細雪(36)谷崎潤一郎

 今日は、谷崎潤一郎の「細雪」その36を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 洪水は終わりつつあるんですが、なぜだか妙子(こいさん)と貞之助が帰ってこない。妙子の恋人である奥畑は彼女を探しにゆくのでした。
 不安な状況でも、風雅な暮らしをしていたことを思いだしてみたり、隣家の幸福な気配が垣間見られたりしているうちに、妹の妙子をちゃんと奥畑と結婚させてあげようというように、姉の幸子は思うのでした。戦時中に男が不在になった世界で、一家を守る役割の幸子こそが、どうもこの物語の中心にあるようです。
 ずいぶん時間が経ってから、やっと泥まみれの貞之助と妙子が帰ってきた。妙子はどうも大変な思いをしたようで、家に帰りついてすぐに泣いてしまった。
「………えらい目に遭うたけど、板倉に助けて貰うてん」
ということで、いったいどういうことになったのかまだ分からないんですが、次章に続きます。
  

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当サイトでは『細雪 中巻一』を通し番号で『細雪 三十』と記載しています。『中巻三十五』は通し番号で『六十四』と表記しています。
 
「細雪」の上中下巻、全巻を読む。(原稿用紙換算1683枚)
谷崎潤一郎『卍』を全文読む。 『陰翳礼賛』を読む。
  
■登場人物
蒔岡4姉妹 鶴子(長女)・幸子(娘は悦ちゃん)・雪子(きやんちゃん)・妙子(こいさん)