論語物語(12) 下村湖人

 

 今日は、下村湖人の「論語物語」その12を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 今回は「考」のことが論じられていました。wikipediaの『考』の頁が参考になりました。
 魯の権力者の三桓と呼ばれている男たちの悪行から話しが始まるんですが「専横のかぎりをつくして、国民怨嗟の的になっていた」のがこの三桓であると書いています。孔子はどうやってこのヤバイ権力者とつき合うのか、のちのちはこの権力者たちのもとで働くことを辞めた孔子なんですけど、可能であるなら力をそぐ必要がある。「彼はたえず三桓の労力を殺ぐことに努めた」と書いています。このような相手にこそ、非礼にならないように注意深くなる必要がある……。
 そこで、考に基づいた慰霊祭に、孔子が関わってゆくわけですが、今回は、孔子のこの「かつての教え」がいちばん印象深かったです。
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 「父母に仕えて、その悪を默過するのは子の道でない。言葉を和らげてこれを諌むべきだ。もし父母が聴かなかったら、一層敬愛の誠をつくし、機を見ては諌めて、違わないようにせよ。どんなに苦しくても、父母を怨んではならない。」quomark end - 論語物語(12) 下村湖人
 
 日本に「罪を憎んで人を憎まず」という言葉があるなあと思ってちょっと調べてみると、これも孔子の言葉がちょっと関係しているらしいです。さらにもうちょっと調べてみるとこのことわざの原典のひとつに『孔叢子』なる本があって、これは孔子とその弟子が書いたモノ、にいっけん見えるんですが、一般的には偽作であると、判断されるらしいです。この詳細はwikipediaを読んでみてください。ちょっと調べただけで、どうしてこんなにいろいろ変な事柄が出てくるんでしょうか……。
 今回の、良いはずのことも、やりすぎたらダメなんだという孔子の話は、ぼくにはなんだか納得のゆくところがありました。美術や学究はとことんやり尽くさないと、はなしにならないと思うんですけど……。
 

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真昼のお化け 小川未明

 今日は、小川未明の「真昼のお化け」を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 これは小学校の低学年向けの童話です。思ったことと伝えたことを、一致させたいのに一致しないということに困った、という子供のころの記憶がよみがえる児童小説でした。小川未明はこういうことを子どもたちに述べているんです。
quomark03 - 真昼のお化け 小川未明
  自分じぶんにだけしんじられて、ひとには、どうしてもわからない、不思議ふしぎなことがあるものだということを、かれは、しみじみとかんじたのでありました。quomark end - 真昼のお化け 小川未明
 
 大人になったら不思議なことが減るんですけど、哲学書を読んだりするとそこにワンダーがあるわけで……。wikipediaを読むだけでもいろいろ哲学問題が書かれていてそういう本を読みたくなるんですけど、ぼくがいちばん不思議を感じておもしろかった哲学書はリンク先のこの本なんです。クリプキの本ほんとおもしろいんです。
 

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交遊断片 豊島与志雄

 今日は、豊島与志雄の「交遊断片」を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 これは翻訳家の豊島与志雄が、文学仲間や親友のことを記した随筆なんです。
 岸田国士の描写や、芥川龍之介とのエピソードが興味深く、そんな意外な体験をしたのかと驚いたんですが、ちょっと思ったことは、映画を見たあとにそれに影響を受けてものの見方が変わることがあると思うんですけど、翻訳という仕事をしたら一文字一文字自分の日本語でこれを創っていってその作品と深く関わることになるわけで、豊島与志雄の眼差しは、氏が翻訳した「レ・ミゼラブル」となんだか似ていておもしろい、と思いました。
 

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晶子詩篇全集拾遺(41)

 今日は、与謝野晶子の「晶子詩篇全集拾遺」その(41)を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 今回の、水道と井戸について論じた詩は、なんだか千頁の小説を九行に凝縮したようで、空想の広がる作品でした……。
 
 

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一過程 島木健作

 今日は、島木健作の「一過程」を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 これは近代の、貧しい農民たちが選挙と地域政治に取り組む物語です。落選後の活動、というふつう見ることの出来ない場面から描かれてゆくのが印象深かったです。
 少数派は多数決で勝てない、けれども少数派は正しい政治によって不平等な条件を撤廃に持ちこむ必要がある、という不合理があると思うんです。そこで近代文学者の島木健作はどういうことを書いたのか、というのが興味深かったです。マイノリティーと政治の物語というと、ぼくはジョン・ルイスの『MARCH』という作品が好きで、これは十代向けのCOMICの形式で描かれた書物なんですけれども、二十世紀の黒人は具体的にどのような迫害を受けていてどのように政治運動を成功させたのか、史実の負の側面をどう描いて伝えてゆくのか、その表現方法に関心を持ちました。美談に終わらせないんですけど、マルコムXとキング牧師の晩期を慎重に割愛する、という表現もあって、一巻の終盤が見事だったのと、中盤で描かれてゆくオバマ大統領との描写と、最終巻の物語の帰結の持って行き方に感心しました。
 島木健作は、挫折を描きだすんです。現実的な描写に驚く物語なんです。社会運動の物語と言うよりもジョージオーウェルのディストピア小説「1984」に近いところがありました。「一過程」は1935年に書かれたもので、現実にも当時の作家はつねに発禁と隣りあわせで、当時の特高からの迫害をまぬかれて戦争の終わる日を迎えることはとても困難な十年間だったように思いました。この小説は後半で意外な展開があるんです。それから終盤の描写がみごとでした……。
 

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おかめのはなし 小泉八雲

 今日は、小泉八雲の「おかめのはなし」を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 この怪談ちょっとすごいんですよ。最初の話者なのか、それを物語にした小泉八雲の成果なのか、あるいは翻訳者の田部隆次が上手かったのか判らないんですけど、静謐な怪談になっているんです。小泉八雲の眼差しによって日本の夫婦と生死が描かれているんです。
 

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