日本沈没
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日本沈没 | ||
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著者 | 小松左京 | |
発行日 | 1973年(昭和48年) | |
発行元 | 光文社 カッパ・ノベルス | |
ジャンル | SF小説 | |
国 | 日本 | |
言語 | 日本語 | |
ページ数 |
264(上巻) 248(下巻) | |
コード |
ISBN 9784334720438 ISBN 9784334720445(下巻) | |
ウィキポータル 文学 | ||
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﹃日本沈没﹄︵にっぽんちんぼつ[1]、にほんちんぼつ[2][3]︶は、1973年︵昭和48年︶に刊行された小松左京による日本のSF小説。
1973年と2006年には映画化、1974年と2021年にはテレビドラマ化、1973年と1980年にはラジオドラマ化、1970年代と2000年代には漫画化、2020年にはWebアニメ化されるなど、様々なメディアミックスがなされている。
小説[編集]
1964年︵昭和39年︶から執筆が開始され、9年がかりで完成した[4]。当初は複数巻となる予定だった長編を出版社の要請で短縮し、上下巻とした[5]。本作品に先行して執筆していた﹃復活の日﹄で描かれるアラスカの大地震を予測するという設定は、本作品のために地震学の資料を集めていたことにも由来している[5]。映画作品中においては、現実の地球物理学者であった竹内均博士を出演させている。 まず、1973年︵昭和48年︶3月20日に光文社カッパ・ノベルスより書き下ろしで上下2巻が同時刊行された[4]。当初は3万部ずつだったが[5]、版数を重ねるごとに出版数が増え、上巻204万部、下巻181万部の計385万部まで伸び、﹁空前の大ベストセラー﹂とも評された。その結果、1億2,000万円の収入を得た小松は文壇長者番付の5位にランクインし、1974年には第27回日本推理作家協会賞、第5回星雲賞日本長編部門をそれぞれ受賞している。刊行から50年を経た2023年時点での累計部数は490万部を超える[6][7]。 ベストセラーになったことにより、小松の知名度を上げて日本におけるSFの浸透に一役買うことになった。その背景には、高度経済成長が終わりを迎えた1970年︵昭和45年︶の日本万国博覧会に代表される薔薇色の未来ブームへのアンチテーゼとして登場したことの衝撃に加え、1973年の狂乱物価とも言われたインフレーションやオイルショックなどによる社会不安があった[4][8][注釈 1]。また、同年が関東大震災から50年という節目でもあり、本作品によって大規模災害への不安が喚起されるきっかけともなった[9]。一部のマニアに愛好されるものであったSFというジャンル自体も、一般に普及していったとされる[4]。 1976年には、マイケル・ギャラガーによる3分の1ほどの抄訳が、アメリカにて﹃JAPAN SINKS﹄のタイトルで出版された。 小松自身は、題名を﹁﹃日本滅亡﹄――果てしなき流れの果てに…、出発の日﹂とつけていたが、担当編集者であった浜井武の﹁﹃日本沈没﹄のほうが“滅亡”よりユーモラスだ﹂という主張により、﹃日本沈没﹄となったという[10]。 元々は﹁日本人が国を失い放浪の民族になったらどうなるのか﹂をテーマに据えており[4]、日本列島沈没はあくまでもその舞台設定で、地球物理学への関心はその後から涌いたものだという。しかし、そのために駆使されたのが当時になって広く認知され始めていたプレート・テクトニクスであり、本作品はその分野を広く紹介する役割をも果たした。この分野に関する作品中の解説やアイデアは、修士論文に相当するとの声もあったほどである[注釈 2]。 難民となって世界中に散っていった日本人を描く第2部の構想︵仮題は﹃日本漂流﹄︶もあったことから、下巻の最後には﹁第1部・完﹂と記されていた。下巻発刊後から長らく執筆されることはなかったが、2006年のリメイク版映画の公開に合わせ、谷甲州との共著という形で出版された。詳細は「#小説『日本沈没 第二部』」を参照
物語[編集]
197X年夏。小笠原諸島の北にある無名の小島が、一夜にして海底に沈んだ。地球物理学者・田所雄介博士は、ただちに現地調査に赴く。深海調査艇﹁わだつみ﹂号の操艇者・小野寺俊夫、海洋地質学者の幸長助教授と共に日本海溝[注釈 3]に潜った田所は、海底を走る奇妙な亀裂と乱泥流を発見する。
おりしも伊豆半島付近で地震が発生し、それに誘発されて天城山が噴火したため、内閣では地震学者との懇談会を開いて意見を聞くことになった。その席に招かれた田所は﹁日本がなくなってしまう﹂可能性を口にするが、学者仲間の失笑を買うだけだった。だが、政財界の黒幕である渡老人は自らの周囲に起きていた事象と符合する田所の説に興味を抱き、それを検証するために首相を呼びつけ、極秘で﹁D計画﹂を立ち上げさせる。
D計画に集った田所、幸長、小野寺、情報科学者の中田一成らは、やがて一つの結論に達する。それは、日本列島近傍のマントル流に急速な異変が起こっており、その結果として﹁日本列島は最悪の場合2年以内に、地殻変動で陸地のほとんどが海面下に沈没する﹂というものだった。一方、渡老人は比較文明史学者の福原教授らに依頼し、日本人の国外脱出とその後に関する計画を策定させる。
その間にも京都に次いで東京が巨大地震に襲われ、富士火山帯の火山が相次いで噴火するなど、異変は着実に進行していた。田所は危機が迫っていることを国民に知らせ、そのことに対する反応を見ようと故意に週刊誌とテレビで情報を暴露し、D計画を去る。
その後、コンピューターによるシミュレーションの結果、日本沈没が10か月以内に迫っていることが判明し、首相は日本沈没の危機が迫っていることを国会演説で発表する。休火山[注釈 4]までが活動を始めるなか、精鋭スタッフたちは死に物狂いで全国民の国外脱出計画﹁D-2﹂を遂行し、日本人を続々と海外避難させる。一方、あえて国内に留まり日本列島と運命を共にする道を選択する者もいた。
そして、日本列島は四国を皮切りに次々と海中に没していき、最後まで残っていた北関東が大爆発を起こした結果、完全に消滅する[注釈 5]。
設定[編集]
197X年と書かれているが、執筆当時から予測される近未来と設定されており、当時はまだ完成していなかった施設のうちのいくつかが既に稼動しているものとして話が進められている。新東京国際空港︵現在の成田国際空港︶・青函トンネル・関西国際空港︵小説上は神戸沖だが、現実の神戸沖には神戸空港があり、実際の関西国際空港は大阪南泉州地区沖にある[注釈 6]︶など。大型コンピュータ[注釈 7]のLSI化など確実に未来を予測したものもある。 実現しなかった未来の描写としては、水深1万メートルまで潜れるような深海潜水艇や超音速輸送機が多数登場する点が挙げられる。現実では、かなり未来のこととなったものを登場させているものとしては超電導リニアが全線の測量が終わり工事が始まっている。一方で東海道新幹線にビュフェがあるなど、その後の時代からみれば懐かしい描写もある。 国際情勢に関しても、執筆中に情勢が変化しているケースもあった︵作中にはパプア紛争に介入する形で日本人の移住先確保を図ろうとする構想が描かれているが、発売直前にインドネシアが併合を強行している︶。 日本列島を沈没させる科学設定のほかにも、﹁ナカタ過程﹂と呼ばれる架空の理論など、完全にフィクショナルな科学描写もある。 また、日本が沈没するのは人口増加率が減少に転じた数年後という設定もあり、そのため、ひそかに進められている海外移転計画が海外から﹁日本の人口対策ということはありえないと怪しまれる﹂という描写がある。用語解説[編集]
D計画 日本列島の地質的大変動の可能性について極秘裏に調査・研究する計画。﹁D﹂の意味については、作中では特に言及されていない[注釈 8]。 初期段階では首相のほか総理府総務長官、内閣官房長官、防衛庁長官のみの知る極秘プロジェクトで、内閣調査室、総理府、防衛庁からの機密費と、渡老人からの資金援助によって運営されていた。発足時のメンバーは田所︵地球物理学︶、中田︵情報工学︶、幸長︵海洋地質学︶、山崎︵内閣調査室︶、小野寺︵潜水艇技術者︶、安川︵会計担当︶。のちに、最悪の事態が生じた際の、人間と資産の国外退避に関する研究を行う﹁D-2﹂が追加されたため、それまでのD計画は﹁D-1﹂と呼ばれるようになり、東京大震災以後に規模を拡大、気象庁、国土地理院、地震研究所などを巻き込む巨大国家プロジェクトに発展する。なお、D-2は自衛隊で検討される。 日本政府が危機を公表してからは退避計画実行委員会の下部組織となり、その後、日本政府自体が国外に脱出してからは、ホノルルに本部を置く救出対策本部の下部組織として、海上自衛隊護衛艦﹁はるな﹂に本部を置く。 国連日本救済特別委員会 国連事務総長ビン博士の主導により、総会直属の特別委員会として、世界各地域17か国[注釈 9]を構成国として設立された。委員長は国連タンザニア代表でアフリカ経済委員会メンバーのンバヨ。副委員長は米ソ両国から選出。日本は議決権・交渉権のない特別メンバーとなっている。登場人物[編集]
●基本プロットは複数人物による群像劇として描かれており、章によっては主人公が変わる。 小野寺俊夫 深海潜水艇の操艇者。30代。独身。潜水士と海技士の資格を持つ。当初は海底開発KKに勤めていたが、後にD-1計画に引き抜かれる︵身分的には臨時雇︶。戦後生まれで、出世や組織の属すること、国家に対しても興味がなく、純粋に海が好きで潜水艇を操縦しており、その性格を田所に早々と見抜かれて海洋研究で本格的に力を貸す。 田所雄介 地球物理学者。博士。作中では﹁田所博士﹂と呼ばれることが多い。﹁エピローグ﹂の時点で65歳。独身。和歌山県出身。田夫野人な性格の人物として知られる。元M大客員教授。現在は大学には在籍せず、新興宗教﹁世界海洋教団﹂をスポンサーにして個人研究所を運営している。D-1計画の中心人物。小野寺と同様に出世に興味がなく純粋に自然や物理、日本列島を好んで研究する人物。﹁科学者に必要な物は直感﹂がモットーだが日本列島が沈没すると当初から予感しながら科学的証明が出来ずに悩んでいた。 米軍や新興宗教の資金援助を受けたり、公開の席上で他の研究者を面罵したりするといった態度のため、日本の学界では嫌われているが、海外での評価は高い。のちに週刊誌に情報を漏洩した上、泥酔状態でテレビのワイドショーに出演し、同席していた山城教授に暴行を加えて逮捕され、D-1計画を去り消息を絶つ。実は、日本沈没が迫っていることを国民にそれとなく知らせるため、渡・中田と示し合わせた上で打った芝居だった。日本列島と運命を共にすることを決意しており、最後まで日本に残る。 幸長[注釈 10] 海洋地質学者。M大学の助教授で田所の右腕的存在。銀縁眼鏡を着用。常識人で、小野寺や田所を気遣う。政界にもコネクションを持ち、田所と渡老人を引き合わせてD-1計画を発足させ自らもメンバーとなる。田所を支持する半面自らの立場に対する不安を抱く。田所が暴行事件を起こして逮捕された後は実質的にD-1計画の責任者となる。 首相 内閣総理大臣。60代。渡老人に陣笠議員のころから造船疑獄事件などで助けてもらい、渡の力により首相の座に就いた人物で、異常事態において、決断が迫られる中覚悟を決めてD-2計画を推し進める。姓は緒形[注釈 11]だが、作中ではもっぱら﹁首相﹂または﹁総理﹂と呼ばれている。 阿部玲子 作中のヒロインの一人。大手財閥の令嬢で、政略結婚を目的に小野寺と見合いをさせられる。海岸で一夜をともにし、小野寺を運命の相手と見定めて結婚を決意する。 麻耶子︵マコ︶ 作中のもう一人のヒロイン。西銀座のバー﹁ミルト﹂のホステス。小野寺の深海潜水に純粋に興味を持っている。 渡老人 ﹁箱根の老人﹂の異名を取り、政官財で暗躍する黒幕。100歳という高齢にもかかわらず、一種の激しい精神力と、端的かつ鋭い質問を浴びせるような明晰な頭脳を持っている。戦前は満州事変当時活躍し、直接ではないにしろ大勢の人間を死なせているという。戦時中は完全な外部リンク[編集]
●筑摩書房﹁﹃砂の器﹄と﹃日本沈没﹄70年代日本の超大作映画﹂ ●東京大学地震研究所 ﹁日本沈没﹂と地球科学に関するQ&Aコーナー - ウェイバックマシン︵2006年8月13日アーカイブ分︶ ●緊急地震速報と映画﹁日本沈没﹂ - ウェイバックマシン︵2014年1月25日アーカイブ分︶1973年の映画[編集]
日本沈没 | |
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監督 | |
脚本 | 橋本忍 |
製作 | |
出演者 | |
音楽 | 佐藤勝 |
撮影 | |
編集 | 池田美千子 |
製作会社 | |
配給 | 東宝[17][18] |
公開 | |
上映時間 | 140分[18][16][注釈 12] |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
製作費 | 5億円[出典 3] |
興行収入 | 約40億円[9] |
配給収入 | 16億4,000万円[出典 4] |
東宝映画・東宝映像の製作、東宝の配給で1973年︵昭和48年︶12月29日より正月映画として公開された[出典 5]。
映画化の企画は東宝プロデューサーの田中友幸によって小説の刊行前から進められており[24][注釈 13]、﹁映画化のあと、TBSでテレビドラマ化する﹂という契約が交わされていた。このため、撮影現場にはテレビドラマ版のスタッフも2台のカメラを持ち込んで撮影参加している。
監督は黒澤明作品でチーフ助監督を務めた経験がある森谷司郎が、脚本は同じく黒澤作品に参加していた橋本忍がそれぞれ担当した[4]。製作期間は約4か月と短かったが、約880万人の観客を動員し、配給収入は16億4,000万円︵1974年邦画部門配給収入1位︶[25]を挙げる大ヒットを記録した[出典 6]。また、中野昭慶が監督した特殊撮影もアジア映画祭の特殊効果賞を受賞する評価を受けた[9]。本作品の成功で、森谷司郎は﹃八甲田山﹄などの大作映画を任せられる監督の地位を確立し、東宝も本作品に続く形で﹃ノストラダムスの大予言﹄︵1974年︶、﹃東京湾炎上﹄︵1975年︶までパニック映画を一つの路線として敷くこととなった[出典 7]。
アメリカ合衆国では、1975年にロジャー・コーマンのニューワールド・ピクチャーズにより﹃Tidal Wave﹄のタイトルで公開された[28][29]。ハリウッド俳優を使った追加撮影も行われたが、オリジナルより大幅に短縮されている[29]。アメリカでは100万ドルの配給収入を挙げた[30]。
出演者(1973年の映画)[編集]
以下の順番は本編クレジットに準拠。
- 原作者の小松自身も、冒頭で小野寺と吉村が打ち合わせをするシーンでカメオ出演している[4][32]。
- 竹内均は東大退官後に自ら創刊した科学雑誌『Newton』掲載[要文献特定詳細情報]の自伝において、「迫真の演技である、として皆にからかわれた」と書いている。また、DVD版の特典映像には、小松と竹内の対談の模様が収録されている。
- 夏八木演じる結城の名前は『恒久』(本編43分04秒)
- 内閣調査室「邦枝」の名前は『康雄』(本編40分45秒)
- 防衛庁・メカニック「片岡」の名前は『潔』(同上)
- 幸長助教授の名前は「信彦」ではなく『秀彦』(同上)
スタッフ(1973年の映画)[編集]
参照[17][18][9]
●製作‥田中友幸、田中収
●原作‥小松左京
●脚本‥橋本忍
●音楽‥佐藤勝
●撮影‥村井博、木村大作
●美術‥村木与四郎
●録音‥伴利也
●照明‥佐藤幸次郎
●編集‥池田美千子
●助監督‥橋本幸治
●製作担当者‥森知貴秀
●監督助手‥大河原孝夫
●スチール‥石月美徳
●特殊技術
●撮影‥富岡素敬
●美術‥井上泰幸
●照明‥森本正邦
●造型‥安丸信行
●操演‥松本光司
●特殊効果‥渡辺忠昭
●助監督‥田淵吉男
●製作担当者‥篠田啓助
●監督助手‥川北紘一、浅田英一
●スチール‥田中一清
●合成‥三瓶一信
●光学撮影‥宮西武史
●整音‥東宝録音センター
●効果‥東宝効果集団
●現像‥東洋現像所
●協力‥日本海洋産業株式会社[34]
●技術協力∶日本電気
●特技監督‥中野昭慶
●監督‥森谷司郎
テロップ非表示であるが、作中でマントル対流などを再現するアニメーションは月岡貞夫が作画を担当していたことが、後年に明かされている[35]。
払拭︵ ち、特撮には2億5千万円が費やされた[22]。
俯瞰︵ いられていた寒天に代わり、青い染料を溶かしたディストメイトを用いている[出典 11]。ディストメイトは、接着剤としてだけでなく食品や化粧品などにも用いられていた化学合成製品の糊であり、カビが生えたり、ネズミが食べてしまうなどの苦労があったという[38]。
東宝第7スタジオに建てられた富士山のセットは[注釈 24]、スタジオの外から望遠カメラで撮影し、空気感を再現している[38][32]。頂上の雪は、白い粉を撒いて再現している[38]。
倒壊する日本家屋のミニチュアは、ディテールを表現するため、壊れる描写からの逆算で1/10スケールで作られた[36]。都市のミニチュアには、﹃モスラ﹄︵1960年︶で制作されたものなど過去の造形物も総動員された[39]。振動にはコンピュータ制御による工業用のバイブレータが用いられた[39][19]。
コンビナートの爆破シーンでは、炎がステージの天井を焦がしている[40][41]。特殊効果の渡辺忠昭は、爆発が小さいと中野が指摘したため、ナパームを3倍に増やしてリテイクした結果であったと語っている[41]。特撮助監督の田淵吉男は、自身が渡辺にガソリンの量を多くするよう指示したのが原因であったと述べている[40]。また、渡辺は、本作品以降中野は火を好むようになったと証言している[41]。
泥乱流の描写は、本物の泥や富士山で採取した砂のほか、絵の具、顔料、煙など多数の素材を組み合わせて表現している[42]。撮影も7種類の手法をモンタージュしている[42]。
隅田川の洪水シーンは、操演の松本光司の提案により一発撮りで行われた[39]。倒壊する永代橋は、松本自身がミニチュアを手で押している[39]。
原作者の小松は、本映画の唯一の不満点として、潜水艦が進む海底が明るすぎることを挙げている[5]。
特撮班助監督を務めた川北紘一は、本作品がヒットしてもゴジラシリーズの予算が増えたということはなく、東宝本社は本作品が特撮の力で成功したという認識ではなかったと述懐している[43]。
﹃ゴジラ対メカゴジラ﹄では、本作品のコンビナート爆破シーンの映像やミニチュアを流用しており、美術助手の好村直行は流用を前提にコンビナートのシーンが設けられたと証言している[44]。
特別スタッフ︵1973年の映画︶[編集]
●地球物理学︵東大教授︶‥竹内均 ●耐震工学︵東大教授︶‥大崎順彦 ●海洋学︵東大教授︶‥奈須紀幸 ●火山学︵気象研究所地震研究部長︶‥諏訪彰 ●作家‥小松左京特撮[編集]
本作品で特技監督を務めた中野昭慶は、東宝特撮映画では円谷英二・有川貞昌に続く3代目の同役職に就任した[36][37][注釈 22]。本作品では建物の倒壊に建築工学を考慮するなど、科学的に裏付けされた描写を重視しており、従来の怪獣映画などのような特撮のイメージを関連ソフト(1973年の映画)[編集]
- 映像ソフト
- 日本沈没(レーザーディスク)(1993年9月1日、東宝 TLL-2206[45])
- 日本沈没(VHS)(1994年8月1日、東宝 TG-4535S[45])
- 日本沈没(DVD)(2003年9月25日、東宝 TDV-2731D)
- 日本沈没 東宝特撮Blu-rayセレクション(Blu-ray Disc)(2009年11月20日、東宝 TBR-19210D)
- 日本沈没 東宝特撮映画DVDコレクション 第6号 2010年1/5号(DVD付き分冊百科)(2009年12月8日、デアゴスティーニ・ジャパン TTD-06N)
- 日本沈没 期間限定プライス版(DVD)(2013年8月2日、東宝 TDV-23335D)
- 日本沈没 東宝DVD名作セレクション(DVD)(2015年8月19日、東宝 TDV-25261D)
- 日本沈没 公開50年記念 4K リマスター数量限定愛蔵版(Blu-ray Disc)(2023年12月20日、東宝 TBR-33269D)
- CD
- 日本沈没〈J-CINE サントラコレクション〉(1996年10月2日、VAP VPCD-81172)
外部リンク(1973年の映画)[編集]
- 日本沈没 (1973) - 東宝WEB SITE
- 日本沈没 (1973) - 日本映画データベース
- 日本沈没 (1973) - allcinema
- 日本沈没 (1973) - KINENOTE
- 日本沈没 (1973) - 文化庁日本映画情報システム
- 日本沈没 (1973) - MOVIE WALKER PRESS
- 日本沈没 (1973) - 映画.com
- TIDAL WAVE - TCM Movie Database(英語)
- Nippon Chinbotsu - オールムービー(英語)
- Nihon chinbotsu - IMDb(英語)
2006年の映画[編集]
日本沈没 | |
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SINKING OF JAPAN | |
監督 | |
脚本 | |
製作 | 中沢敏明 |
製作総指揮 | |
出演者 | |
音楽 | 岩代太郎 |
主題歌 |
「Keep Holding U」 SunMin thanX Kubota |
撮影 | |
編集 | 奥田浩史 |
制作会社 | セディックインターナショナル |
製作会社 | 映画「日本沈没」製作委員会 |
配給 | 東宝 |
公開 | |
上映時間 | 135分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
製作費 | 20億円 |
興行収入 | 53.4億円[46] |
TBSなどが製作費20億円を投じて、東宝の配給で2006年7月15日に公開された。監督は、1973年版の映画を﹁自分が映画制作を志すきっかけとなった作品﹂と語る樋口真嗣が務めた。主演は草彅剛。初登場ランキング1位となり、興行53億4000万円の大ヒットとなった。海外の多数の国でも公開されている。
本作品のポスターはイラストレーターの生頼範義の描いた北海道、東京、京都、九州の﹁ご当地沈没﹂ポスターが4種類作成された。それとは別に中京地区の東宝宣伝部が独自に﹁名古屋沈没﹂のポスターを作成したため、急遽予定になかった名古屋崩壊シーンが追加されたいきさつがある。
タイトルの読みは監督の樋口によれば﹁にほんちんぼつ﹂。1973年版と紛らわしいことを理由に、樋口は旧作の読みは﹁にっぽんちんぼつ﹂であるとして使い分けている[47]。
原作や前作との相違点[編集]
この節には独自研究が含まれているおそれがあります。 |
本作品は、原作や前作と比較し、登場人物の設定や役回りが大きく異なっている。
監督の樋口は前作の映画のリメイクというよりも原作小説の再映画化というスタンスで挑み、前作に欠けていた一般の市井の庶民の視点を意識して取り入れたとしている。
物語の設定[編集]
●前作では、田所博士や山本首相の行動を中心にストーリーが展開され、小野寺と玲子の交際は中心的な位置づけではなかったが、本作品ではストーリー展開の主軸となっている。 ●原作では、田所博士の唱える﹁日本沈没﹂説が検証し切れていない仮説の段階から始まっていて、立証データ収集の調査や対応策の検討を秘密裏に進める必要から政界のフィクサーである渡老人の支援のもとで幸長助教授・邦枝・片岡・中田といった見識ある実力者が集められ、体制を整えていく。また﹁日本沈没﹂の情報の真偽に苦悩する政府の姿も描かれる。一方、本作品では、まず学界の最高権威︵アメリカ測地学会︶より﹁40年以内に日本は沈没する﹂と説明される[注釈 25]ことにより、政府が﹁日本沈没﹂を既成事実として受け入れてしまい、渡老人の登場や政府の苦悩を描く必然性がなくなっている[注釈 26]。 ●原作や前作では、物語終盤にて日本政府や世界各国が日本人救出に全力を尽くすが、本作品では逆に、政府首脳が“難民受入交渉”と称し我先に海外逃亡、また世界各国があまりにも多く押し寄せてきた日本人の受け入れに難色を示すなど冷淡な態度を取られる。一方で日本海溝にあるプレート切断作戦のために掘削機を提供したりするなど協力してくれる国もある。 ●原作では南関東直下地震で250万人、73年版では360万人の死者・行方不明者が出る。それに対し、2006年公開版では東京は終盤の全ての住民の退避後に津波が襲来している[注釈 27]。 ●原作では架空の深海探査艇である﹁わだつみ﹂と﹁ケルマデック﹂が潜水調査に用いられたが、本作では実在の深海探査艇である﹁しんかい6500﹂﹁しんかい2000﹂がそれぞれ﹁わだつみ6500﹂﹁わだつみ2000﹂の名で登場する。D1計画の中心になる調査船も、原作や1973年映画版の艦船から、実在の地球深部探査船﹁ちきゅう﹂に変更された。 ●作中での時代設定は2007年。各地の被害[編集]
●冒頭、駿河湾沖を震源とする大地震が発生し、神奈川県南部が壊滅する。 ●北海道南岸で地震が発生し十勝岳、富良野岳で大規模な噴火が発生、死者が出る。 ●阿蘇山で観測史上最大規模の噴火が発生。阿蘇カルデラは事実上消滅する。火山弾は熊本市にまで飛来し、熊本城が崩壊、熊本市は都市機能を失う。また、日本国民の避難受け入れ交渉のために中国へ向かう山本総理を乗せた日本国政府専用機が噴火に巻き込まれ墜落し、山本総理は死亡。 ●長崎県では妙見岳、国見岳が噴火する。 ●鹿児島県の桜島が噴火する。 ●紀の川と吉野川を震源とする地震が発生する。この地震により、高知県との通信が途絶える。 ●青森湾西岸、津軽山地、能代断層で断続的に地震が発生する。 ●九州地方全域で通信が途絶える。 ●東北地方では断続的に地震が発生し、断層が最大10mずれる。 ●中央構造線が裂け、九州と四国が南北に分断される。 ●北海道南部ではプレートの断裂が始まり分断されていく。 ●島根県の三瓶山が2000年ぶりに活動を開始する。 ●石川県南部、香川県西部、京都府北部で震度7の地震が発生。地震の影響で南海電鉄南海本線全線が不通となる。 ●函館市に津波が来襲して水没する。 ●水門が開放され品川区や渋谷区などが水没する。 ●小松飛行場と広島空港で火山灰の降灰量が離着陸の許容範囲を超え使用不能となる。 ●静岡県の天竜川河口、長野県の諏訪湖、新潟県の糸魚川の複数震源で地震が発生。マグニチュードは7.4以上。東京は最大震度6強の激しい揺れに襲われる。登場人物の設定[編集]
●前述の通り、ストーリー設定が変更されたため、登場人物も原作より設定変更などがなされている。 ●小野寺は原作では神戸市出身だが、会津地方の造り酒屋の息子に変更されている。 ●玲子は原作では下田市出身だが、本作品では神戸出身で阪神・淡路大震災によって両親を亡くし、東京の叔母に引き取られたことになっている。 ●田所博士は原作よりも若く設定され、鷹森大臣と元夫婦の設定。 ●中田は登場するが、原作の情報学者でなく防衛連絡調整官となっている。 ●福原教授は、原作では前述の救済策を練る比較文明論の教授である。 ●野崎官房長官は、原作では難民受入交渉の先頭に立つ外交官︵名前は異なり八郎太︶である。 ●渡老人が登場しない。 ●下記のように原作などにも登場しなかった人物が何人かいる。 ●田所の元妻、鷹森危機管理大臣。 ●駿河湾沖の震災を生き残った、倉木美咲︵福田麻由子︶。 ●阪神大震災で両親を失った玲子を女手一つで育てた﹁ひょっとこ﹂の女将、田野倉珠江︵吉田日出子︶とその常連客たち。 ●登場する女性の役割が異なっている︵原作などではお嬢様だった玲子が東京消防庁ハイパーレスキューの救助隊員[注釈 28]、政府内で大災害対策の陣頭指揮を執るのが、女性である鷹森大臣︶。結末[編集]
●N2爆薬という架空の兵器の使用が重要なポイントとなる。 ●当初の設定では核兵器が使用されることになっていたが、製作に加わっているTBSが﹁核兵器の使用﹂という設定に難色を示したため、核兵器と同等の破壊力を得られるという設定の架空の兵器に変更された。 ●原作などと異なり、結城・小野寺は物語中で命を落とす[注釈 29]。逆に、原作・映画︵1973年版︶では日本列島と運命を共にした田所博士は、生命の危険に遭うこともなく生き残る。 ●原作などでは﹁ほぼ完全﹂に日本は沈没してしまった[注釈 5]が、本作品では部分的には水没するものの、最終的には日本沈没とはならない。登場兵器・メカニック[編集]
●地球深部探査船﹁ちきゅう﹂ ●大深度有人潜水調査船﹁しんかい6500﹂ - 作中では﹁わだつみ6500﹂ ●有人潜水調査船﹁しんかい2000﹂ - 作中では﹁わだつみ2000﹂ ●73式小型トラック ●73式中型トラック ●73式大型トラック ●1トン半救急車 ●高機動車 ●偵察用オートバイ ●おおすみ型輸送艦﹁おおすみ﹂﹁しもきた﹂ ●エアクッション艇1号型 ●CH-47J ●UH-60J ●C-1 ●RF-4Eキャスト︵2006年の映画︶[編集]
肩書きは公開当時のもの。
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スタッフ︵2006年の映画︶[編集]
●製作統括‥近藤邦勝、島谷能成、島本雄二、喜多川擴、細野義朗、久安学、亀井修、常田照雄 ●エグゼクティブプロデューサー‥濱名一哉 ●プロデューサー‥中沢敏明 ●原作‥小松左京 ●脚本‥成島出、加藤正人 ●音楽‥岩代太郎 ●特殊技術統括・監督補‥尾上克郎 ●VFXプロデューサー‥大屋哲男 ●ラインプロデューサー‥吉田浩二 ●撮影監督‥河津太郎 ●美術‥原田恭明 ●装飾‥高畠一朗 ●録音‥中村淳 ●編集‥奥田浩史 ●キャスティング‥富田敏家 ●スクリプター‥河島順子 ●音響効果‥柴崎憲治 ●特殊効果・操演‥岸浦秀一 ●アクションディレクター‥諸鍛冶裕太 ●助監督‥足立公良 ●製作担当‥梶川信幸、坪内一 ●プロデューサー補‥鶴岡智之 ●アシスタントプロデューサー‥辻本珠子 ●特殊造型‥原口智生、江久保暢宏 ●メカニックデザイン‥庵野秀明 ●特撮‥特撮研究所 ●特撮監督‥神谷誠 ●特殊撮影‥高橋政千、中根伸治 ●照明‥安藤和也 ●特殊美術‥三池敏夫 ●操演・特殊効果‥関山和昭、久米攻、中條勝美 ●助監督‥石井良和、村上秀晃 ●特殊造型‥マーブリングファインアーツ、アップアート ●VISUAL EFFECTS‥Motor/lieZ、マリンポスト、日本エフェクトセンター、デザインコンビナート、チームガレージ、キュー・テック、ダイナモピクチャーズ、日本映像クリエイティブ、ほか ●VFXスーパーバイザー‥佐藤敦紀、田中貴志、道木伸隆 ●アートディレクター‥丹治匠 ●科学監修‥山岡耕春、土井恵治、平朝彦、巽好幸 ●特別協力‥防衛庁、東京消防庁、独立行政法人海洋研究開発機構︵JAMSTEC︶ ●撮影協力‥東京大学地震研究所、陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊、本庄市、高崎市、日野市、ほか ●制作プロダクション‥セディックインターナショナル ●製作‥映画﹁日本沈没﹂製作委員会︵TBS、東宝、セディックインターナショナル、電通、J-dream、S・D・P、MBS、小学館、毎日新聞社︶ ●配給‥東宝 ●監督‥樋口真嗣特別スタッフ︵2006年の映画︶[編集]
●地球物理学・火山学︵名大教授︶‥山岡耕春脚本のクレジットについて[編集]
劇場公開時のクレジットでは﹁脚本 加藤正人﹂となっており、加藤の単独脚本ということになっていた[注釈 32]。しかし、DVDのクレジットでは成島の名前が追加されている。加藤は公開時の桂千穂との対談で、脚本は二人の共作︵成島の名前は出していない︶であるが、諸事情で自分の名前しか出ていないと話していた[48]。主題歌︵2006年の映画︶[編集]
●﹁Keep Holding U﹂SunMin thanX Kubota関連ソフト︵2006年の映画︶[編集]
CD ●日本沈没 オリジナルサウンドトラック︵2006年7月26日、ビクター・エンタテインメント VICL-62028︶ ●見知らぬ明日 ●ある生き物の記録 ●ユートピアの終焉 ●墓標かえりぬ ●継ぐのは誰か? ●地には平和を ●果しなき流れの果に ●雨と、風と、夕映えの彼方へ ●夜が明けたら ●Gordian knot 〜神への長い道〜 ●こちらニッポン… ●復活の日 ●Keep Holding U (movie edit) -特別収録- ●各曲の題名は、﹁Keep Holding U﹂を除き、すべて小松左京の著作の題名に由来する。 DVD ●日本沈没 スタンダード・エディション︵2007年1月19日 GNBD-7380︶ ●日本沈没 スペシャル・コレクターズ・エディション︵3枚組︶︵2007年1月19日 GNBD-7381︶ - 初回生産限定版 ●日本沈没 スタンダード・エディション︵2007年9月4日 GNBD-7380D︶- 低価格版 ●発売元‥セディックインターナショナル/小学館、販売元‥東宝。 ●発売元‥セディックインターナショナル/小学館、販売元‥ジェネオンエンタテイメント。 ●日本沈没 大辞典 ENSYCLOPEDIA OF SINKING JAPAN︵2006年6月21日 REDV-00478︶ ●ナビゲートDVD、発売元‥TBS、販売元‥TCエンタテインメント。テレビ放送[編集]
●2008年4月13日に、TBS系列にてテレビ放映された。受賞[編集]
●2006年度 センス・オブ・ジェンダー賞特別賞外部リンク︵2006年の映画︶[編集]
●日本沈没 (2006) - 東宝WEB SITE ●日本沈没 (2006) - allcinema ●日本沈没 (2006) - KINENOTE ●日本沈没 (2006) - 文化庁日本映画情報システム ●日本沈没 (2006) - MOVIE WALKER PRESS ●日本沈没 (2006) - 映画.com ●SINKING OF JAPAN - オールムービー︵英語︶ ●SINKING OF JAPAN - IMDb︵英語︶1974年のテレビドラマ[編集]
日本沈没 | |
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ジャンル | テレビドラマ |
原作 | 小松左京 |
企画 | 田中友幸 |
脚本 | |
監督 | |
出演者 | |
ナレーター | |
製作 | |
プロデューサー | |
製作 |
東宝映像 TBS |
放送 | |
放送国・地域 | 日本 |
放送期間 | 1974年10月6日 - 1975年3月30日 |
放送時間 | 日曜20:00 - 20:55 |
放送枠 | TBS日曜8時枠の連続ドラマ |
放送分 | 55分 |
回数 | 26 |
公式ウェブサイト | |
総集編 | |
放送期間 | 1975年12月31日 |
放送時間 | 14:00 - 15:30 |
放送分 | 90分 |
回数 | 1 |
1974年10月6日から1975年3月30日まで、TBS系列︵一部地域を除く︶・日曜20:00で全26回にわたって放送された︵1975年12月31日には、総集編が放送されている︶。おりしも、これに先駆けた19:30-20:00には同じく小松左京︵他2名︶が原作を務めた特撮サスペンスドラマ﹃SFドラマ 猿の軍団﹄が放送されており、90分間・2本連続で小松左京作品が放送された時代でもあった。
総製作費は前年の映画版同様の5億円、テレビドラマ史上空前となる巨額費用が投じられた[49]。
小松左京と東宝との﹁映画化の後TBSでテレビドラマ化する﹂との契約に従い、映画版︵1973年版︶と同時進行で撮影された。このテレビ版スタッフの撮ったカットには、映画版に使用されたものもあるという。﹃空の大怪獣ラドン﹄や﹃妖星ゴラス﹄、﹃ノストラダムスの大予言﹄[50]など過去の東宝特撮映画のシーンが映画版の特撮カット以外も流用されている。逆に映画﹃ゴジラvsモスラ﹄︵1992年︶は、名古屋城の破壊シーンに、本作品第4話の姫路城倒壊シーンを流用している[51]。
特撮︵映画からの流用カットのみに頼ることなく、随所において意欲的な画面を作りあげた︶だけではなく、ドラマ部分にも多額の予算が費やされ﹁キャスティング費用だけで1億円﹂といわれた[52]。田所博士役の小林桂樹以外は映画版と配役が異なるが[14]、下記の主要キャスト以外にも浜美枝、土屋嘉男、藤木悠ら東宝特撮作品でおなじみの面々をはじめ、豪華な顔ぶれがゲスト出演し、各回の物語を彩った。第14話﹁明日の愛﹂には、同名の主題歌を歌った五木ひろしも、玲子の機知で田所にあるデータを提供した航海士・桂省吾[注釈 34]役で出演している。1975年3月9日に放送された第23話﹁海に消えた鎌倉﹂には、松川首相の緊急記者会見を放送するテレビ画面に見入る一般国民として特技監督の川北紘一と俳優の大葉健二がカメオ出演している。
小説では中盤に大地震の発生によって大ダメージを受ける東京が終盤まで無傷だったり、幸長助教授︵細川俊之︶が海外調査という設定で途中から姿を消し︵演者の降板による︶[注釈 35]、代わりにそれまで対立していた野末技官(佐原健二)が田所博士の研究の補佐役に転じたり、小野寺の婚約者が第1回冒頭で地震に巻き込まれて死亡したり、小野寺の上司の吉村が会社の利益のために小野寺を利用し、玲子との仲を裂こうと暗躍したり、田所博士にマリアという生き別れの娘がいたりといったドラマ版独自の設定・展開がある。結末も、映画版では存在感を放っていた渡老人があまり登場せず、中田秘書官の台詞でその死が伝えられ、田所博士は生き残り、小野寺と玲子の逃避の成否を描かずに幕を閉じる︵後に放送された総集編のナレーションでは、2人は生還しオーストラリアに脱出したとされている︶。
本放送当時、関西でのネット局は朝日放送︵ABC︶だったが、後のTBS系列からNETテレビ︵現在のテレビ朝日︶系列へのネットチェンジの準備も重なっていた。奇しくも最終回が放送された3月30日は、ABCにおけるTBS系列として最後の放送日でもあった。
後に関西での再放送は、1987年秋から火曜深夜枠にて現在の系列局である毎日放送︵MBS︶にて流れた。
1995年に福岡県で深夜番組︵早朝番組︶として再放送されていたが、同年1月17日に第2話の放送が終わった直後、兵庫県南部地震︵阪神・淡路大震災︶が起こったため、3話目からの放送は打ち切られた。
さらに、2016年はCS放送の日本映画専門チャンネルで放送されていたが、熊本地震発生の翌日である同年4月15日午前中に放送された第7話をもって事実上の打ち切りとなっている[53]。
キャスト︵1974年のテレビドラマ︶[編集]
●小野寺俊夫‥村野武範 ●阿部玲子‥由美かおる︵第1話-第14話、第16話、第19話、第21話-最終回︶ ●中田一成秘書官‥黒沢年男︵第3話-第4話、第8話-第13話、第16話-第20話、最終回︶ ●幸長信彦助教授‥細川俊之︵第1話-第4話︶ ●結城達也‥橋本功︵第1話-第3話、第14話、第16話︶ ●吉村秀夫︵運航課長︶‥仲谷昇︵第1話-第7話︶ ●辰野記者‥田中邦衛︵第2話、第4話-第6話︶ ●山城教授‥佐々木孝丸︵第1話-第2話、第6話、第8話-第9話、第11話︶ ●野末技官‥佐原健二︵第1話、第2話、第5話-第6話、第14話、第19話-第21話︶ ●谷口‥松下達夫︵第1話-第2話、第8話-第9話[注釈 36]︶ ●大泉‥幸田宗丸︵第1話-第2話、第6話、第8話-第9話︶ ●中河原‥伊豆肇︵第1話-第2話、第8話-第9話︶ ●技官‥勝部義夫︵第1話-第2話、第5話-第6話、第8話-第9話、第16話-第17話[注釈 37]︶ ●D計画職員‥鹿島信哉︵第13話、第19話-第20話、第22話-第23話[注釈 38]︶ ●D計画職員‥加藤茂雄︵第19話-第20話、第22話-第23話[注釈 39]︶ ●マリア・ベイリー‥マリ・クリスティーヌ︵第1話-第3話、第9話、第16話、第25話︶ ●小野寺春子︵俊夫の妹︶‥沢田亜矢子︵第1話-第2話、第4話、第6話︶ ●小野寺周二︵春子の夫。婿養子︶‥岡本信人︵第1話、第5話、第6話、第15話、第23話︶ ●小野寺健一︵周二と春子の子︶‥小塙謙士︵第1話、第5話、第6話、第23話︶ ●小野寺加代︵俊夫の母︶‥丹阿弥谷津子︵第1話、第2話、第6話︶ ●小野寺千造︵俊夫の祖父︶‥小栗一也︵第1話、第6話︶ ●阿部信太郎︵玲子の父︶‥内田朝雄︵第7話-第8話、第11話、第16話︶ ●信太郎の部下‥三重街恒二︵第8話、第11話、第16話︶ ●信太郎の部下‥村上幹夫︵第8話、第11話、第16話[注釈 40]︶ ●京子︵渡老人の付き人︶‥麻里とも恵︵阿川泰子︶︵第3話、第11話︶ ●坂本平助・シゲ子夫妻︵アパートの管理人︶‥鳳啓助、京唄子︵第1話-第3話、第7話-第9話、第11話-第14話、第21話、第24話︶ ●有吉摩耶︵パイロット︶‥小川知子︵第17話-第18話、第20話︶ ●邦枝助教授‥山本圭︵第23話-第25話︶ ●大木二佐︵D2計画隊員︶‥轟謙二︵第23話-第25話︶ ●機動隊員︵D2計画隊員︶‥杜沢泰文︵第23話-第25話︶ ●山川ノブ子︵木下外科の看護婦︶‥大井小町︵第2話、第21話-最終回︶ ●松川首相‥山村聡︵特別出演︶[54]︵第13話、第20話、第23話︶ ●渡老人‥中村鴈治郎︵第3話、第11話︶ ●田所雄介博士‥小林桂樹︵第1話-第16話、第18話-第23話、第25話-最終回︶スタッフ︵1974年のテレビドラマ︶[編集]
●企画‥田中友幸 ●原作‥小松左京︵光文社版︶ ●脚本‥山根優一郎、長坂秀佳、石堂淑朗 ●プロデューサー‥斉藤進、小倉斉、橋本洋二︵TBS︶、安田孝夫︵TBS︶ ●特別スタッフ‥竹内均︵東京大学教授︶、大崎順彦︵東京大学教授︶ ●音楽‥広瀬健次郎 ●主題歌‥﹁明日の愛﹂[注釈 41]、挿入歌‥﹁小鳥﹂︵B面︶ ●作詞‥山口洋子、作曲‥筒美京平、編曲‥ボブ佐久間、歌‥五木ひろし︵徳間音工︶ ●※第5回以降の﹁明日の愛﹂は、伴奏のミックス、ボーカル、音質がそれまで使用されていたものと異なるバージョンになり、第15話以降はよりクリアなバージョンに変更された。それに伴い、OPの映像が一部変更となった。 ●撮影‥長谷川清、鶴見孝夫、内海正治、山本武、永井仙吉、唐沢興生 ●美術‥伊東正靖、山口修、篠川正一 ●録音‥林頴四郎、矢野口文雄 ●照明‥大口良雄、出竹秀夫、池田泰平、広沢賢次 ●助監督‥新城卓、浅田英一、神沢信一、真川敏夫、萩原鐵太郎 ●記録‥天野春代、中野正子、沢田享子、吉沢幸子、山田光枝、徳永絵里子、中町真弓、佐久間清子 ●光学撮影‥宮西武史 ●光学作画‥川名正︵第14話以降︶ ●編集‥船沢昌介 ●整音‥東宝録音センター ●効果‥東宝効果集団 ●操演‥沼里企画 ●制作主任‥内田貴夫、棚網則男、湯原正男、船津英恒、高木正幸、渡辺司 ●プロデューサー補‥広川恭 ●制作担当‥塚原正弘 ●現像‥東洋現像所 ●衣裳‥京都衣裳貫 ●美粧‥山田かつら店 ●衣裳協力‥ローマ岩島 ●協力‥熱川温泉ホテル︵第1話︶、阿蘇白雲山荘︵第10話︶、阿蘇町役場︵第10話︶ ●殺陣‥宇仁貫三 ●ナレーター‥内藤武敏、岸田森︵次回予告のみ。ノンクレジット[注釈 42]︶ ●特技監督‥高野宏一、田渕吉男、川北紘一 ●監督‥長野卓、金谷稔、福田純、西村潔、山際永三、真船禎 ●制作‥東宝映像︵現・東宝映像美術︶・TBS︵現・TBSテレビ︶サブタイトル[編集]
話数カウントは﹁第○回﹂である︵第26回は﹁最終回﹂と表記︶回 | 放送日 | サブタイトル | 脚本 | 監督 | 特殊技術 | ゲスト |
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1 | 1974年 10月6日 |
飛び散る海 | 山根優一郎 | 福田純 | 田渕吉男 | 森下悦子:望月真理子 森下信介:下條正巳 悦子の母:今井和子 ニュースキャスター:新堀俊明 下田の消防団:加藤茂雄(ノンクレジット) 下田の消防団:今井和雄(ノンクレジット) 下田の消防団:里木佐甫良(ノンクレジット) 支配人:鹿島信哉(ノンクレジット) |
2 | 10月13日 | 海底の狂流 | 西村潔 | 森下悦子:望月真理子 土屋医師:佐々木勝彦 巡視船の船長:不明 | ||
3 | 10月20日 | 白い亀裂 | ジュン:関根世津子 刑事:鈴木治夫 小野寺の友人:石山克己 | |||
4 | 10月27日 | 海の崩れる時 | 長野卓 | 川北紘一 | 漫才コンビ ヒロ・タケシ:正司敏江・玲児 家政婦:江田正子 佐藤健 八木和子 アナウンサー:池水通洋 | |
5 | 11月3日 | いま、島が沈む | 長坂秀佳 | 絹川俊介:村井国夫 矢島教諭:津野哲郎 島民:木田三千雄 太一:新井つねひろ 少年:山瀬洋 少女:岩城けい子 看護婦:桂木美加 島民:草間璋夫 島民:夏木順平 島民:榊田敬二 | ||
6 | 11月10日 | 悲しみに |
西村潔 | 田渕吉男 | 絹川俊介:村井国夫 刑事:堺左千夫 佐々木一彦:頭師孝夫 刑事:加藤茂雄 後宮次長:守田比呂也 | |
7 | 11月17日 | 空の牙、黒い竜巻 | 山根優一郎 | トラックの運転手:広瀬正一 ドライバー:所雅樹 アナウンサー:池水通洋 ドライバー:宮村義人 家政婦:江田正子 フロント係:佐田淳 | ||
8 | 11月24日 | 怒りの濁流 | 山際永三 | 高野宏一 | 源さん:柳谷寛 官房長官:近藤準 科学技術庁長官:永井玄哉(ノンクレジット[注釈 43]) 総理府総務長官:田中志幸 建設大臣:相原巨典 ダムの職員:猪野剛太郎 管理人:和久井節緒 アキオ:八幡洋之 カズコ:松村みゆき 支配人:名川貞郎(ノンクレジット) D計画職員:大矢兼臣(ノンクレジット) 警備員:稲川善一(ノンクレジット) レストランの客:渡部猛(ノンクレジット) | |
9 | 12月1日 | 海底洞窟の謎 | 石堂淑朗 | 徳光春夫:大和田獏 徳光太左衛門:玉川伊佐男 大西良夫:三津田健 アナウンサー:池水通洋 D計画職員:大矢兼臣(ノンクレジット) | ||
10 | 12月8日 | 阿蘇の火の滝 | 長坂秀佳 | 金谷稔 | 川北紘一 | 沖田健司:大門正明 北川レイ子:新井春美 レイ子の父:高原駿雄 青木則彦:亀谷雅彦 藤田康之 大貫幸雄 高橋務 阿蘇山の饅頭売り:大村崑 |
11 | 12月15日 | 京都にオーロラが!! | 山根優一郎 | 高野宏一 | 日高:東野孝彦 | |
12 | 12月22日 | 危うし京の都 | 真船禎 | 日高:東野孝彦 藤田ゆみ 針谷弘之 藤井敏夫 吉川友子:夏純子 木村弘三:根上淳 アナウンサー:市川治、作間功 | ||
13 | 12月29日 | 崩れゆく京都 | 吉川友子:夏純子 木村弘三:根上淳 官房長官:近藤準 科学技術庁長官:斉藤英雄 総理府総務長官:田中志幸 建設大臣:相原巨典 ダグラス教授:トニー・セテラ 久米勲夫 竹渕真一 藤田ゆみ 住職:不明 | |||
14 | 1975年 1月5日 |
明日の愛 | 長坂秀佳 | 長野卓 | 川北紘一 | 天竜:荒谷公之 作業員:矢野間啓二 大田黒清吉:穂積隆信 現場監督補佐:柳生博 省吾の姪:和田麻里 ヒロシ:五藤義秀 マコト:益子隆充 桂省吾:五木ひろし 教授:竹内均(ノンクレジット[注釈 44]) |
15 | 1月12日 | 大爆発・海底油田 | 山内和美:浜美枝 山内弥作:柳沢真一 浜倉清司:新克利 ロバート・カスター:フランツ・グルーバー 老漁師:山田禅二 居酒屋の主人:池田生二 林寛一 漁師:吉中正一 漁師:貝武 和美の息子:安田泰三 カスターの声:辻村真人(ノンクレジット) | |||
16 | 1月19日 | 鹿児島湾SOS! | 山根優一郎 | 山際永三 | 高野宏一 | 結城ユカリ:田坂都 牛山社長:神田隆 職員:小松英三郎 巽:石井宏明 マダム:五月晴子(ノンクレジット) 主婦:岸井あや子(ノンクレジット) ウクレレ易者 牧震学:牧伸二 |
17 | 1月26日 | 天草は消えた! | 坂本和夫:林家木久蔵 坂本ハル:武智豊子 有吉光一:高津住男 北村主任:弘松三郎 天草の住民:細井利雄 D計画職員:石矢博 山田孝子 アナウンサー:市川殆 坂本ヤス子:木島幸 坂本リョウイチ:大沢総一郎 大浦隆 佐古雅美 | |||
18 | 2月2日 | 危機せまる小河内ダム | 西村潔 | 永井三郎:下條アトム 二本松直子:水沢アキ 安五郎の妻:石井富子 西崎所長:有馬昌彦 タクシー運転手:藤井敏夫 ダム職員:門脇三郎 坂本ハル:武智豊子(ノンクレジット) D計画職員:石矢博(ノンクレジット) 二本松安五郎:藤木悠 | ||
19 | 2月9日 | さらば・函館の町よ | 長坂秀佳 | 金谷稔 | 川北紘一 | 北條はな:千石規子 井上元太:保積ぺぺ 北條百合:竹井みどり 五郎:小原秀明 カズオ:福崎和宏 シゲル:鍋谷孝喜 操縦士:大理淳 |
20 | 2月16日 | 沈みゆく北海道 | 服部いく:加茂さくら 和田熊吉:草薙幸二郎 自衛隊員:宇留木康二 ミチ子:岩城睦子 サスケ:江村和紀 谷川村の老人:榊田敬二 シゲ:夏木順平(ノンクレジット) マサ:草間璋夫(ノンクレジット) 官邸職員:今井和雄(ノンクレジット) ミチ子の母親:川口節子(ノンクレジット) | |||
21 | 2月23日 | 火柱に散る、伊豆大島 | 長野卓 | 高野宏一 | 島本嘉門:吉田義夫 店主:小川安三 客室乗務員:伊藤よし子 アベック:中島公子 タエ子:山添三千代 コウヘイ:古堀宏 タエ子の母:川口敦子 大崎健一郎:福田豊士 タロー:カーリー カワサキ スヤマ号(渡紀エンタープライズ) | |
22 | 3月2日 | 折れ曲がる、日本列島 | 山根優一郎 | 石黒順一:小倉一郎 石黒房代:北沢典子 小里:水谷邦久 岸本:鈴木和夫 石黒弘二:高野浩幸 石黒サチ子:中村亜子 石黒泰三:土屋嘉男 | ||
23 | 3月9日 | 海に消えた鎌倉 | 金谷稔 | ヨウコ:山岸成美 中島外相:中村伸郎(ノンクレジット[注釈 45]) | ||
24 | 3月16日 | 東京都民・脱出せよ | 海上自衛隊幹部:永谷悟一 若者:寺本梢 若者:吉田めぐみ エミー:ポーラ野沢 若者:平野康 佐古雅美 石田徹 | |||
25 | 3月23日 | 福田純 | ヘリ整備係:山田禅二 救急隊員:今井和雄 岡山看護婦:若原初子 アナウンサー:田川恒夫 操縦士:大理淳 外国人女性:ハリー・ブラウン | |||
26 | 3月30日 | 東京最後の日 | 松本銀二:小鹿番 松本照子:曽我町子 自衛隊員:酒井郷博 松本夫妻の長男:池田義彦 |
映像ソフト︵1974年のテレビドラマ︶[編集]
レーザーディスク ●日本沈没 LD-BOX D-1︵7枚組︶︵1996年10月25日、アミューズソフトエンタテインメント AML-37︶ ●第1回から第14回を収録。 ●日本沈没 LD-BOX D-2︵6枚組︶︵1997年2月21日、アミューズソフトエンタテインメント AML-48︶ ●第15回から第26回︵最終回︶を収録。 DVD ●日本沈没 TELEVISION SERIES︵全9巻、アミューズソフトエンタテインメント︶ ●M-1.0︵第1巻︶からM-3.0︵第3巻︶は、2001年4月27日に発売。各3話を収録。 ●M-4.0︵第4巻︶からM-6.0︵第6巻︶は、2001年5月25日に発売。各3話を収録。 ●M-7.0︵第7巻︶からM-9.0︵第9巻︶は、2001年6月22日に発売。M-7.0︵第7巻︶・M-8.0︵第8巻︶は3話を収録、M-9.0︵第9巻︶は2話収録。 ●日本沈没 TELEVISION SERIES プレミアム・ハザードBOX︵DVD 9枚組︶︵2006年7月7日 アミューズソフトエンタテインメント ASBP-3423︶ ●上記DVD 9枚をセットにしたDVD-BOX外部リンク︵1974年のテレビドラマ︶[編集]
●日本沈没 (1974-TV) - allcinemaTBS 日曜20:00枠 【当番組のみドラマ、関西地区は腸捻転解消のため除く】 |
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前番組 | 番組名 | 次番組 |
日曜ワイドスペシャル |
日本沈没 |
サンデースペシャル |
朝日放送 日曜20:00枠 | ||
日曜ワイドスペシャル |
日本沈没 |
2021年のテレビドラマ[編集]
詳細は「日本沈没-希望のひと-」を参照
2020年のWebアニメ[編集]
詳細は「日本沈没2020」を参照
1973年の連続ラジオドラマ[編集]
映画版、テレビ版より早い1973年10月8日から1974年4月5日の半年間、毎日放送制作で、9:00 - 15分の帯番組として、月曜から金曜の毎日、全国ラジオネットワーク︵NRN︶系列局で放送された。全130回。
主人公小野寺の名前を俊夫から浩介へ、小野寺が乗る潜水艇の呼称をケルマデックからケマルデックへ、などの設定の変更がされている。また、小野寺の亡母が三保︵現在の静岡市︶で入水した、などの追加がされた。
スタッフ︵1973年の連続ラジオドラマ︶[編集]
●演出‥岡本愛彦 ●脚色‥蓬萊泰三 ●音楽‥田中正史 ●効果‥高田暢也 ●演出助手‥竹内東弥キャスト︵1973年の連続ラジオドラマ︶[編集]
●小野寺浩介‥江守徹 ●阿部玲子‥太地喜和子 ●田所雄介博士‥加藤武 ●幸長信彦助教授‥金内喜久夫 ●中田一成‥高橋悦史 ●邦枝‥角野卓造 ●山本総理‥北村和夫 ●渡老人‥龍岡晋 ●吉村秀夫‥下川辰平 ●ナレーター‥川辺久造 ●その他出演‥文学座1973年の単発ラジオドラマ[編集]
上記のラジオドラマとは別に、1973年11月4日には文化放送にて﹃小松左京﹁日本沈没﹂より ここを過ぎて悲しみの都へ﹄と題したラジオドラマが放送された。原作から﹁日本が沈む﹂という設定だけを取り込み、政府の思惑や地殻変動の仕組みを知らない一市民が未曾有の大災害に翻弄される姿を描いた作品[55][56]。 第28回︵1973年︶文化庁芸術祭ラジオ部門優秀賞受賞[57]。 音源は放送ライブラリーで保存・公開[58]されていた一方、文化放送社内では長らく作品のことは﹁忘れ去られたまま﹂[59]だったという。その後、当時の放送を収録したオープンリールが小松宅で偶然見つかったことをきっかけに、2023年12月から2024年1月にかけて計4回放送された年末年始特番﹃小松左京クロニクル ﹁日本沈没﹂を探す旅﹄の中で、50年ぶりに再放送された[56][59][注釈 46]。スタッフ︵1973年の単発ラジオドラマ︶[編集]
●脚本‥横光晃 ●音楽‥桑原研郎 ●演奏‥新室内楽協会 ●制作‥鈴木久尋 ●音響︵効果︶‥玉井和雄 ●調整︵技術︶‥小林信夫 ●演出‥芦沢務キャスト︵1973年の単発ラジオドラマ︶[編集]
●中尾彬 ●日色ともゑ ●前田昌明 ●加藤嘉 ●久米明 ●杉山とく子 ●松本のり子 ほか1980年のラジオドラマ[編集]
NHK連続ラジオドラマ︵1980年﹁連続ステレオ小説﹂としてNHK-FMで放送、のちにAMで再放送︶。1話15分の全10回放送。設定年代を﹁198X年﹂とした他はほぼ小説通りのストーリー展開である。FMでの初回放送の直前に総合テレビの﹃NHK番組ガイド﹄で取り上げられ、東京大地震の群集シーンの収録風景が紹介された。- 脚色:津川泉
キャスト(1980年のラジオドラマ)[編集]
- 小野寺俊夫:鹿賀丈史
- 阿部玲子:島村佳江
- 田所博士:巖金四郎
- 幸長:纓片達雄
- 中田一成:大塚国夫
- 山崎:川久保潔
- 渡老人:宮口精二
- 首相:久米明
- オーストラリア首相:久松保夫
- 国連特別委員会委員長:加藤精三
- 語り:小林恭治
- テーマ音楽:シベリウス「交響曲第1番」
- レナード・バーンスタイン指揮のニューヨーク・フィルハーモニック演奏版(1967年)を使用。オープニングは第1楽章、エンディングは第4楽章からの抜粋。BGMも第4楽章からの抜粋が多く使われた。
1970年代と2000年代の漫画[編集]
詳細は「日本沈没 (漫画)」を参照
玩具[編集]
- 『おおくに&メカコレクション』(青島文化教材社) - テレビ版に登場したメカの商品化。おおくに、わだつみ、ケルマデック、はやとが含まれる[注釈 47]。
- 『日本沈没 D1計画篇』『日本沈没 D2計画篇』(タカラトミー) - 映画リメイク版のメカコレクション。主に劇中登場した自衛隊の装備や深海潜水艇が中心だが、撮影に用いられたタグボートもラインナップに含まれる。
- 『海上自衛隊輸送艦しもきた』(タカラトミー) - 映画リメイク版で登場した輸送艦「しもきた」の1/700模型。
実現しなかった映画化案[編集]
『日本列島沈没』[編集]
1971年ごろに﹃日本沈没﹄を原作とした映画﹃日本列島沈没﹄を大映が製作発表した[22]。経緯としては、1971年ごろにマスコミで東京大地震が話題になっていたことに着目して大映社内で東京大地震を特撮映画にする企画が浮上。そんな中、1972年秋に﹃放送朝日﹄の対談記事で小松左京がその種の話を執筆していることが判明し、東京大地震のストーリー提供を打診したところ、﹃日本沈没﹄の執筆を教えられ、小松から出版前の生原稿を提供される。これを大映社内の企画会議で検討した結果、前向きに企画が動き出すことになる。ところが大映社長の永田雅一が、社内でこの企画を動かしていた担当者に何の連絡もなく独断で突然﹃日本列島沈没﹄を製作発表。制作費の目処が立っておらず、正式な契約書も交わしていない段階で小松に無断での発表だった。結局﹃日本列島沈没﹄の企画はそのまま棚上げとなり、原作の出版後に東宝が正式に映画化権を取得した[60][61][注釈 48]。
﹃続日本沈没﹄の企画[編集]
1973年末夕刊紙に東宝の翌年以降の大作ラインナップの広告が出された際、﹃エスパイ﹄、﹃ノストラダムスの大予言﹄などと共に発表された[62]。製作前の各作品に﹁抽選で50名を試写会にご招待﹂とまで告知された。 監督と特技監督には前作と同じ森谷司郎と中野昭慶を起用。タイトル横に付けられたキャッチ・コピーは﹁祖国を失った日本人は世界史から抹殺されるのか?﹂だった。プロットとしてはジュネーブで再会する小野寺と玲子、難民化した日本人の受難、日本政府の裏資金での国土調達活動などが描かれると言われた。しかし、小松の原作執筆が進まず、公開予定が1976年に延期されたのち、製作は立ち消えになり幻の企画となった[63][62]。﹃新日本沈没﹄の企画[編集]
1995年から1998年にかけて、東宝により企画された再映画化案。北山裕章と映画﹃さよならジュピター﹄の監督を務めた橋本幸治がプロデューサーとされ、脚本家として米村正二らが候補に上がった。ストーリーには原発事故による複合災害や新島での日本再建といった要素が盛り込まれ、CGと特撮の併用による撮影が計画されていたが、同時期に企画されていた松竹の﹃日本沈没1999﹄が先行して映画化の許諾を得ていたことから、企画は立ち消えとなった[64]。『日本沈没1999』の企画[編集]
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『日本沈没1999』のティーザーポスター 1999年2月11日に閉館した映画館『松竹セントラル』入口付近のチケット売場にて。 |
1998年9月30日に銀座東急ホテルで、松竹が1999年12月から公開する2000年の正月映画として﹃日本沈没1999﹄の製作発表を行なった。監督には大森一樹を起用。ストーリー面では、大森と小松両氏が1995年の阪神・淡路大震災の被災者でもあることから、その経験を活かそうと阪神・淡路大震災当時に見られた若者たちのボランティア活動やインターネット上の動向を盛り込もうと意欲を見せたほか、原作小説におけるD-2計画に重点を置いたものになる予定であった。また、先述の﹃新日本沈没﹄と同様に原発災害を盛り込む案も存在した[65]。映像面ではスペクタクルシーンにCGを活用する方針を採用。光吉俊二、大原伸一といったスタッフの名前が挙げられ、パイロット映像も作成されていた。
総製作費12億円、配収目標30億円の大作になる予定だったが、業績不振の松竹は制作費を調達できず、1999年3月5日の記者会見で大谷信義社長が﹁検討中﹂とコメントし、同作の関係社員を異動させたことも明らかとなり、事実上の製作中止が確定した[66][注釈 49]。結局、2000年の松竹の正月映画には大島渚の監督作﹃御法度﹄が公開された。
軋轢︵
ところがその矢先、地球シミュレータによるシミュレーションで、﹁異変﹂にともなって噴出した膨大なエアロゾルが地球の寒冷化を促し、新たな氷河期が近づきつつあることが判明する。
鳥飼外相は中田首相に対し、メガフロート計画を人類救済のために転用するように主張するが、中田は納得できず鳥飼は外相を辞任する。中田はアメリカとの軍事同盟に頼って事態打開を図るが、アメリカは責任を日本政府に押し付けるような情報操作を行ったうえで地球シミュレータを接取しようとする。
小説﹃日本沈没 第二部﹄[編集]
小説の続編である﹃日本沈没 第二部﹄が、2006年の再映画化に合わせ、谷甲州との共著という形で2006年7月に出版された。執筆までの経緯[編集]
テレビでの対談において続編の構想について質問された小松は﹁日本沈没時、大量に発生した火山灰のため地球全体が寒冷化し、地球規模の食糧不足となり、そのような状況の下、世界各地に散らばった国を失った日本人がどうなるかを考えていたが、昨今の火山の噴火に伴う同様の状況の現出など、あまりに現実的すぎるテーマとなってしまい筆が進まないでいる﹂という趣旨の回答をしており、第2部においても﹁地球寒冷化﹂が﹁日本人の行く末﹂と並んで重要なテーマとされている。 後に小松と彼を慕う若手SF作家︵谷や森下一仁ら︶を中心として﹃日本沈没﹄の続編を執筆するプロジェクトが立ち上げられて、沈没後に残された日本人と地球がたどるであろう運命について議論が交わされて小松の元で基本的なプロットがまとめられた。だが、小松が既に老齢であったこともあり、実際の執筆は沈没後の日本人が活躍の舞台とするであろうアジア地域での生活が長かった谷が担当したが、出版後の2011年に小松は逝去することになる。あらすじ︵第二部︶[編集]
日本列島の大半が海底に沈んだ﹁異変﹂から25年が過ぎた。かつて日本列島があった海域は、領有権の主張はおろか、学術的な調査すらも凍結された状態で残されていたが、その付近には中国の海洋調査船がひそかに入り込んでいた。海上自衛隊のワタリ准尉らは、白山の一部[注釈 50]が岩礁として残っているのを発見する。 かつてのD計画の中心人物で、現在は日本国の首相となっている中田一成は、日本国を再建するために大和堆の上にメガフロートを建設する計画を進めようとする。しかし、それは中国をはじめとする周辺諸国との設定(第二部)[編集]
この節の加筆が望まれています。 |
登場人物︵第二部︶[編集]
モーシェ・﹁第二部﹂以降の展開[編集]
第三部の構想もあった。2006年にラジオ番組﹃サントリー・サタデー・ウェイティング・バー﹄に小松が出演した際、﹁第三部をもし作るとしたら、第二部で生きてた日本人はもう宇宙まで行くしかない。宇宙にメガフロートを作ろうかと谷︵甲州︶と話している﹂といった趣旨の発言をしていた[67][信頼性要検証]。
﹃日本沈没﹄が執筆開始された後から﹃SFマガジン﹄に連載され、出版は1966年と﹃日本沈没﹄に先んじる形になった小松の別の長編小説﹃果しなき流れの果に﹄には、短いエピソードとして、国土を失ったさらに未来の日本人の行く末に触れており、ここでは宇宙に進出する日本人の姿が描かれている。また、﹁お祭り﹂というショートショート作品では、国土を失った日本の民族が宇宙開発を率先して進めたため、その貢献への返礼としてお盆に太平洋上で巨大﹁大文字焼き﹂を行う権利を得、月面や衛星軌道上から眺めるという新たな風物詩を定着させている、ということになっている。
パロディ[編集]
日本以外全部沈没 筒井康隆作のパロディ小説。﹃日本沈没﹄が第5回星雲賞︵日本長編部門︶を受賞したのと同時に、第5回星雲賞︵日本短編部門︶を受賞。 2006年の﹃日本沈没﹄の公開に便乗する形で映画化が発表された。監督は河崎実。初代映画版とテレビドラマ版でそれぞれ小野寺役を演じた藤岡弘、と村野武範がそろって出演し、話題となった。なお、こちらの映画版の田所博士役は寺田農で、寺田はリメイク版﹃日本沈没﹄からも出演のオファーを受けていたそうだが、結局こちらを選んだ。また、2006年版に出演した松尾貴史が、気象予報士・森田良純役でこちらにも出演している。なお、この作品には小松が公認︵お墨付き︶を与えている。 日本漂流 小松左京による自己パロディ[要検証]。初出は﹃話の特集﹄1966年8月号。松代群発地震の調査でボーリングを行ったところ、なにやら柔らかいものに行き当たり、同時に日本列島すべてを激震が襲い、直後に日本列島は南に向かって泳ぎ出す。﹁地下にナマズがいるというのは本当で、日本列島の下には巨大な一匹のナマズのような怪物がいた﹂という話。超々特大日本鯰竜︵アルキウルトラギガントナマザウルス ニッポニクス︶という名が付けられている。 日本ちんぼ* 横田順彌のナンセンスパロディ小説。 日本ふるさと沈没 2006年版公開に合わせて出された徳間書店から刊行されたパロディ漫画集。﹁︵作家たちの︶故郷が沈没したら?﹂というコンセプトで書かれており︵﹁ご当地﹂のみが沈没ないし残存するという場合もある︶、鶴田謙二や吾妻ひでおなどSFファンには馴染みの深い作家から、いしいひさいちまでと執筆者の範囲が幅広いのも特徴である。 SMAP×SMAP 関西テレビ・フジテレビで放送のバラエティ番組。2006年版の主演である草彅剛が出演しており、この映画のパロディであるコント﹁日本陥没﹂が放送された。 ケロロ軍曹 テレビアニメ。﹁日向家沈没﹂の題で、地下基地年末拡張工事で緩んでいた地盤が日向家もろとも沈降するというストーリー。水中調査船のネーミングも、﹁わだつみ﹂ならぬ﹁つみだわ﹂となっている。 ドラえもん 漫画。﹁世界沈没﹂の題で小学館てんとう虫コミックス版の単行本では4巻に収録。のび太が12時間後に起こる現実をドラえもんの道具︵イマニ目玉︶で見ると世界中で大雨が降り世界が沈没するという内容。実はのび太が見たのは夜に自分が見ることになる夢で、実際に世界が沈むことはない。 王様はロバ〜はったり帝国の逆襲〜 ギャグ漫画。タイトルは﹁日本ちょっと沈没﹂、数回にわたり連載されていた。局地的な地盤沈下により、日本が80cmだけ沈没︵浸水︶したという設定で、その環境で暮らす人々の生活を描いている。 ふしぎの海のナディア テレビアニメ。第21話﹁さよなら…ノーチラス号﹂でノーチラス号が撃沈される海溝の名前が﹁ケルマディック海溝﹂。第31話﹁さらばレッドノア﹂でのハンソンの説明が1973年版映画の田所教授の説明のパロディ。第31話にはほかにも細かなパロディが存在。なお、第21話の絵コンテおよび第31話の監督は2006年版の監督をした樋口真嗣。 ハヤテのごとく! 漫画。メイドのマリアが、ヒロインの三千院ナギの暇つぶしに見ていた映画DVDの中に﹁練馬沈没﹂という作品を見つける場面がある。この場面が登場した物語はリメイク版が放映された年に掲載された。 絶体絶命でんぢゃらすじーさん ﹃コロコロコミック﹄の漫画。﹁じーさんの日本沈没﹂という絵本をじーさんが書いたという話が登場した。 復活の日 人類滅亡の危機との闘い―― 小松左京の﹃復活の日﹄の新井リュウジによるジュニア版リメイク。直接登場はしないが、主人公・吉住の恩師に﹁田所﹂という地質学者がいる。また﹁石坂兵吉﹂という日本の副総理が登場しており、これは2006年の映画版で総理大臣役を演じた石坂浩二が名前の元ネタである[注釈 51][68]。この他にも国会議事堂に向かうデモ隊に警察のヘリコプターが警告する場面は、1973年の映画版で避難民を乗せた漁船群に小野寺がヘリコプターから警告する場面のパロディとなっている。 レッドサン ブラッククロス 佐藤大輔の仮想戦記小説。作中における日本の反応兵器開発の計画名が﹁D計画﹂。計画を推進している海軍大佐の名前が﹁田所雄介﹂になっているなどのパロディが存在する。 WORLD WAR Z 海外小説。全世界にゾンビが発生し、日本でも被害が発生する中、日本人が日本列島を脱出して国を失くす、という描写が作中で描かれている。また作中で日本脱出を提案した﹁小松由紀夫博士﹂という登場人物は、小松左京が元ネタとなっている[注釈 52][69]。日本沈没を引用したメディアなど[編集]
大韓民国の新聞社 2011年︵平成23年︶3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震︵東日本大震災︶による巨大地震や大津波の浸水による水没で、韓国の全国紙﹃中央日報﹄とソウル特別市の地方紙﹃ソウル新聞﹄は、3月12日朝刊の記事で、このことを本作品にたとえ﹁日本沈没﹂という見出しをつけて掲載した。しかし、このことが本作品を想起させて、日本人の震災被害者の心情を侮辱すると、読者からクレームが殺到した[70]。﹃中央日報﹄は同年末12月26日付けの特集で﹁災害に苦しむ日本人を傷つけた﹂として、当時の紙面を取り消す旨の﹁反省文﹂を掲載し[71]、改めてその水没した被災地の写真を使い、﹁がんばれ日本﹂と書いた訂正記事を発表した[72]。 ハケンの品格 第2シリーズ︵日本テレビ︶ 実際の書籍︵1973年のカッパノベルス版︶がドラマ内に登場。また、大前春子が﹁日本沈没﹂と叫ぶ場面があり[73]、エンディングには、協力としてクレジットされている。 継母の連れ子が元カノだった ︵AT-X、TOKYO MX、BS日テレ、毎日放送、BSフジ︶ 第1話﹁元カップルは呼びたくない﹁そういうところが......!﹂﹂で、リビングテーブルに2020年の角川文庫版の本がある描写があり、﹁小松左京﹂も明記されている。同様に出た有川浩の﹁海の底﹂とも エンディングクレジットには書かれていない。脚注[編集]
注釈[編集]
(一)^ 悲観的な未来予測をおこなったローマクラブの﹁成長の限界﹂が、前年の1972年に発表されている。なお、小松は日本万国博覧会においてテーマ館サブプロデューサーを務めていた。
(二)^ 上田誠也︵当時東京大学教授、地球物理学︶は、﹃中央公論﹄1973年7月号に掲載された小松左京との対談において、﹁あれならうちのマスター論文ぐらいにはなるかな、なんて思っておったんですがね﹂と発言している[11]。
(三)^ 作中では﹁日本海溝﹂とされているが、正確には伊豆・小笠原海溝である。
(四)^ 原作発表当時の表現。2011年以降は﹁死火山でなければすべて活火山﹂と解釈されている。
(五)^ ab原作本編でも、最後の大爆発後に日本列島の完全消滅を確認する記述は不詳にされている。﹃日本沈没 第二部﹄によれば、北陸地方の白山の一部と見られる部分︵白山岩︶が岩礁化して海面上から露出しており、日本政府はこれを根拠に旧日本列島海域における日本の国家主権の存続を主張している。
(六)^ 1970年代初め、伊丹空港に代わる﹁関西新空港﹂の立地については神戸沖・泉州沖を含めて複数の候補があり、泉州沖とする答申が出されたのは本書刊行と同じ1973年であった。
(七)^ 現代ならスーパーコンピュータ︵スパコン︶とするべき箇所だが、Cray-1の誕生以前で、スパコンという概念がまだない。
(八)^ ただし、1974年ドラマ版では﹁Danger﹂のDであると説明されている︵第4話﹁海の崩れる時﹂︶。
(九)^ 作中に登場する構成国は、タンザニア、アメリカ、ソ連、マルタ、イギリス、ドイツ︵本作発表当時は東西に分断されていたが、単に﹁ドイツ﹂とのみ記載されている︶、フランス、インドネシア、ヨルダン、バングラデシュ、カナダ、オーストラリア。
(十)^ 小説中ではフルネームは登場しない。
(11)^ 第5章第7節で2か所、野党第3党の党首と経済団体の会長からそれぞれ﹁緒形﹂と呼びかけられる場面がある。
(12)^ 資料によっては、﹁144分﹂[17][13]、﹁2時間﹂[14]と記述している。
(13)^ 田中は原作の新聞広告を見て、小松に連絡をとったという[5]。田中と小松は以前から交流があり、小松は自身が携わっていた雑誌﹃S-Fマガジン﹄で東宝から賞金を出してもらっていたことに対する恩義もあったことを述べている[5]。
(14)^ 東宝公式サイト映画資料室では、田所雄介博士と記述している[17]。
(15)^ 東宝公式サイト映画資料室では、結城達也と記述している[17]。
(16)^ 東宝公式サイト映画資料室では、吉村秀夫と記述している[17]。
(17)^ 東宝公式サイト映画資料室では、幸長信彦助教授と記述している[17]。
(18)^ 書籍﹃東宝特撮映画大全集﹄では、隊員と記述している[9]。
(19)^ 書籍﹃東宝特撮映画全史﹄ではD1本部委員[31]、書籍﹃東宝特撮映画大全集﹄では本部委員の学者と記述している[9]。
(20)^ 書籍﹃東宝特撮映画大全集﹄では、指揮官と記述している[9]。
(21)^ 東宝公式サイト映画資料室では、中田浩一郎と記述している[17]。
(22)^ ﹁円谷以外で初めて﹂とする書籍[32]もあるが誤り。
(23)^ 中野は、東宝特撮がこれまで培ってきた技術がどこまでリアリティに迫れるかという、自身にとって一つの実験であったと述べている[36]。
(24)^ スケールは、書籍﹃東宝特撮映画全史﹄では﹁約300分の1﹂[38]、書籍﹃東宝特撮映画大全集﹄では﹁1200分の1﹂[32]と記述している。
(25)^ 後に田所博士の調査で沈没は1年以内と判明。
(26)^ 旧作と原作では渡老人が有識者を招集し、富士山麓にこもらせ日本救済策を練ったシーンが存在したが本作品ではまったく描写されていない。複数の有識者による検討で﹁何もしない方がいい﹂という極論も提示されたことは山本首相のセリフによって示されるのみである。
(27)^ 原作では震災から約半年後の地盤沈降下で襲った梅雨の集中豪雨による。なお、1974年のテレビドラマ版でも東京での震災と沈没は終盤のシーンに該当するが、その段階で全住民の退避には至っていない。
(28)^ 実際には東京消防庁ハイパーレスキューに女性隊員は存在しない。女性職員については、毒劇物などに係る災害活動への従事制限があるためである。
(29)^ 1974年のテレビドラマ版第24回で小野寺が似たような状況に陥っているが間一髪で救出されている。
(30)^ 1973年のラジオ版では田所教授役で出演していた。
(31)^ 写真のみ。写真は映画用に新たに撮り下ろした。
(32)^ 劇場パンフレットでクレジットが確認できる。
(33)^ abc特技監督
(34)^ 出港した彼が戻るころ、既に故国は失われた後だという田所のセリフで締め括られた。
(35)^ チリ大地震の調査で日本を留守にしているという台詞がある。
(36)^ 第2話のみノンクレジット。
(37)^ 第1話、第16話はノンクレジット。
(38)^ 第13話、第20話はノンクレジット。
(39)^ 第20話のみノンクレジット。
(40)^ 第16話のみノンクレジット。
(41)^ オープニング・クレジットでは﹁あしたの愛﹂と表記された。また、第14回のサブタイトルとしても使用された。
(42)^ 第5話予告以降︵一部を除く︶。
(43)^ 第9話にクレジットされている。
(44)^ 日本沈没︵1973年版︶からの流用。
(45)^ 日本沈没︵1973年版︶からの流用。映画では野崎特使。
(46)^ 年始の特番の放送2日前︵1月1日︶には令和6年能登半島地震の本震が発生したが、予定どおり放送された。
(47)^ 元は本放送当時に今井科学から発売されていたプラモデルキット。
(48)^ 書籍﹃ゴジラ大全集﹄では、大映の倒産により実現しなかったと記述している[22]。
(49)^ 1998年に松竹では奥山家の解任騒動という内紛が尾を引き、映画製作ができる状態ではなかったとも言われている。
(50)^ 後日、篠原から中田首相への報告によって、白山の山頂部分そのままではなく﹁異変﹂によって崩落した跡が岩礁化したものであることが判明する。
(51)^ 石坂浩二の本名は﹁武藤兵吉﹂。
(52)^ 下の名前は三島由紀夫が元ネタと思われる。
出典[編集]
(一)^ “NDL-OPAC 書誌情報”. 国立国会図書館. 2016年9月5日閲覧。
(二)^ 小松左京﹃日本沈没 (下)﹄小学館文庫、2006年、p.400。奥付で書名に﹁にほんちんぼつ﹂のルビ。
(三)^ “UCHIDA TV vol.241 ︻小松左京さんと日本沈没・秘書物語︼”. 内田洋行 (2017年2月22日). 2021年10月19日閲覧。︵小松左京の事務所であるイオ代表取締役の乙部順子は﹁にほんちんぼつ﹂と読んでいる。︶
(四)^ abcdefgh東宝特撮映画全史 1983, pp. 372–373, ﹁東宝特撮映画作品史 日本沈没﹂
(五)^ abcdef東宝特撮映画全史 1983, pp. 448–449, ﹁特別対談 東宝特撮映画未来へ! 小松左京 田中友幸﹂
(六)^ 490万部超の大ベストセラー﹃日本沈没﹄誕生50年 本誌が公開していた小松左京の﹁構想メモ﹂、Smart FLASH、2023年3月16日。
(七)^ ﹃文藝春秋﹄2023年6月号、79頁。
(八)^ abc東宝チャンピオンまつりパーフェクション 2014, p. 126, ﹁プロジェクト東宝チャンピオンまつり 祭り囃子は遠くに﹂
(九)^ abcdefghijklmnopqrstuvwxy東宝特撮映画大全集 2012, p. 165, ﹁﹃日本沈没﹄作品解説/俳優名鑑﹂
(十)^ 新海 2013, p. 170.
(11)^ 小松 & 上田 1973, p. 148.
(12)^ ゴジラ大百科 1993, p. 147, 構成・文 中村哲﹁東宝SF/怪獣映画・海外版大研究﹂
(13)^ abcdeゴジラ来襲 1998, pp. 94–95, ﹁第2章 東宝・怪獣SF特撮映画の歩み 第3期︵1971-1977︶﹂
(14)^ abcゴジラ画報 1999, p. 174, ﹁日本沈没﹂
(15)^ abゴジラグラフィティ 1983, pp. 50–51, ﹁PART.3 日本沈没 惑星大戦争﹂
(16)^ abc東宝特撮映画大全集 2012, p. 164, ﹁﹃日本沈没﹄﹂
(17)^ abcdefghijklmnopqrstuvwxyzaaabacadaeafagahaiajakalamanao“映画資料室”. viewer.kintoneapp.com. 2022年2月23日閲覧。
(18)^ abcdefg東宝特撮映画全史 1983, p. 549, ﹁東宝特撮映画作品リスト﹂
(19)^ abcde東宝写真集 2005, pp. 85–87, ﹁日本沈没﹂
(20)^ ab日本特撮映画図鑑 1999, pp. 126–127, ﹁日本沈没﹂
(21)^ abc動画王特別編集ゴジラ大図鑑 2000, pp. 132–133, ﹁1970年代 日本沈没﹂
(22)^ abcdeゴジラ大全集 1994, pp. 70–71, ﹁東宝特撮映画史 ゴジラ誕生 スペクタクルのヒット﹂
(23)^ abcGTOM vol.0 2022, p. 30, ﹁日本沈没﹂
(24)^ 東宝特撮映画大全集 2012, p. 166, ﹁﹃日本沈没﹄兵器図録/資料館﹂
(25)^ ﹃キネマ旬報ベスト・テン全史: 1946-2002﹄キネマ旬報社、2003年、198-199頁。ISBN 4-87376-595-1。
(26)^ 東宝特撮映画全史 1983, p. 58, ﹁田中友幸 特撮映画の思い出﹂
(27)^ ゴジラ大百科 1993, p. 163, 構成・執筆 早川優﹁ゴジラ映画を100倍楽しくする 東宝怪獣映画カルト・コラム32﹃ゴジラ︵84︶﹄と東宝パニック路線﹂
(28)^ Tidal Wave (1975) - オールムービー︵英語︶
(29)^ abcパトリック・マシアス 著、町山智浩 訳﹁﹃ゴジラ1985﹄の好物はドクターペッパー!﹂﹃オタク・イン・USA 愛と誤解のAnime輸入史﹄太田出版、2006年、125頁。ISBN 978-4778310028。
(30)^ ﹃オール大衆﹄1979年9月1日号、20頁。NDLJP:2247072/11
(31)^ abcdefg東宝特撮映画全史 1983, p. 537, ﹁主要特撮作品配役リスト﹂
(32)^ abcdefg東宝特撮映画大全集 2012, p. 167, ﹁﹃日本沈没﹄撮影秘話/川北監督に訊く﹂
(33)^ 中島春雄﹃怪獣人生 元祖ゴジラ俳優・中島春雄﹄洋泉社、2010年、320頁。ISBN 978-4-86248-589-2。
(34)^ 日本海洋産業株式会社
(35)^ 友井健人 編﹃1973﹁日本沈没﹂完全資料集成﹄洋泉社、2018年、170頁。ISBN 978-4-8003-1425-3。
(36)^ abcゴジラ大全集 1994, pp. 146–147, ﹁SPECIAL INTERVIEW チャンピオンまつりの看板と一般大作 中野昭慶﹂
(37)^ 東宝ゴジラ会﹃特撮円谷組 ゴジラと、東宝特撮にかけた青春﹄川北紘一︵監修︶、洋泉社、1989年、216頁。ISBN 978-4-86248-622-6。
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出典(リンク)[編集]
参考資料[編集]
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●﹃キネマ旬報﹄︵キネマ旬報社、2006年7月下旬号︶
●川北紘一﹃特撮魂 東宝特撮奮戦記﹄︵洋泉社、2010年︶
●﹃東宝特撮映画大全集﹄執筆‥元山掌 松野本和弘 浅井和康 鈴木宣孝 加藤まさし、ヴィレッジブックス、2012年9月28日。ISBN 978-4-86491-013-2。
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●講談社 編﹃ゴジラ&東宝特撮 OFFICIAL MOOK﹄ vol.0︽ゴジラ&東宝特撮作品 総選挙︾、講談社︿講談社シリーズMOOK﹀、2022年12月21日。ISBN 978-4-06-530223-1。
関連項目[編集]
●わだつみ ●死都日本 ●地震列島 ●大陸移動説 ●首都消失 ●太陽の黙示録 ●メディアミックス ●継母の連れ子が元カノだったカテゴリ:
- 1973年の小説
- 小松左京の小説
- 日本のSF小説
- 潜水艦を題材とした小説
- 海洋冒険小説
- 日本各地を舞台とした小説作品
- 自衛隊作品
- 日本推理作家協会賞
- 1973年の映画
- 1970年代の特撮作品
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- 日本のSF映画作品
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- リメイクSF映画
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- 樋口真嗣の監督映画
- 岩代太郎の作曲映画
- 茨城県で製作された映画作品
- 水戸市で製作された映画作品
- 函館市で製作された映画作品
- 潜水艦を題材とした映画作品
- 自衛隊映画
- 日本の小説を原作とするテレビドラマ
- 1974年のテレビドラマ
- TBS日曜8時枠の連続ドラマ
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- 東宝特撮作品
- 東宝製作のテレビ作品
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- 長坂秀佳脚本のテレビドラマ
- 潜水艦を題材とした作品
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