友情に関係あるエッセイ 戸坂潤

 今日は、戸坂潤の「友情に関係あるエッセイ」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 戦時期の、非戦について論じようとしている随筆に興味があって、当時は少しでも反戦について明記すると、全文を検閲されてしまってすぐさま発禁になるし、不当に禁固刑に処されたりしたという事実があったわけで、そういう危険な時期に、なにを言えば良いのかとか、どう考えれば良いのか、というのを学べるように思うんです。おもに当たり障りの無い、時局からずらしたことを書くしか無いんですけど、それでも戦争を称揚しないように注意深かったり、あくまでも権力を持たない者の眼差しでモノを語っていたりしていて、その緊張感があって、言いがたいことを伝えようとしていて、いま読んでみると印象深い随筆になっていると思うんです。
 文芸を作れる環境はむしろ、1900年よりも1940年ごろのほうが豊かになっている。1941年に、どういうように出版が成長しつつあるかを論じています。
 あと、戦時中ならではの独特な現象を知って、現代日本がどう外国と違うのか、というのを知るのも面白いです。なぜそうなっているのか知らないんですけど、鉄道や公共交通機関で、日本人が礼儀正しく整列するのは、じつは戦時中の1940年代に出来上がった風習らしいです。くわしくは本文を読んでみてください。
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  チャールス・ラムは『エリヤのエッセイズ』で、「既婚者の言動についての或る独身者の嘆き」というものを説いている。quomark end - 友情に関係あるエッセイ 戸坂潤
 
という、このラムの言う、特権的な独身者にそっくりな男が居て、「産めよ、殖やせよ」という戦時の異様なスローガンがあらわれてきたころに急に結婚をした。「ラム氏の結婚」あたりのはなしがおもしろかったです。wikipediaの戸坂潤のページと同時に読むと、感慨深い随筆に思いました……。
 

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