最初の苦悩 フランツ・カフカ

 今日は、フランツ・カフカの「最初の苦悩」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 カフカは子どものころにサーカスの曲芸を見て、いろんなことを空想したんだろうなと思う短編小説でした。
 カフカの『城』でも印象深かったのですが、とにかくただ一つの方針だけに徹することになってしまっている人間の姿、というのをカフカはなぜか描くことがあると思います。ブランコ乗りの曲芸師がもうずーっとブランコの上で訓練を積み重ねて高いところで暮らしている。ブランコから下に降りることがほとんどまったく無い。
 ひとつのことに特化して一本化された状態を継続させる、奇妙な生き方……。現代的な内容に思いました。「最初の苦悩」という言葉をどういうようにカフカが描きだすのか、終盤の1行がみごとなんです。不思議な構成の小説でした。
   

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