瘤とり 楠山正雄

 今日は、楠山正雄の「瘤とり」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 これは誰もが知っているような、こぶとりじいさんの童話なんです……いちから読んでみると、なんだか井上円了の妖怪談みたいな話しなんです。妖怪たちがおじいさんの前で、宴会を始める。鬼の集団のなかに、いきなり人間がひとり入りこんでしまう。おもしろい踊りができなければ「いろいろな化物」たちに食べられてしまう。それでなんとか踊ってみる……。
 鬼たちは、あしたも楽しい踊りを見せろというので、おどしのための人質としておじいさんのこぶを、キレイに取りさって、これを人質とするのでした。おじいさんとしては、こぶはたんに邪魔なだけだったので「しめた」と思うのでした。
 こぶが取れてきれいになった姿を見た、おとなりのおじいさんが、真似をして鬼たちのところに乗り込んでいくと、ずいぶん変なことになる。かなり似たようなことをしたはずなのに、結果はずいぶん違うもんだという……。
  

0000 - 瘤とり 楠山正雄

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追記  真似をしたらぜんぜんちがう結果になったというのは、現実でもしょっちゅう起きることのようにも思いました。寓意が妙で、なんだかすてきな童話でした。