今日は、小川未明の「貧乏線に終始して」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
近代作家の特徴として、文学で稼ぐことが難しいので、貧しさの労苦について純粋に書く作家が多かった、というのがあるのかと思います。小川未明は生前も没後もよく読まれた児童文学作家だと思うんですが、今回は作家の貧しかったころを振り返る随筆なんです。
貧すれば鈍すというのか、資本不足の窮状で、家庭をぐらつかせてしまった実相が描きだされていて、物語の中に立ち現れ主人公を襲う窮状は、現実の小川未明とも通底していたんだなと思う作品でした。
ドストエフスキーの罪と罰では、主人公ラスコーリニコフを苦悶させる、貧しさから生じてくる悪心というのが描かれたと思います。小川未明は、制度を悪用する者への批判を記しています。夭折した子どもたちのことを書き、「その日、その日、この社会には、どれ程、貧困のために、悩み、苦しみつゝある者があるであろうか」という記載が印象に残りました。
苦を減じたい、と綴る小川未明の随筆でした。
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