時間 横光利一

 今日は、横光利一の「時間」を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 ぼくはこれを読むのは2回目です。サーカスの座長が、消え去ってしまって、取り残された「私達」は、宿屋の宿泊費を払う金さえ無い。そこから集団で脱走劇が始まるんですが、映画の序盤のように悪役がまったく目に見えない、見えないところを言語化しつづけているのがなんだか迫力のあるように思いました。
 逃走している集団の中で1人だけ病人がいる。その人とどう逃げてどう生き延びようか、というところの描写が印象深かったです。
 

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(総ページ数/約10頁 ロード時間/約10秒)
 
追記  用意周到な伏線を張り巡らせた超絶技巧の現代海外ドラマを見慣れてしまうと、近代の小説がちょっと陳腐に見えてしまって、それで良いのかと、突っ込んでしまいたくなるようなオチに遭遇することがあると思うんですが、今回のはどうもそれで、精読できる読者はもっとこの小説の魅力を発見できるんだろうなあ……と思いました。
 

生きている看板 小川未明

 今日は、小川未明の「生きている看板」を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 シラーあるいはシルレルという詩人の名前よりも、作られた「メロス」という架空の人物のほうが良く知られるようになる、ということがままあると思います。小川未明はこんかい、生きているような作品について、みごとな童話にして記しています。
 

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白眉の童話でした。

細雪(9) 谷崎潤一郎

 今日は、谷崎潤一郎の「細雪」その9を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 この物語の中心人物である雪子の……フィアンセ候補である、井谷と親族が、次回あたりでやっと現れます。
 ところが、日付の取り決めとか、同伴者の服装の地味さを命じられているとか、女中さんがまだ秘密のはずのことを幼子に漏らしてしまってそれで問題が起きているとか、ちょっとしたところでなんだかものごとがすんなり進まないような気配もあります。
 古式ゆかしい、楚々とした女である雪子のことを、姉の幸子はもう、見た目からして絶賛したくてしょうがない。
 雪子はもうなんどもお見合いをしていてどうも上手くゆかない。こんどこそ本命のフィアンセ候補のはずなので、これは親族もソワソワしている。
 お見合いの問題が親族間で話しあわれていて、こんども縁談が立ち消えになってしまうと、繰り返し準備してきた人たちにいろんな迷惑がかかってしまうことを心配していて、とうの雪子は泣いてしまいます。お見合い寸前なのに、泣きはらした顔では上手くゆくものも上手くゆかない。いったん落ちついて、ものごとが上手く進むように、それぞれ苦慮しているので、ありました。
 読み方としては正しくないんですが、2022年の戦争に日本が直接的に巻きこまれていた場合は、現代日本人は、谷崎が大空襲間近のころに描いたこの物語内部のように、戦争がありながら平和だけに意識を集中して暮らしている人々が、あまたに生じるはずだ……というように思いました。
 

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「細雪」の上中下巻、全巻を読む。(原稿用紙換算1683枚)
谷崎潤一郎『卍』を全文読む。 『陰翳礼賛』を読む。

■登場人物
蒔岡4姉妹 鶴子(長女)・幸子(娘は悦ちゃん)・雪子(きやんちゃん)・妙子(こいさん)

麻雀インチキ物語 海野十三

 今日は、海野十三の「麻雀インチキ物語」を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 海野十三が、麻雀のイカサマについてことこまかに記しています。「物語」と書いているんですが、イカサマ技の数々を羅列していることが主体のエッセーです。現代では出来ない技も多数あるように思います。
 麻雀のイカサマ技というと、手品師レベルに上手い人が、手配と山の配をすり替えるのが、もっとも見破りにくいのかと思うんですが、もっと初歩的なもので、アガリに見せかけて配がそろってないまま勝利宣言をしてしまう、というのがまずあるそうです。
 場が荒れている状況では、自分の盤面を見るだけではなく、対戦相手の動向をじっくり見なければ、という指摘がありました。
 ギャンブラーの最上級者は、ぼくはカジノに現れる数学者だと思うんです。ルールをすべて守って、暗記や確率論を使って、ほぼ必勝のギャンブルをするそうです。カジノ側は不正をしていない人であっても、勝ち続ける数学者を出入り禁止にする権利があるそうです。
 

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言語と道具 寺田寅彦

 今日は、寺田寅彦の「言語と道具」を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 人類は、言葉と道具を両方使えるところに特別な特徴がある……言語はどのように生じたのかを論じた随筆です。
 動物でもじつはゴリラは、単純な言葉を持っていて、葉っぱや木の枝を道具にするし、ハチには図形を用いて情報を伝達する言葉があるし、巣作りをしてそれを道具にしているようにも思います。
 寺田寅彦は、普段まったく意識していない、原始的な言葉がどのように人類全体に行き渡っていったか、言葉の根本のところについて検討していました。なんだか計算機がまだほとんど存在しない時代に、チューリングが暗号解読のための計算機械をはじめて開発した、その方法はどういうものだったか、を連想させるようなエッセーでした。
  

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ゲーテ詩集(29)

 今日は「ゲーテ詩集」その29を公開します。縦書き表示で読めますよ。
 天真爛漫な少女はいにしえの魔法をつかい、彼を「楽しい愚行の小舟にいざなって」ゆくのですが、彼は「静かに自分の世界にかへつて行く」……。
 愚行の小舟、という生田春月の翻訳に、目を奪われました。
 

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