今日は、太宰治の「市井喧争」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
これは太宰治の、日々の暮らしの中で起きたちょっとした諍いのことを書いていて、押し売りに薔薇を買わされたけれども、あまりにも高すぎる値段で「私自身の卑屈な弱さから、断り切れず四円まきあげられ、あとでたいへん不愉快な思いをした」ということの顛末を描きだした小説です。太宰治は事実っぽく架空の話を書くことが多いので、どこまで事実の描写なのか分からないのですが、作中の「嘘」と「偽物」という言葉の置き方がなんだか美しいというのか、妙に印象に残る掌編小説でした。農民ではないのに農民という嘘を言った、と太宰治は考えつつ、近くに住む農家の女性だったら、ちょっと高くても薔薇を買ってあげたいと思った、ようなんです。
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追記 作中に記された「贋百姓の有様を小説に書いて」というのは翌年の1940年に発表された『善蔵を思う』という別の短編小説にて描かれています。







