今日は、吉川英治の「醤油仏」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
吉川英治と言えば、宮本武蔵や親鸞など歴史上の人物を大長編で描きだした作家だと思います。まだほとんど読めていないのでいつか読んでみたいのですが、こんかいは、江戸の深川の、日雇い労働者たちの、奇妙な集まりを描きだした中編小説を電子書籍化してみました。
左次郎という19歳の少年が、病弱なのになぜかよく働いています。これを不審に思った親方(銅鑼屋の亀さん)が事情を聞いてみると、左次郎は鳥取藩池田家に仕える武士の息子だと分かります。彼は、養母の「お咲」と「一平」が「安南絵の壺」とともに関東で行方不明になった謎を追って、わざわざ鳥取から一人で、江戸にやって来て、けっきょくは日銭を稼ぐために働いているのだ、ということなのでした。
いっぽうでその深川では大食いたちが、ありえないくらい多くのものをぜんぶ食えるのか、賭けをする勝負が流行して、食いすぎて倒れた者さえでてくる始末です。「伝公」という伝説的な大食い男が大金を稼いでいると知って、ある男が愚かにも危険な勝負に挑むのですが……。
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(総ページ数/約10頁 ロード時間/約5秒)
追記 「伝公」に大金を賭けて「醤油賭」の勝負に挑んだところ、伝公の解毒の裏技も通じずに、伝公は醤油の飲みすぎで倒れてしまうのでした。この伝説の男である伝公がじつは、「お咲」と「一平」の二人組であったことがのちに明らかになるのでした……。金を稼いでなんとか鳥取に帰ろうとしていたところ、稼ぎすぎて金に目が眩みすぎておかしくなった男女の物語でした。徳川家康が重大視していたという「過ぎたるはなお及ばざるが如し」という事態が描きだされた時代小説なのかなと思いました。