われはうたえどもやぶれかぶれ 室生犀星

 今日は、室生犀星の「われはうたえども やぶれかぶれ」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 室生犀星というと『杏っ子』というのが有名な代表作かと思いますが、こんかいは最晩年の作品を読んでみました。詩や小説を書くためのメモをとっている、ということから室生犀星の「われはうたえどもやぶれかぶれ」が始まります。深夜に幾度も起きて厠にいくしかない、喉もやられて体調が不良になっている「私」の深夜における日常のことを記しています。親戚でも無いかぎり目の当たりにすることの無い事態が事細かに記されていて、驚く内容でした。不調な身体のことと、その病の原因について記しているのでした。咳が止まらないのに煙草を繰り返し吸っているという、不思議な描写がありました。室生犀星は老境の「私」を描きだしていて、ずっとゆばりの不調と病について書いているのでした。序盤で老翁同士の諍いのことを書いていてギョッとするんですが、中盤から、知人であった宇野浩二の晩年のことを記していて印象に残りました。
 

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