祭のさまざま 柳田國男

 今日は、柳田國男の「祭のさまざま」を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 観光としての祭りは世界中にあって、京都で行われる神事は外国人が見学に来たりするんですけど、じっさいに祭りに参加をするわけでは無い。神輿をかつぐのはやっぱり地元の人たちでやっている。祭りの中に居る人は古い習俗の感覚と繋がっているわけで、その古い祭りの様相を、柳田国男が記していました。本文こうです。
quomark03 - 祭のさまざま 柳田國男
  故郷を出てしまふと他所の祭に出逢ふことが少なく、めつたに其話を人とする折がないquomark end - 祭のさまざま 柳田國男
quomark03 - 祭のさまざま 柳田國男
  それ故に人は皆大きな花やかな混雑する祭だけを、祭といふものだと思つてゐる。quomark end - 祭のさまざま 柳田國男
 
 観光地化されていない祭、というのを見てみたいもんだと思いました。さいきん百年前の不気味な事件について記した本を読んだ影響で、この時代の日本に、祭に絡んでいったいどういう民間の事件があったのか、柳田は書かないところのことが気になりました。時節の変化のあるころに、物忌みをして他者と触れあわないように隠れるという習俗があったわけで、そうすることによって想定外の事件を事前に避けるような効果があったのではないか、とか、空想をしました。
 
 この記述が印象に残りました。
quomark03 - 祭のさまざま 柳田國男
  大切なことは祭の準備、即ち古来定まつた手続き規則が、少しもぬかり無く守られてゐたといふ自信さへあれば、神様は必ず来て下さるものと安心してゐられたのである。皆さんにはちとむつかしい言葉かも知らぬが、昔の人はこの用意を、ものいみ(物忌)と謂つてゐた。quomark end - 祭のさまざま 柳田國男
quomark03 - 祭のさまざま 柳田國男
  祭の日の前になると、家々は皆外から来る人を断つて、厳重な物忌を守つたのであるが、人が多く集まるとどうしても故障が起りやすい。それで祭に是非働かねばならぬ人だけは、別に離れて住んで何日かの間、謹慎してゐたのであつた。quomark end - 祭のさまざま 柳田國男
 
 このあとの、御籠もりの描写がおもしろかったです。
 
 むつかしい言葉を調べてみました。
 産土うぶすな  大字おおあざ

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晶子詩篇全集拾遺(11)

 今日は、与謝野晶子の「晶子詩篇全集拾遺」その(11)を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 作中に記された「はやしごと」という言葉を調べてみると、日本国語大辞典には「うたを歌ったり鳴物を鳴らしたりして興を添えるわざ。ふしをつけておもしろく言いたてること。はやし。はやしもの。」とかいていました。はやしたてる、というような意味で使っているようです。
 奇妙なことばを調べてみました。
 おしゅうさま
 

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門 夏目漱石

 今日は、夏目漱石の「門」を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 これは漱石の代表的な三部作「三四郎」「それから」「門」のなかの、最後の作品にあたる本なのですが、これから読みはじめてもまったく問題ない、独立した物語です。
 ぼくはこの本を一日一章、二十日間ほどかけて読んだんですけど、主人公の宗助は崖の下に住んでいて、七章から八章あたりで、崖の上の裕福な家に泥棒が入る、という展開があって、この地味だけど奇妙な事件が印象に残りました。
 「門」ではモノやヒトの、不可思議な移動というのが象徴的に描かれているような気がしました。そのひとつとして泥棒のエピソードがあるのではなかろうか、とか思いました。作中で、主人公と妻の二人に関する描写で、こういう一文があります。
quomark03 - 門 夏目漱石
  そうして二人が黙って向き合っていると、いつの間にか、自分達は自分達のこしらえた、過去という暗い大きなあなの中に落ちている。quomark end - 門 夏目漱石
 
 このように閉塞した心理から、どのように考えて次に進んでゆくのか、というのを追ってゆくのが興味深かったです。
 

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反スタイルの記 坂口安吾

 今日は、坂口安吾の「反スタイルの記」を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 坂口安吾というと、堕落論や大酒についての記述が印象深いのですが、今回はヒロポンのことを書いた随筆です。wikipediaの記述と同時に読んでみると、なんだか興味深かったです。
 坂口安吾は戦争に動員されずに文士として生き残った希有な作家だと思うんですけど、戦時中の危険な精神状態と薬物依存のことや、織田作之助のことについて書いていました。坂口安吾の文体がたまにとてつもなく乱れることがあるのは、どうも深酒をして書いているから、であるようです。(ぼくは安吾のムチャクチャな文章を読んだときに、安吾は随筆が上手くて、小説がヘタなんだと思い込んだんですけど、どうもそうじゃなくって深酒が原因だったようです)
 戦後すぐの日本の共産党員のファッションについて氏の友人がこう語っていたそうです。
quomark03 - 反スタイルの記 坂口安吾
  共産党はみんなオシャレだよ。とても、身だしなみがいゝんだquomark end - 反スタイルの記 坂口安吾
 
1947年の共産党って、清潔な身なりだったようです。安吾はそうではなかった。
  

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晶子詩篇全集拾遺(10)

 今日は、与謝野晶子の「晶子詩篇全集拾遺」その(10)を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 与謝野晶子は、こんかい「みにくき」という言葉を「麗しき」という一文と絡めてみごとに使っていて、言葉の不思議な作用と反作用があってすてきな詩になっていました。暗い言葉をこのように使いこなすのかと、驚きながら読みました。
 むつかしい言葉を調べてみました
 くだかけ  たもとほる
 

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