私の信条 豊島与志雄

 今日は、豊島与志雄の「私の信条」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 これは作家で翻訳家の豊島与志雄が、個人的な自由のことを語っている随筆です。もとからひとりっ子で1人の時間が長く、他人と約束をして時間の進行が固定されることに慣れていない、そういう作家の人生が描かれています。時間の余裕とお金の余裕はじつは繋がっていないことが、よくあると思います。お金は無いけど時間だけある人も居れば、一生分の貯金はあっても時間の余剰は少ない人もいる。近代文学のたいていは、時間が豊富にある人の話が多いと思います。与謝野晶子と漱石と鴎外が、時間の無いところを豊かに生きたんだと思います。豊島与志雄のこの文章がすてきでした。
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 打ち明けたところを言えば、仕事の実践よりも、それ以前の瞑想の方が遙かに楽しいのである。原稿紙に向っての文字による造形には、一つの決定的なものが要請されるが、その一歩手前の瞑想には、無限の可能性が含まれる。この可能性の中を、私は自由に逍遙したいのである。仕事に怠惰であっても、瞑想に勤勉だと、自惚れている始末だ。quomark end - 私の信条 豊島与志雄
 

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 言葉にされることのない詩心や、記されることのなかった偉人、ということについて考えるのが文学なのでは、と思いました。