夏の葬列 山川方夫

 今日は、山川方夫の「夏の葬列」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 これは、はじめ見知らぬ村の葬列を目の当たりにするところから物語が始まるんですが、他人の葬儀のお饅頭を欲しがる、軽薄な少年の奇妙な描写があって、30%あたりの中盤から、意外なことが起きます。読み終えてみると納得のゆく物語展開なんですが、なにも知らずに読んでみると、なんだか唐突な展開で妙なものに思いました。後半で、戦時中に被害を受けた少女がどうなったのか、この記憶と事実を探る男の思惟が描かれます。死にかけた少女がじつはそのあと十数年は生きていたということを知った歓びのあとに、悲しい事実が明らかになります。良い未来と悪い未来を重ね合わせて見ることになる。実体験から少し離れたところで、事態を観察していた作家のまなざしが鋭いように思いました。物語の筋が分からない箇所があったので三回読んでみて、作者の構成の妙に唸る作品に思いました。
  

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