細雪(40)谷崎潤一郎

 今日は、谷崎潤一郎の「細雪」その40を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 幸子の娘である悦子のことが描かれます。まだ小学校にも行かないような年齢の子どもたちも混じって、電車ごっこや木登りをして遊んでいます。ドイツ人一家シュトルツ家のペーターとの戦争ごっこの場面で、指でっぽうで遊んでいるだけなのに、家の中がこの遊びのためにくちゃくちゃに散らかってしまう場面が記されます。
 いっぽうで大人たちは、家に入りこんだ蜂のことで大騒ぎをしている、という状態なのでした。負け戦の報道を禁じるどころか、あらゆる言論の自由が阻害されて、小説の発表さえ禁じられるという1943年からの日々の中で、事件の起きない小説を谷崎が記していた、ということが見えてくる章でした。
 

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当サイトでは『細雪 中巻一』を通し番号で『細雪 三十』と記載しています。『中巻三十五』は通し番号で『六十四』と表記しています。
 
「細雪」の上中下巻、全巻を読む。(原稿用紙換算1683枚)
谷崎潤一郎『卍』を全文読む。 『陰翳礼賛』を読む。
  
■登場人物
蒔岡4姉妹 鶴子(長女)・幸子(娘は悦ちゃん)・雪子(きやんちゃん)・妙子(こいさん)