ゲーテ詩集(55)

 今日は「ゲーテ詩集」その55を配信します。縦書き表示で読めますよ。
 こんかいの生田春月の翻訳で「コプト人」という聞きなれない言葉が登場しました。現代ならグーグルとwikipediaがあるので調べるのが簡単なんですが、いったい紙さえほとんど流通していない百数十年前にどうやってCoptという言葉を知ったのか、誰が生田春月の手もとの机に置いてある辞書を編纂したんだろうか、QibṭキブトあるいはQubṭクブトという言葉がどうやって日本の紙の本に印字されていったんだろうか……と思いました。ゲーテの本は人生訓としても読めるし、自己啓発としての本のようなところもあるし、なによりも純粋に古典的な詩の言葉を楽しめると思います。
 “空なり!空の空なり!”という作品が今回とくに豪胆な詩で、一部を切り抜いて引用できないくらい派手な詩なんですが、特別な作品に思いました。
  

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「おれは旅行をたのみにした / 愉快愉快! / そして国風くにぶりを忘れてしまつた / 悲惨悲惨!」という訳詩は生田春月が翻訳を失敗したのでは、と思うんですが、このゲーテと生田春月の組み合わせがなんだか読んでいて面白いように思うのでした。