暴風雨の中 山本周五郎

 今日は、山本周五郎の「暴風雨の中」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
  嵐のなか、大水に流されそうになっている家に三之助が寝ころんでいる。どうして逃げないのか、よく分からない。逃げるのに飽きてしまったようである。その嵐の中を、舟に乗った謎の男が現れるんですが、これがなんだか盗賊みたいな雰囲気なんですが、しばらくすると、十手を出して、三之助を逮捕する、警察官の仕事をするんです。当時は岡っ引きと言われていたんですけど、この物語上では、盗賊なのか警官なのか分からない奴だなと思ったら、wikipediaの「岡っ引き」の頁には、こう書いていました。
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 地域の顔役が岡っ引になることが多く、両立しえない仕事を兼ねる「二足のわらじ」の語源となった。奉行所の威光を笠に着て威張る者や、恐喝まがいの行為で金を強請る者も多く、たびたび岡っ引の使用を禁止する御触れが出た。quomark end - 暴風雨の中 山本周五郎
 
 毒を以て毒を制す、とか、ミイラ取りがミイラになる、ということを連想させる世界が、江戸時代の警察組織にはあったようです。現代で言うならスパイならこういう問題が起きそうです。「おめえの気の毒な身の上はたいがいわかってる」と男は言うんです。そこから、三之助の貧しい幼少時代が記されてゆきます。母親も貧しかった。本文こうです。
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  おいちさんは泥棒をした。
 狭い島のなかで、うわさはすぐにひろまった。子供たちは泥棒の子と呼ばれた。quomark end - 暴風雨の中 山本周五郎
  
 ここから、三之助の犯罪が記されてゆきます。ちょっとドストエフスキーの、ラスコーリニコフとソーニャみたいな物語でした。
  

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