今日は、魯迅の「些細な事件」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
「わたし」はある日、人力車にのって急いで仕事場に向かっているときに、おばあさんとこの車夫がぶつかってしまった。この小さい事件を追った、魯迅の短編小説です。
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追記 はやく仕事場に向かってほしいとしか思っていなかった「わたし」を放置して、車夫は自分でこの老婦人をひいてしまったことの責任をとろうとして、倒れたおばあさんを助け起こして、交番に向かってしまった。「わたし」は1人、車の中に取りのこされてしまった。
このミスをしたはずの車夫の、もの言わぬ背中が、急に、なによりも大きく山のようにそびえ立っているように見えた。本文こうです。
全身砂埃を浴びた彼の後影が、刹那に高く大きくなり、その上行けば行くほど大きくなり、仰向いてようやく見えるくらいであった。
「わたし」は思わず、巡査に向かって、おばあさんを助けたあの車夫に銅貨を渡しておいてください、とお願いをして立ち去ってしまいます。「論語」の言葉はなにも思い出せないのだが、この小さな事件の記憶だけはいつも「わたし」のなかで蘇ってくる、と記していました。「論語」ではおもに、こう説いています。「過ちて改めざる、是を過ちと謂う」間違っておいて改めない、というのがほんとうの過ちである。「学びて思わざれば則ち罔し」ただ暗記するだけで思い巡らすことが無かったら、何も見えてこない。「わたし」は作中で、こういった論語の言葉をどこかで学んだはずなのに、すっかり忘れ去ってしまって1文字も思い出せないで、いるのでした。







