真夏の夜の夢 宮本百合子

 今日は、宮本百合子の「真夏の夜の夢」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 これは戦後すぐのころ、シェイクスピアの「夏の夜の夢」の日本版の劇の内容について論じつつ、「日本での人間性の解放を具体的に考えるとき」には、当時の日本が「資本主義の悪徳にわずらわされてい」てさらに「貧寒な条件におかれているだけ、一方に世界の帝国主義的な段階の特質をつよくあらわして来た」という「この二重の影を二重に、同時的にうちひらいてゆく」よう、これらの暗い問題を、減少させる思想が必要である、ということを書いていました。
 

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(総ページ数/約10頁 ロード時間/約5秒)
 
追記  「兇悪な日本の軍事的暴力のために」日本に住む「若い人々」は戦争の只中に置かれ「あれほどまでに愚弄された」のだというように書いていました。

おさん 太宰治

 今日は、太宰治の「おさん」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 これは戦中戦後に生きることの困難さを書いた物語なのかなと思って読みすすめていったのですが、それは最初の数頁だけで、妻子のいる男が、ひそかな恋にのめり込んでゆくところを仔細に記した小説でした。
 太宰治はじっさいに多くの異性と深く関わりをもった人なので、今回の作中に書いてあることの要点は、当人の事実のことを中心に書いているように思います。フランス革命と、背徳の情愛のことを2つ対比して描いてるところが印象に残りました。
 

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(総ページ数/約10頁 ロード時間/約5秒)
  
追記 GHQや新しい世相との兼ね合いもあるのかもしれないですが、戦争が終わってもう自由に書けるということになった時代に、フランス革命直後に生きるパリの作家であるかのように、作者の心境が大きく変化していった、という感覚が描かれているのかなあと思いました。実直さと自由の2つの意識が、戦後になってぶつかっていって、こういう物語になったのだろうかというように思いながら読みました。
 

秋の瞳(30)八木重吉

 今日は、八木重吉の「秋の瞳」その30を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 今回はなんだか暗黒神話が白昼の晴天に現れたような、奇妙な描写が印象にのこる詩でした。
 

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よだかの星 宮沢賢治

 今日は、宮沢賢治の「よだかの星」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 農学校で子どもたちに科学と農を教えていた宮沢賢治の描きだす、まだらもようの鳥の物語でした。
 よたかは、いま普通に暮らしていると見ることのできない鳥なんですが、現代ではその写真の資料をあまたに見ることができて、古木や枯葉の中にまぎれるとまるで見えなくなる、保護色の鳥で、かたちもなんだか妙なのでした。よだかを通して描かれる死生観は、病床の宮沢トシや賢治自身を描きだした詩世界と響きあっているように思いました。
 賢治の名作と言えば、「どんぐりと山猫」それから「風の又三郎」がお薦めです。
 

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汪士秀 蒲松齢

 今日は、蒲松齢の「汪士秀」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 17世紀の蒲松齢の記した中国の志怪小説を読んでみました。洞庭湖で見た深夜の怪異について雅な筆致で描いた小説でした。
  

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追記  汪の父親は銭塘江で若いころに亡くなってしまっていて、数十年後になぜか900キロは離れた洞庭湖の闇の中に現れるのでした。「怪しい物」たちが、湖のうえを歩いてやってきます。魚の精が人間の姿に化けたもので、主人公の汪に襲いかかるのでした。この湖のうえで怪しげなことをするものたちの正体は「銭塘の神に罪を犯したから、この洞庭へ逃げている」魚の精なのでした。
 その怪異を蹴散らした汪士秀おうししゅうは、「わしはまだ死んではいない。」と告げる父との遭遇を喜ぶのでした。ただそのあとの然るべき記載が無く、先祖と主人公が、一緒になったまま終わってしまいます。ふつう西洋の幽霊や日本の幽霊だったら、夜明けとともに日常に帰った主人公の目の前から、霊体は消えていって、それで先祖の鎮魂のために墓参りをするといった終わりかただと思うんですが、古い中国の志怪小説では、不滅の先祖というのが現れてふつうに生きているように描かれるのが、不思議な印象を残すように思いました。

 

細雪(78)谷崎潤一郎

 今日は、谷崎潤一郎の「細雪」その78を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 今回は、今日お見合いさせることを思いついて今日お見合いの席を設けて今日お見合いをさせてしまうという、とても妙な事態の顛末が描かれる章なんですが、雪子の仲人たちの行動がどうにも強引な感じなのでした。「心持の極まらない男を無理やりに連れて来て」「二人の女ギャングに小突かれてみくちゃにされる」と書かれてありました。戦前と戦中と戦後の世相が入り混じった描写に思いました。時世がねじれながら『細雪』という大長編に封入されているところも、本作の魅力の1つなのでは、というように思いました。
 

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(総ページ数/約20頁 ロード時間/約3秒)
当サイトでは『細雪 中巻一』を通し番号で『細雪 三十』と記載しています。下巻の最終章は通し番号で『細雪 百一』と表記しています。
「細雪」の上中下巻、全巻を読む。(原稿用紙換算1683枚)
谷崎潤一郎『卍』を全文読む。 『陰翳礼賛』を読む。
  
■登場人物
蒔岡4姉妹 鶴子(長女)・幸子(娘は悦ちゃん)・雪子(きやんちゃん)・妙子(こいさん)