記憶 萩原朔太郎

 今日は、萩原朔太郎の「記憶」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 記憶をたとえてみれば
 記憶は○○のようなもので……
 という萩原の詩の始まりを読んでいて、記憶をたとえてみるのか、という問いの立て方がもうすでに詩人だと思うんですけど、このあとの詩の第一連のおわりに「うれしさ」という言葉で締められていて……ふつう言葉はこのようにみごとに響きあったりしない、と思って、韻を踏んでいるとか韻律が整っているとみごとだと思うんですけど、それ以上に、萩原朔太郎の自由詩における意味の共鳴のさせかたに魅力を感じました。萩原朔太郎のこの詩に出てくるモノ……雪や汽車の窓や月というものを画家が順番に並べてゆくだけで、ずいぶん美しい絵画になっているように思いました。いったいじぶんが何に感心しているのか、説明がつかないんですけど、繰り返しちょっと読んでみて、短い詩の中でいろんな言葉がうまく相互作用しているように思いました。「○○のようなもの」ということを複数回積み重ねていたりするんです。和音みたいに。
  

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