かみのよのかみのまき)

** 神代上(かみのよのかみのまき)


2024年6月18日 (火) 00:24時点における版


9

1
2

91286

2

10 - 11


[1][2]14720[3][4][5]301[6]


301121928128[ 1][7][8][9][10]

[11][12][13][14]

[ 2][ 3]


使/[17]66[18][19][20]5[21] 

使56/[22][23][23]

28620[24][25][26][27]654511600[28][ 4]346-375[29]

4[29]使使使[22]使使[22]

4645 4613 [30]


[31]847205

  
[ 5]

4720[32]

1068112[33]21[24][34][35] [ 6]1[36]

701704[37]704沿[37]

64528[37]

調7使[37]

[37]

7714297907[38]3020稿姿[39]


[40]931-938[41][41][41]


20[42][43][40][41][44]


[44]10738[44][44][45]


162[46]


20[47]2018[43]2011--392[43]452[48]

[49]


ISBN 4642077413



[50]



[51]



[52]



5691[53]



[54]



[55]



使[56]



使[57]



[58]17[59]



調[60]

[61][62]



45















西寿











130760





[13]

























[63][64]使使[65][66]

使114[67]稿1929[64]1934[67] 橿10[63]3-1322-2714-21[68][63]
様々な基準による区分
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30
即位定都の表記法[69] 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
祖先を意味する語[70] - - 「始祖」「皇祖」 「先」 「始祖」「皇祖」 - - -
歌・助詞・引用等の形式[71] - - - - -
万葉仮名字種[72] - - I II - - I II I II
万葉仮名漢字音[8] β α β α β -

122[73]

2αβ30[ 7]

α使βββ[74]α[75]1[75]αβα[76]




α

β

αβαβ30

α

14212427





151617192021

α14151922021242192021424β233





+

 



1419212425

β

11322232829







+

使+ 



++

211

[77]

[78]

19

2021

21  β  43β 

22112 ABABβ5332ββ1416245671221α31421宿便25使1421便25

 西

5

14鹿宿宿

14

15使

18

18

18

19

20

20

21使

21

21宿

21使

22使

25

25

25

25

27

29

30

β522使293018αα18141815使1818β252525253270231921使2121宿21使4344511宿[79]

512:: αβ18β7247910 α1119西425326327 α[80]

2





西



 11β10

6

7*9

9西

22

22

29使

29

29

29

29

11ββ[81]

3 4++西6α

14

14

17

21

24

24

6234α56[82]

44

16

19

19使

21

α12336 462.3.4[83]

5++β16α3

1便

14

21

25

28

29

α314宿2125α3[84]

5642[85]

15

15

19

22

1

25

使+




1

22便

29



西耀使


5.

22使

28






2

8

20

+



使
10

24調使

25

30





西
5

21

28

106β使30β11β+28β25α2301 α224調使25α242530使30112β89α23[86]


[87]121121使10[ 8]25531

[88][87]


3

9001[89]2[ 9][ 10]

調[ 11]29.533029調12354.36365.2413調

[90][91]20使[89]

5[89]755使[90]


1639-1715[91]2[91]181730-18011775-1848[91]

8[92][93][94]


『日本書紀』の月朔・閏月と元嘉暦、儀鳳暦の月朔・閏月
西暦換算 日本書紀記載の月朔 儀鳳暦の月朔 元嘉暦の月朔
太歳甲寅 -666[注 12] 11月丙戌 丙戌 丁亥
戊午 -662 6月乙未 乙未 丙申
神武元年 -659 正月庚辰 庚辰 辛巳
垂仁15年 -14 2月乙卯 乙卯 丙辰
垂仁23年 -6 10月乙丑 10月乙丑 10月乙丑
景行12年 82 9月甲子 甲子 乙丑
成務2年 132 11月癸酉 癸酉 甲戊
仲哀元年 192 閏11月乙卯 閏11月乙卯 閏12月甲申
仲哀9年 200 3月壬申 壬申 癸酉
仁徳87年 399 10月癸未 癸未 甲申
履中5年 404 9月乙酉 9月乙酉 9月乙酉
安康3年 456 8月甲申 癸未 甲申
雄略4年 460 8月辛卯 庚寅 辛卯
清寧4年 483 閏5月 - 閏6月戊申 閏5月戊寅
欽明31年 570 4月甲申 4月甲申 4月甲申
舒明2年 630 正月丁卯 閏正月丁卯 正月丁卯
皇極2年 643 (閏7月戊寅)8月戊申 8月戊寅、閏8月戊申 閏7月戊寅、8月戊申
天智6年 667 閏11月丁亥 12月丁亥 閏11月丁亥

23531445[89]

[95][ 13]


15101813131921263011

27 - 2︿535

31 - 2︿587

32 - 5︿592

33 - 36︿628


紀年論


1, 2[ 14]3[96][97][98]西3[99]

9

10


寿


寿127120110西西6671792470[100]660[101][102][97][103]

601260[102][103]9601660[102][103][ 15]

寿112[106][107][108][109][110]


使

939使使323939239[111]553755637564[112]西3755539359120[112][112]609120120調9西20169西389[113]
神功紀の紀年と外国史書との対照
日本書紀紀年 三国志を基準にした年次 三国史記の近肖古王を基準にした年次 日本書紀の記述 外国史書の記述
神功元年 201年 321年 摂政元年 -
神功39年 239年 359年 明帝の景初三年、六月、倭女王が遣使(日本書紀引用、魏志) 明帝の景初二年[注 16]六月、倭女王が遣使(三国志、魏志)
神功55年 255年 375年 五十五年、百済の肖古王が死去。 近肖古王三十年、冬十一月、王が死去(三国史記)
神功56年 256年 376年 五十六年、百済の王子貴須が即位。 近仇首王が即位。(三国史記)[注 17]
神功64年 264年 384年 六十四年、百済国の貴須王が死去。枕流王が即位。 近仇首王十年、夏四月、王が死去。枕流王即位。(三国史記)
神功65年 265年 385年 六十五年、百済の枕流王が死去。 二年、冬十一月、枕流王が死去。(三国史記)
神功69年 269年 389年 六十九年夏四月十七日(夏四月辛酉朔丁丑)、神功皇后死去。 -

[114]3[115][115]

倭の五王と『日本書紀』

応神紀以降の紀年においては、『三国史記』との対照と並んで中国史書に登場するいわゆる「倭の五王」の遣使記事との年代比較が重要となる。倭の五王は5世紀と6世紀初頭に中国へ遣使したことが記録されている倭国の王である。

倭の五王の遣使
西暦 日本書紀紀年[注 18] 中国史書の倭王 古事記分註崩御年干支による在位天皇
269年 神功皇后69年 倭女王 -
421年 允恭天皇10年 賛(讃) 仁徳天皇
425年 允恭天皇14年 賛(讃) 仁徳天皇(427年崩御)
438年 允恭天皇27年 反正天皇(437年崩御)
443年 允恭天皇32年 允恭天皇
451年 允恭天皇40年 允恭天皇(454年崩御)
462年 雄略天皇6年 - [注 19]
478年 雄略天皇22年 雄略天皇(489年崩御)
502年[注 20] 武烈天皇4年 -

[116]120[116]

[117]15西5[118]

3392390[119]41394[120]

5西46155236262[121]

5[ 21]




調25


寿[123] 23


[123]


 

1[124]


諱と諡


使6762876441

15266


[125][126]


5721[127]

[128][128][129][128][129][130]

[131]287810西[132][132][ 22]



5721



4813



6839



2878



4904



6936



2965



1009[134][135][136]8[131]9[131]11[134]

中世日本紀論


1姿[137][138][138][138]

[139][140][141]1972[138][139][140][141]


 [141]


稿[142]姿[142]

[ 23]

500[144][145][144][146][147][148]


183[149][ 24][149][148][150][151][152]

[153][153]


[154]

[155][156]30189770[154][157]
[158]

104[159][160][160][161]




196712西699[162]


5

588


[ 25]60025531707

28620       鹿

百済三書との対応


531

6[163][ 26]

[ 27]6[164]

7-8[165][166][ 28][168][169][170][171][172][173]





 









 

 

 

























殿

橿












































宿




















































宿




































宿






宿








































使



































使






















































調

使












































使

























使













鹿







鹿

















使





























西









西










 

















 














使

















































[ 29][175]



(一)
9 1 - 

9  - 

9  - 

9  - 

1011  - 

11  - 

12  - 101417

 1 - 

 12362  - 

(二)
 91286  - 

 1303  - 

 13757  - 

 13462  - 

 2345 - 1231

 91540  - 51525西228


︿6768
19674219654019935





︿519946- 19957
 ︿5200315


  319283- 19327
 198762200416

 ︿


198863︿198661

︿ 234
19946- 199810

西


  2007

  2007

︿︿ 20202


 3200315- 200416
198762

  1 ︿


 195126- 195227 198156- 198257

 199810200214200719  (OD) 

注釈



(一)^  (1991)

(二)^ [15][16]

(三)^ 

(四)^ 

(五)^ 

(六)^ 

(七)^  (1991) (2015), p. 24 (2016), pp. 127128 (2018), pp. 1314 (2011)

(八)^ 232

(九)^ ...14105

(十)^ 11

(11)^ 

(12)^ 便西0-666667

(13)^ 便

(14)^ 

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外部リンク