猫町 萩原朔太郎

 今日は、萩原朔太郎の「猫町」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
  旅というと、目的地を目指す探訪であるとか、探索とか、社会見学みたいな要素があるのかと思うんですが、萩原朔太郎はそういった目標のある旅では無く、まず、幻視のなか訪れる謎の異界の魅力について記していて、さらに路地の中に迷い込んで方角を見失い居場所が分からなくなることの魅力について描くのでした。萩原の本業は詩作なんですけれども、こんかいは自分の旅の体験を小説の形で記しているのでした。詩人の描く小説、というだけでなにかすてきなものに思いました。萩原朔太郎が冗談のように謎の世界についておもしろおかしく語っているのか、あるいはほんとうにあった奇妙な出来事として、あまたの猫が住む街について記しているのか、いったいどちらなのか判別がつかないまま、謎の事態を読みすすめてゆきました。これは小説の文体を模した、詩なのでは、と思いました。
 

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