日本の福祉

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
OECD各国のGDPにおける社会的支出割合(公費および私費)[1]
OECD各国のGDPにおける社会的支出割合(%、種類別)[2]
日本の人口ピラミッド

: Welfare in Japan2015GDP23.5%2.8%0.4%2.4%[1]2021138 7,433[3][4]834,322[5]60.1%563,13640.6%15 7,29211.3[6]OECD202036.0%[7]202134.1%[8]65[9]

196019722(2)1973[10][11]

GDP2020201924.9%0.4%0.4%2.6%

2021NNI395.8[12] 35.1%11105,50012618,300[13][14]

[15]

領域[編集]

日本一般政府歳出(%, 2019年)[16]

  社会的保護 (41.3%)
  保健 (19.8%)
  一般公共サービス (9.6%)
  経済業務 (9.5%)
  教育 (8.6%)
  防衛・公共秩序 (5.6%)
  環境保護 (2.9%)
  その他 (2.7%)

5[ 1]

 - 


 - 


 - 


 - 


200841
調

OECD分類による項目一覧[編集]

日本の社会的支出(公的社会支出+義務的私的社会支出)
(OECD各国との比較、2020年)[7]
支出額 GDPに
占める割合
政府一般歳出に
占める割合
高齢者 48兆7,975億円 9.1% 26.3%
遺族 6兆4,199億円 1.2% 3.5%
障害者 6兆6,020億円 1.2% 3.6%
保健 55兆9,026億円 10.4% 30.1%
家族 10兆7,536億円 2.0% 5.8%
積極的労働政策 4兆202億円 0.7% 2.2%
失業 1兆2,717億円 0.2% 0.7%
住宅 6,048億円 0.1% 0.3%
その他 1兆9,878億円 0.4% 1.1%
総計 136兆3,600億円 25.3% 73.4%
(参考)OECD平均 N/A 21.5% 51.3%

国立社会保障・人口問題研究所 2013による。

高齢 
遺族
障害者
保健
家族
積極的労働市場政策

  • 雇用保険等:職業紹介事業等実施費、教育訓練給付、職業能力開発強化費、高齢者雇用安定・促進費、障害者等職業能力開発支援費、若年者等職業能力開発支援費等

失業

住宅

その他

所管[編集]


20081020101

[]


252

 -  /  /  / /  /

 -  /  /  /  / 

[]


78200113510

歴史[編集]


6 [17]鹿[17]



195031960

199720002006

戦前・戦中[編集]


[18]



1922[19]1938[19]



退1941[19]




1922[ 2]  



1934[20][21]

194019421943193819291944

 

[]


1946[19]3

194625






194719491950[19]1951

1950 1949[19]



 PDF25-10-16https://www.ipss.go.jp/publication/j/shiryou/no.13/data/shiryou/syakaifukushi/1.pdf 


GHQ[22]

[]


194719471975

[]


19553130001955195741961

1944195919611985



[]


1967寿[23][24][25]1969[26]

19722[26][25]NHKTV[24]

()[27]1971調441[26] ()[26][28]

[]


1973[29] [24]19726(19731)[25][28]1969197312[30]219726[25]1972112[28]197222[28]


70[29][29][29][29]


1973484170[31]70()[32][33][34][25][35][36]



日本の社会保障給付費の推移[4][37]
年度 金額 国民所得
1980年 24兆9290億円 12.23%
1985年 35兆6894億円 13.70%
1990年 47兆4238億円 13.67%
1995年 64兆9918億円 17.10%
2000年 78兆4062億円 20.10%
2005年 88兆8529億円 23.89%
2010年 105兆3647億円 28.89%
2015年 116兆8133億円 29.75%
2020年 132兆2,149億円 35.22%
2021年 138兆7,433億円 35.04%
2025年
(2018年の予測[38][注釈 3]
140兆8000億円
2040年
(2018年の予測)
188兆5000億円
日本の社会的支出(兆円)。緑は医療、赤は年金、紫はその他[39]

GDP201821.5%121.3202521.7%21.8%140.2140.6152.1%2.2%204023.8%24.0%188.2190.0[38]

GDP201820.8%117.2202521.5%21.6%139.0139.4204023.5%23.7%185.6187.3
201812.4%70.2202512.6%81.281.4204013.4%13.5%106.1107.020188.3%46.920259.0%57.858.0204010.1%10.2%79.580.3204020185[38] 

保障制度の見直し[編集]


1973調1980

1982[40]19841[40]退1985

少子高齢化への対応[編集]


7%14%241970 - 199419891.57

1989199419952000[41]

2000[42]

[42]

福祉の供給主体[編集]










 - 

 - 




[]


使

福祉に関わる資格[編集]

国家資格(国が定めたカリキュラムとトレーニングを積んだ後に国家試験受験資格が与えられて、国家試験に合格した者のみ与えられる資格)

公的資格 学歴、実務経験は問わず受験できる試験、資格もあるが介護支援専門員は一定の条件を満たさなければ受験資格の発生しない資格もある。なお、厚生労働省による介護職員の研修体系見直しで『介護職員基礎研修』と『訪問介護員1級養成研修』は2012年度末で廃止され、改正社会福祉士及び介護福祉士法で導入される『実務者研修』に一本化された。

任用資格(教育機関で特定の科目を履修するか、一定の実務経験があれば自然に発生する資格だが、実際に業務をおこなう際にしか発動しない資格)

財政[編集]

日本の社会保障給付費の推移[4][37]
年度 金額 国民所得比
1980年 24兆9290億円 12.23%
1985年 35兆6894億円 13.70%
1990年 47兆4238億円 13.67%
1995年 64兆9918億円 17.10%
2000年 78兆4062億円 20.10%
2005年 88兆8529億円 23.89%
2010年 105兆3647億円 28.89%
2015年 116兆8133億円 29.75%
2020年 132兆2,149億円 35.22%
2021年 138兆7,433億円 35.04%
2025年
(2018年の予測[38][注釈 3]
140兆8000億円
2040年
(2018年の予測)
188兆5000億円

GDP201821.5%121.3202521.7%21.8%140.2140.6152.1%2.2%204023.8%24.0%188.2190.0[38]

GDP201820.8%117.2202521.5%21.6%139.0139.4204023.5%23.7%185.6187.3201812.4%70.2202512.6%81.281.4204013.4%13.5%106.1107.020188.3%46.920259.0%57.858.0204010.1%10.2%79.580.3204020185[38] 

社会保障の収入[編集]

日本一般政府歳入(%, 2019年)[16]

  社会保険拠出 (39.8%)
  物品税・消費税 (20.1%)
  個人所得税 (18.8%)
  法人税 (13.0%)
  資産税 (8.0%)
  その他 (0%)

社会保障財源の収入総額は、2021年度ではILO基準において163兆4,389億円であり、内訳は社会保険料が46.2%、税収が40.4%、資産運用による収入が 8.8%、その他4.5%であった[43]

項目別 社会保障財源(2021年度、ILO基準)[43]
社会保険料
75兆5,227億円(46.2%)
被保険者拠出 39兆7,852億円(24.3%)
事業主拠出 35兆7,375億円(21.9%)

66兆 1,080億円(40.4%)
国庫負担 47兆 8,337億円(29.3%)
他の公費負担 18兆2,743億円(11.2%)
他の収入 資産収入 14兆4,605億円(8.8%)
その他 7兆3,477億円(4.5%)
163兆4,389億円(100%)



(一)ILO18調[44]

(二)

(三)

[]


2021ILO1387,433GDP25.20%[43]58 7,20442.3%[45]

OECD1429,802GDP25.97%487,80934.1%[43]OECDILO[43] 
日本の社会保障給付費(2021年度、ILO基準)[43]
分類 給付費 GDP比率
医療 47兆4,205億円(34.2%) 8.61%
年金 55兆8,151億円(40.2%) 10.14%
その他の福祉 全体 35兆5,076億円(25.6%) 6.45%
うち、介護対策 11兆2,117億円(8.1%) 2.04%
138兆7,433 億円 (100%) 25.20%

社会保障関係費[編集]

政府一般会計歳出に占める医療や年金、介護、生活保護などの社会保障分野の経費。一貫して増加し続けており、財政赤字の大きな原因となっている。2022年度決算の社会保障関係費は約43.9兆円であった。

日本一般会計 令和4年度決算(2022年)[46]
歳入概数 歳出概数
消費税 23兆792億円(15.0%) 社会保障関係費 43兆8,680億円(33.1%)
所得税 22兆5,216億円(14.6%) 地方交付税交付金等 17兆5,133億円(13.2%)
法人税 14兆9,397億円(9.7%) 文教及び科学振興費 8兆6,692億円(6.5%) 
その他の税 9兆6,145億円(6.2%) 公共事業関係費 8兆1,263億円(6.1%)
公債金収入 50兆4,789億円(32.8%) 防衛関係費 5兆5,286億円(4.1%)
税外収入 7兆3,595億円(4.7%) 中小企業対策費 3兆3,960億円(2.5%)
前年度剰余金受入 24兆7,535億円(16.1%) その他の経費 21兆4,141億円(16.1%)
国債費 23兆8,697億円(18.0%)
歳入計 153兆7,294億円(100%) 歳出計 132兆3,855億円(100%)
歳入増減・支出不要
次年度繰越・その他
21兆3,439億円
令和4年度一般会計における社会保障関係費の内訳(2022年)[47]
社会保障関係費
年金給付費(28.8%) 12兆6,240億円
医療給付費(27.4%) 12兆345億円
保健衛生対策費 (13.8%) 6兆543億円
生活扶助等社会福祉費
5兆9,121億円(13.5%)
障害保健福祉費 2兆119億円
生活保護等対策費 1兆7,337億円
生活支援臨時特別事業費 8,192億円
子育て世帯等臨時特別事業費[48] 4,918億円
その他 8,155億円
介護給付費(7.7%) 3兆3,574億円
少子化対策費(6.8%) 2兆9,643億円
雇用労災対策費 (2.1%) 9,215億円
43兆8,680億円(100%)



20154

[]

20091872-20092010-

1980201627.3%[49] [50]

2009OECD[51]GDPOECD[52]

急速な少子高齢化[編集]

日本の福祉に占める高齢者関連支出(100億円)
OECD各国の老人(65-歳)一人あたり、生産年齢(20-64歳)人口[53]
橙は2012年時点、茶は2050年の予想

OECD12.32015[54][53]7

50205065411.3OECD[53]62216759116[55]

福祉人材の供給[編集]


23KEPA[56]



宿



調



調



1990

財源の確保[編集]


2006828,0002025143200450%200721775

[57][58]

2012


 2


[]


GDP(%)(%)[59]

使退

OECD20098%203524%[57][58]

社会保障制度改革[編集]


200420052[60]

20047200652006







20071
社会保障強化のための必要財源額、および消費税率換算 (2013年 社会保障国民会議[61]
2015年度 見込み 2025年度見込み
年金 社会保険方式の場合 2.6兆円 (+1%弱) 2.9兆円 (+1%弱)
税方式の場合 12兆円〜28兆円 (+3.5%〜8.2%) 15兆円 - 31兆円 (+3.5%〜8%)
医療・介護 4兆円 (+1%強) 14兆円 (+4%弱)
少子化対策 1.3兆円〜2.1兆円 (+0.4% - 0.6%) 1.6兆円〜2.5兆円 (+0.4%〜0.6%)
社会保険方式の場合 7.6〜8.3兆円 (+2.3%〜2.5%) 19兆円〜20兆円 (+5%)
税方式の場合 17兆円〜34兆円 (+5%〜10%) 31兆円〜48兆円 (+8%〜12%)

201220122









20132015+2.3%10%2025+5%12%[61]

201448%2015:

2015OECDOECD431.2[58]8%OECD[58]

政治史[編集]

戦後の低負担高福祉[編集]

19824   -  -  - - 12
19824  -  -  - - 12

[ 4] 40%70%

[62] 

1960

このように福祉政策に対する方針が選挙においてより争点化され影響力を持つようになった結果、現在の日本の福祉政策は、福祉財源全体を管理する与党側の思惑としては財源を据え置きにしたまま、福祉内容の面ではより拡充が進んでしまうという形になり、相対的に「低負担・高福祉」の歪んだ構造へと変化してきた。

社会体制が高福祉化へ転換する中で社会保障関係費が歳出に占める割合は年々増加し、また、高齢者の医療費負担が引き下げられたことで医学的治療の必要性が低い人々にまで過剰な通院を促してしまう(病院のサロン化)など、諸々の問題を生じさせることにもなった。

脚注[編集]

注釈[編集]



(一)^  5 

(二)^ 5003001922

(三)^ ab2018×1/3%1.9%0.1%65:35使

(四)^ 

出典[編集]



(一)^ abOECD Social Expenditure Statistics (Report). OECD. 2012. doi:10.1787/socx-data-en

(二)^ OECDSocial Expenditure - Aggregated data -  (Report). OECD.State. 2015.

(三)^ 12319. (202384). 202418

(四)^ abc,  (202384). 3 8 19502021 (Excel,DB). . 202418

(五)^  (202384). 3 20 19732021 (Excel,DB). .  . 202418

(六)^ ,  (202384). 3 20 20 19732021 (Excel). =. 202418

(七)^ abOECD (2019). Social Expenditure - Aggregated data - . OECD.State. 202314

(八)^  (202384). 3 6  20162021 (Excel,DB). .  . 202418

(九)^ OECD 2015, Overview.

(十)^ https://archive.md/VCemk196070  NHK

(11)^ . (2022119). 2023616

(12)^  (July 2019). 202242 2(PDF6) (PDF) (Report). 202418

(13)^  (202384). 3 12  19512021 (Excel,DB). .  . 202418

(14)^  (202384). 3 19 19532021 (Excel,DB). .  . 202418

(15)^  2012, Chapt.4.

(16)^ abOECD Economic Surveys: Japan 2021 (Report). OECD. 2019. doi:10.1787/6b749602-en

(17)^ ab 2 1-27, 2008-03-31 

(18)^  (Report). . 30 June 2010. Chapt.1.

(19)^ abcdef 2011, p. 35.

(20)^ 

(21)^  2014, p. 65-66.

(22)^  , , (1948), https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/houritsu/00419481223266.htm 

(23)^   @gendai_biz. (2016718). 2023122

(24)^ abc[1]196070  

(25)^ abcde12. (20201125). 2023122

(26)^ abcd. (2022119). 2023122

(27)^ 17  12 4 2 -  - . kakushintosei.org. 2023122

(28)^ abcd105040. . 2023122

(29)^ abcde 2011, p. 42.

(30)^  202323(). www.jcp.or.jp. 2023123

(31)^ 7019033642

(32)^  2011, pp. 5253.

(33)^ 10 -  . www.election.ne.jp. 2023122

(34)^  2011, pp. 5659.

(35)^ NHK.  NHK.  NHK. 2023122

(36)^  70 | 707. TV. 2023122

(37)^ ab,  (202384). 3 10 19512021 (Excel,DB). . 202418

(38)^ abcdef; ; ;  (21 May 2018). 2040 (PDF) (Report). 201966

(39)^ , 

(40)^ ab 2011, p. 55.

(41)^  2011, p. 64.

(42)^ ab 2011, p. 71.

(43)^ abcdef,  (202384). 3  (Excel,PDF). . 202419

(44)^ ,  (202384). 3  1.  (PDF). . 202419

(45)^ ,  (202384). 3 29 19調19942021 (Excel,PDF). . 202419

(46)^  (20 November 2023). 4 2  (PDF) (Report). pp. 2122. 202419

(47)^  (20 November 2023). 4 2     (PDF) (Report). pp. 27, 4042. 2024110

(48)^  (2022526). . 2024110

(49)^ 1 11. 2018616

(50)^  262013ISBN 978-4-905427-81-0https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/index-w.html 

(51)^ OECD 2009.

(52)^ OECD 2009, p. 99.

(53)^ abcOECD 2014, Chapt.3.11.

(54)^ 1 11. 2018616

(55)^   on TwitterTwitter2018727

(56)^   []

(57)^ abOECD 2009, p. 119.

(58)^ abcdOECD 2009, Overview.

(59)^ OECD 2014.

(60)^  2011, Chapt.4.

(61)^ ab  (Report). . 4 November 2013.

(62)^ [2]

[]


OECD Economic Surveys: Japan 2015, OECD, (2015-04), doi:10.1787/eco_surveys-jpn-2015-en, ISBN 9789264232389 
OECD Economic Surveys: Japan 2009, OECD, (2009-08-13), Chapt.3, doi:10.1787/eco_surveys-jpn-2009-en, ISBN 9789264054561 

OECD Society at a glance 2014, OECD, (2014), doi:10.1787/soc_glance-2014-en, ISBN 9789264206694 

 252013ISBN 978-4905427582https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/13/ 
 24 (Report). . 2012.

 23 (Report). . 2011.

86201412 

 23201312 

; ; ; ︿2004ISBN 978-4-641-12225-3 

2005ISBN 978-4-623-04394-1 

 : ︿Insight2008ISBN 978-4-641-17802-1 

[]





 / 

 / 









 -  -  -  -  -  -  -  - 



 -  - 




[]