学問のすすめ(9)福沢諭吉

 今日は、福沢諭吉の「学問のすすめ」その9を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 今回は、文明論と技術論をいくつか書いていました。すり鉢だけを使っていた時代から、石臼や風車を使って、小麦粉を大量生産できるようになっていった。古人の遺物や先人の技術によって、現代の文明の根本ができた。
 人の活動には二種類あって、ひとつは個人の働きで、もうひとつは人と人の交際によって生じる活動だ、と福沢諭吉は指摘しています。自然界の働きから人が食料をもらい受ける、99%が自然界による働きで、人は1%だけ動いてこの食材というのを得ている。この食糧獲得だけで終わらずに、人間の交際による働きで、学問や工業や法治を盛んにして、人と人の交際を豊かにする、ということが何千年も続けられてきた。食えるようになったのは先祖の活動の結果なので、そこに安んじて自分の生を停止させてはいけない、という指摘がありました。
 古代から未来に繋がってゆく仕事に加わりたい、という感性は、ほとんどの人にあって、人々はただたんに日銭だけを稼ぎたいわけではない、ということを説いています。ゼニ儲けや戦というところに目を奪われずに、それらの活動の内奥にある、古代から未来につながる文明の進展によってもたらされる、変動を捉えよ、学問せよ、というように書いていました。次回に続きます。
 

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