今日は、坂口安吾の「流浪の追憶」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
これは坂口安吾が放浪と酩酊と、旧友との交流について記したものなのですが、安吾の旅はなぜか居住地や故郷からほとんど離れないまま行き詰まって「這々の態で逃げ出」すことが多く、旅をしていると言うよりも「魂の放浪」に傾いていって、思索や幻想や物語世界に入り込む様子が描かれるのでした。本文こうです。
私のは精神上の放浪から由来する地理上の彷徨だから場所はどこでもいいのだ。東京の中でもいい。時々一思ひに飛び去りたくなる。突然見知らない土地にゐたくなる。土地が欲しいのではなく、見つめつづけてきた自分が急に見たくないのだ。
安吾がこの1930年代の中ごろに唯一、旅に満足できたのは、伊豆の大島に辿りついたときだったようです。
終盤で、ドストエフスキーの作中人物への思いを記していました。坂口安吾はこう記します。「私がドストエフスキイを愛するのは彼の作中人物がみんな自分の生命力を感じたいためにあせりぬいてゐる、それが甚だなつかしいのも一因である。」
本作に記された「レエゾン・ド・ビイヴル」というのは、存在理由のことです。
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