模範少年に疑義あり 坂口安吾

 今日は、坂口安吾の「模範少年に疑義あり」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 敗戦寸前の戦時中の軍事の状況を、描いた随筆作品です。日本での空襲がどのようなものだったかをまず記しています。軍隊式の集団生活に適応した少年たちの姿にたいして、戦後すぐの坂口安吾がもの申している、酒飲みの不良少年たちが、焼夷弾の火事を食いとめたという事態を記して、家が残ったのは、消火した青年工員がこれを守ってくれたからだということを書いています。みんな逃げた地域では、火の手がやたらに広がってしまった。戦後2年のところで書いた、安吾の短編です。「東京の不良少年は日頃は規律に服さず生意気で憎たらしくて自分勝手なことをしてゐるが、いざとなると人のために」活躍をする、いっぽうで口だけ達者で危急のときはすぐに逃げ出す男たちにたいしては疑義を呈する、と安吾が書くのでした。巧言令色鮮し仁という、きびしい教えを連想しました……。
  

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