殺人行者 村山槐多

 今日は、村山槐多の「殺人行者」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 村山槐多は日本中のあまたの美術館に作品が収蔵されている有名な画家で、その槐多が記した小説がこれなんです。槐多はまずこう記します。
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  自分は画家であるが自分の最も好む事は絵を描く事でなくて『夜の散歩である』quomark end - 殺人行者 村山槐多
  
 画家の「自分」がある居酒屋にたどりつくと、なにか騒動が起きている。そこにやって来た客の1人、「いかにも品よき影の見える……狂人と呼ばるる男」と知り合う。この男を連れて、2人で自宅に帰りついた。そして自宅の画室のなかで2人で、じつに謎めいた話しをした。ここから作中作になっていて、この謎の男は資産家の子で、名を「戸田元吉と云う」んです。お金がいっぱいあるので、長らく旅をしていた。
 戸田はこう告白するんです。
quomark03 - 殺人行者 村山槐多
  僕は豊子の事を語り出づる時激しい苦痛なしでは居られない。此最愛の女を僕の此手が殺してしまつたのではないか……決して決して自分は豊子の事が忘れられない。quomark end - 殺人行者 村山槐多
 
 豊子と知り合ってすぐに結婚をして「楽しき新婚生活の一年後の夏」に「豊子の友人の貴族の別荘」を訪れた。案内人は、この山荘ですごすのは辞めたほうが良いと警告するんです。この山にはなんども盗賊が現れていて、事件が起きている。「賊は一種異つた人間で強奪を行ふ時必ず人を殺す、その方法は常に同一で鋭利な短刀で心臓を見事に刺してある、だから未だ曽て一人でも実際に賊を見たと云ふ者がない。見た者は必ず殺されるからである」
 戸田元吉は山奥で、古代の石室を発見するんです。『どうしてこんな山中にこんな貴族的な棺があるのだらう』と思う。棺の奥にさらに縦穴の通路があった……。ここに恐ろしい盗賊がいるかもしれない。ここで思わぬ人と出逢った。殺人行者と呼ばれる男との対話が描きだされました。つづきは本文をご覧ください。
 村山槐多はデッサンが歪であるように見受けられるのに、すごい迫力の作品を数多に残しているのが謎だ、と思っていたんですが、この小説を読んだらなんだか腑に落ちました。神秘的な話しを書くもんだと、驚く作品でした。
 

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