新しい文学の誕生 宮本百合子

 今日は、宮本百合子の「新しい文学の誕生」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 宮本百合子の戦後の本を読むと、戦争中に文学がどのくらい制限されていたのか明記されていて、こういうのを読むとおどろきます。
 戦後すぐの死者って、すごい多かったらしいんです。殺されない自由は保障されたんですけど、まだ生きる場所や働く場所が出来ていないころにどういう文学が現れてきたのか、そういうことを記している随筆なんです。戦後の混乱期にはドストエフスキーが愛読されている、と宮本百合子が書くんです。
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   二十四時間を、八時間から九時間以上職場にしばられ、千八百円でしめつけられつつ家族の生活をみている正直な勤労者の青春にとって、きょうの猟奇小説と、ロシアの人民が暗黒のなかに生を苦しんでいた時代のドストイェフスキーの世界は、何を与えるだろう。しかし、偶然は、そういう作品をも或る休みの日の夜、人々の手にとらせるのだ。その人は、何の気もなしに読む。そして何と思うだろう。どんな感じがしただろう。quomark end - 新しい文学の誕生 宮本百合子
 
 このあとの、個人が己にしか書けないことを発見する、という箇所の文章が、すごかったです。
 

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