細雪(10) 谷崎潤一郎

 今日は、谷崎潤一郎の「細雪」その10を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 貞之助は、この物語に於いて、四姉妹の父の遺志をつぐ大黒柱のはずなんですけれども、ただのお見合いのまえ準備というだけの状態で「離れの書斎に逃げ込んでい」た状態なのでした。男が不在だなあ、というのがこの物語の面白いところで、そういえば谷崎の「卍」でも、これに似た状況はあったなと思いました。今回は、貞之助も協力して、三女の雪子のお見合いへと、出かけることになりました。ただ、急に雨も降ってなんだか運がわるいのかもしれない。美容院の女主人である井谷のとりもちで、瀬越というお見合い相手の男と、ついに対面するのでした。次回に続きます。幸福なはずなのに心労がある、ということが見えてくる小説なのでした。

0000 - 細雪(10) 谷崎潤一郎

装画をクリックするか、ここから全文を読む。 (使い方はこちら) (無料オーディオブックの解説)
(総ページ数/約20頁 ロード時間/約3秒)
 
「細雪」の上中下巻、全巻を読む。(原稿用紙換算1683枚)
谷崎潤一郎『卍』を全文読む。 『陰翳礼賛』を読む。

■登場人物
蒔岡4姉妹 鶴子(長女)・幸子(娘は悦ちゃん)・雪子(きやんちゃん)・妙子(こいさん)