涙のアリバイ 夢野久作

 今日は、夢野久作の「涙のアリバイ」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 これは……実験的な映画をつくるための短編で、人間の顔をひとつも映さずに、手だけで映像を展開するという、挑戦的な作品の、台本でした。
 

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(総ページ数/約10頁 ロード時間/約5秒)
 
追記 話の筋としては「悪人の手」と記された男が、宝石を盗んで、インク瓶に隠します。探偵がすぐにやってきますが、隠された宝石は発見できませんでした。そのあと「美人の手」がやって来て、インク瓶の中に隠された宝石を発見して、手がぶるぶると震えます。この時に「美人」は、犯罪の真相にはじめて気がついて動揺し、インク瓶から宝石を取り出して隠すのですが、これを探偵に目撃されてしまっています。作中に「槻田万策 同 シズ子」とありますから「美人」はつまり「シズ子」なんだと思います。シズ子は、誰かをかばおうとして悲しかったのか、あるいは逮捕される運命をなげいて涙を流したのか……というところで作品は終わります。おそらく、この夢野久作の台本を、忠実に映像化してしまうと、物語の起伏が無く、伏線も筋立ても無い、ただの動く絵のようになってしまうのではと思います。本文と関連性は無いのですが……2024年の「リプリー」という独特なモノクロ映像が展開する名作の、台本はいったいどのようになっているんだろうか、と思いました。