今日は、国木田独歩の「春の鳥」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
これは1890年代を描きだした実話的な物語で、豊後佐伯町で暮らしていた幼子の六蔵は知的障害があり、数を十まで数えることが出来ません。その六蔵と「私」国木田独歩とのほんのわずかな交流と、中座した教育の試みと、それから墓前に佇む母親の心情について描いています。母親と親族と隣人たちの関係性が印象に残る作品に思いました。
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(総ページ数/約10頁 ロード時間/約5秒)
追記 これは1960年代中ごろまでは教科書にも載っていた作品ですが、その後はまったく読まれなくなった近代小説です。現代では近代作品の研究目的でのみ読まれる小説になっています。本作は実話も含まれますが、国木田独歩によると、幼子は夭折しておらず、事件の描写は小説上の虚構であるそうです。知的障害者への児童教育が実践されはじめるよりも四十年以上も前に書かれたもので、その点では先進的な作品であったようです。手塚治虫の描いた、脳を持たずに生まれて夭折した新生児の物語は、この「春の鳥」の読書体験から生じているのでは、と感じました。







