野分(1) 夏目漱石

 今日は、夏目漱石の「野分」その(1)を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 これから12回にわけて、漱石の野分を読んでゆこうと思います。数カ月くらいかかると思います。下記リンクから全文を読むことも出来ますので、そちらもご利用ください。ぼくは漱石の長編を5つくらい読んだんですけど、この「野分」ははじめて読みます。これちょっとすごい作品で、「坊っちゃん」の迫力と、「私の個人主義」といった漱石のじっさいの思想とが、入り混じったような構成で始まります。漱石と言えば、作者と主人公とがずいぶんかけ離れているところにその小説の魅力があって、なにせ処女作は、主人公がどこにでも入りこむ小さな猫だったわけで、それからプー太郎いまでいうニートを主人公にして物語を描くこともあります。今回は、主要登場人物と漱石はかなり近しい人物像に思います。どちらも文学者で……次回に続きます。
 

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初旅 寺田寅彦

 今日は、寺田寅彦の「初旅」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 子供のころのはじめての旅で、寺田寅彦は、鯨の漁を見に行ってみた……それで、とある絵巻物を見せてもらったという、ずいぶんダイナミックな随筆でした。絵巻物といえばそういえば、広島の宮島の神社に、絵巻物を鑑賞できる場所があったのを思いだしました。(いまやっているのかどうか知らないのですが)
 

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犬 島崎藤村

 今日は、島崎藤村の「犬」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 島崎藤村といえば、社会的な問題を描きだした「破戒」の作者で、偉大な文学者だと思うのです。さいしょの作品として「若菜集」という瑞々しく耽美的な詩集も書いていてとにかくかっこいいし、さまざまな魅力を持つ作家なんですけど、この随筆的作品を読むと、ナルキッソスのかいまみた犬と男女の世界のようで、なんだかおもしろかったです。本文こうです。
quomark03 - 犬 島崎藤村
 私には人に愛せらるゝ性質があつた、人の心を引くに足るだけの容貌もあつた。自分で言ふもなものではあるが、私はよく手入れをした髪と、たかい筋の通つた鼻と、浅黒くはあるがしかしきめこまか光沢つやのある皮膚とを持つて居た。のみならず、いかにせば斯の容貌を用ふべきかといふことをも知つて居た。私には又、若々しさがあつた。力があつた。quomark end - 犬 島崎藤村
 

0000 - 犬 島崎藤村

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晶子詩篇全集拾遺(58)

 今日は、与謝野晶子の「晶子詩篇全集拾遺」その(58)を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 今回の詩に描かれた男を、漫画家が描いたら、すこぶる個性的なキャラクターになるのではと思いました。マグリットの絵にあるような、不思議な気配のただよう詩でした。

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途上 谷崎潤一郎

 今日は、谷崎潤一郎の「途上」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 谷崎潤一郎といえばまんじがほんとにお薦めの作品なんですけど、「途上」はごく短い小説です。谷崎の文学は、できごとの詳細が異様であるにもかかわらず、なぜだかリアリティーがあって、その迫力におどろく、というのがあると思います。今回は探偵が登場して、事件の真相を語りはじめます。
 

0000 - 途上 谷崎潤一郎

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断崖の錯覚 太宰治

 今日は、太宰治の「断崖の錯覚」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 太宰治の別名義のペンネームで有名なものは「辻島衆二」というごく若い十代の頃につかっていたものがあるのですが、その他にも、辻魔首氏、小菅銀吉、大藤熊太、というのがあります。今回は、黒木舜平という作家名で推理小説を書いた、太宰治にしては珍しい作品なんです。叙述トリックのある推理小説では無いのですが、犯罪心理や罪の告白というのがあって、これはみごとに太宰治の作品だ、と思いました。
 

0000 - 断崖の錯覚 太宰治

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追記
太宰治という筆名をはじめて使って発表した小説は「列車」という作品で24歳の頃のものだそうです。