今日は、谷崎潤一郎の「細雪」その77を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
今回は……ちょっとこの今までの大長編小説とは異なっていて、突然の縁談の話しで「今日あって今日お見合いの約束をして、そのまま今日お見合いを実行する」という現代でさえありえないような唐突さで、ずいぶん妙な短編小説のようになっていました。大長編小説の中で、まったく異なるパラレルワールドの縁談が生じたような、不思議な展開で、とうとつな「作中作」でも読んでいる気分でした。全篇を読まないのなら、今回の章だけを読んでみるのも良いのでは、と思いました。雪子は言われたとおりに縁談のお食事会に出かけるのでした。次回に続きます。
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当サイトでは『細雪 中巻一』を通し番号で『細雪 三十』と記載しています。下巻の最終章は通し番号で『細雪 百一』と表記しています。
「細雪」の上中下巻、全巻を読む。(原稿用紙換算1683枚)
谷崎潤一郎『卍』を全文読む。 『陰翳礼賛』を読む。
■登場人物
蒔岡4姉妹 鶴子(長女)・幸子(娘は悦ちゃん)・雪子(きやんちゃん)・妙子(こいさん)
追記 「細雪」を書きはじめた時代と、下巻を書いている時代はかなり変化していますので、いちばんはじめと中盤とはまったく内容が異なるんです。いちばんはじめのところはなんというか、谷崎の『卍』や『痴人の愛』にかなり似ている怪しい女たちという雰囲気が漂っています。ところが中盤では古き良き日本が描かれる中で行き詰まりに直面する姉妹たちというのが記されていて、戦中の厳しい世相が無言で響いてくるような作風です。下巻になると、もうすでに戦後になってから書かれているので、軍部が小説を発禁にするという事態が消え去っていて、言論の自由が保証されていて、過去の谷崎作品との繋がりが再び見えてきたように思いました。


