卍 谷崎潤一郎

 今日は、谷崎潤一郎の「まんじ」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 谷崎潤一郎は、母語が関西弁じゃないんですけど、みごとに流暢な関西弁でこれを記しています。ぼくは生まれも育ちも関西なので、ニセ関西弁には敏感なほうだとおもうんですけど、この谷崎の方言は、みごとだと思います。
 ちょっと調べてみると、文学を記すためにわざわざ大阪の女と同棲してその言葉を生でえんえん聞きつつ書いたことがあるそうです。他にも関西弁の助手を雇って、言葉を書かせたりもしたそうです。
 それでも大阪生まれ大阪育ちの作家から見たら、この関西弁はちょっと、男女の言葉づかいの書き分けなどが不完全で、方言の理解がちょっと足りてないんだそうです。ぼくには完璧な関西弁に思えるんですけど……。谷崎潤一郎は、男女関係を描くのがこの時代にはありえないほど自然でおもしろく、今回はレズビアンの恋愛が印象的で、それから修羅場を描く時の迫力がすごい、というのが魅力だと思います。
 

0000 - 卍 谷崎潤一郎

装画をクリックするか、ここから全文を読む。 (使い方はこちら)
(総ページ数/約10頁 ロード時間/約3秒)