女の姿 田中貢太郎

 今日は、田中貢太郎の「女の姿」を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
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 明治三十年ごろのことであったらしい。quomark end - 女の姿 田中貢太郎
 
 ではじまる、実話っぽい怪談です。夕暮れ時にちょっと宵寝をしようとしてうとうとしていた時に、家の中に見知らぬ女がはいってきて佇んでいた……思っていたことが夢に出てくるのは当然の道理で、しかし夢なのか事実なのか判別できない幻視を見てしまった側からすると、化物が出てきたとしか思えない。3人とも同じ幻覚を見たとなると、ちょっとはなしが違ってくる。この若い学生の3人はよほどなにか異性との間で悪いことが起きる予感がしていて、予知夢のような悪夢にうなされたのではなかろうか、というように思えました。どうもじっさいにあったことらしいので、ほんとうはどういう状況だったのか、カメラで録画して確かめてみたい気がしました。3人とも、まったく同じ悪夢を見る……。
 

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こころ 夏目漱石(中巻)

 今日は、夏目漱石の「こころ」中巻を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 漱石は明治元年に1歳で、明治晩年に45歳で、「こころ」を書いたのがその2年後で、それから数年後に寿命を迎えています。当時の平均寿命は43歳くらいなんです。漱石は今で言うと80歳くらいで亡くなった、という感じなんだと思います。漱石は明治時代をずーっと生きていって、明治天皇が亡くなったあとはもう老境という感じだったのではと思います。昔読んだときは、ほとんど気にならなかったのですけれども、この「こころ」では、「先生」が亡くなる、父が亡くなる、そういうことが描かれているのですけれども、明治天皇が亡くなるという話もここに記されているんです。登場人物にとって重大な人が亡くなる、ということが描かれています。
 父と古い家と新しい人がどうなるのか、重要人物が亡くなるときにどういうことが起きるか。この2つが物語の軸にあると思います。これはドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』でも描かれたことですけど、ずいぶん異なる考えで描かれていると思いました。
 「こころ」では父は長く生きてから寿命を迎える、いわば平和な大往生なんです。
 「カラマーゾフ」の父は強欲で敵が多く殺されて死んでしまう。高僧ゾシマ長老が亡くなるところに立ちあった主人公アリョーシャ青年は、その死があまりにあっけなく腐臭を伴って聖性を感じさせないことで思想上の激しい動揺にさらされます。ゾシマの願いどおりにアリョーシャは俗世間に帰るわけで、永眠者の思いを継ぐにはどうすべきか、ということが物語の重大な要素になっていると思います。
 現実の漱石は、正岡子規の没後すぐに生前子規がいちばんだいじにしていた「ほととぎす」に原稿を送ってくれと子規の弟子に依頼されて、それで作家になった。漱石は子規の遺志を継いでいるんです。「こころ」では、先生と父と天皇の死という3つが描かれます。主人公「私」は永眠者のどういう意志を重大視しているのか……というのに注目をして読んでみました。
 漱石は自身の重い病についても「こころ」の数年前に考えていたわけで、いわば作者自身の最晩年にかんしても小説に反映させているように、自分には思えます。極端に長すぎる先生の遺書というのが作中に載せられてゆくことになるんですけれども、これがそのまんま小説になっています。「先生」から数百ページくらいの遺書が「私」あてにとどいた、読んでみたら、そのまんま小説だった、この小説を書いたのは漱石で、だったらこれは漱石の、文学的な遺書……のようなものとして読めるはずで、そうなると主人公「私」というのはのちの時代に生まれてくる新しい読者、を代表している人物ということになるのでは、と思いました。先生はある事件に関わっています。先生の悔恨、その謎というのがだんだん現れてくる小説なんです。
  

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Dream Tales 谷崎潤一郎

 今日は、谷崎潤一郎の「Dream Tales」を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 これはどうも、夜に見る夢をそのまま書き記していった、3つの小品のようです。ほんの3頁の掌編です。夢の中に現れて、暖かな手をさしだしてくる女性の描写が印象的でした。
  

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日光の紅葉 正岡子規

 今日は、正岡子規の「日光の紅葉」を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 紅葉のシーズンはそろそろ終わりでもう冬なんですけれども、本で紅葉の感覚を味わってみました。
 こんかい正岡子規は、内藤鳴雪や新海非風の秋の俳句を取り上げていろいろ紹介しています。
 ぼくは子規の俳句「石壇や一つ一つに散紅葉」というのがすてきだと思いました……。
 作中に記された「中宮祠」というのは日光の二荒山神社中宮祠のことです。
 この華厳の滝はおそらく、子規の時代の100年前とまったく同じ姿なんだろう、と思いました。秋も素晴らしいはずですけど、初夏の日光に行ってみたいなあ、とか思いました。
  

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晶子詩篇全集拾遺(77)

 今日は、与謝野晶子の「晶子詩篇全集拾遺」その(76)を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 この拾遺は次回で完結です。与謝野晶子の最晩年の心情が描きだされます。体調が悪くなると、心理状態も衰えると思うんですけど、与謝野晶子の詩は晩期もみごとだというように思いました。病苦の波の間を縫うようにして詩を記していったのかと思います。

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薔薇の女 渡邊温

 今日は、渡邊温の「薔薇の女」を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 これは紳士の礼儀を重んじる怪盗の話、をする紳士っぽい男の奇妙な話で……。ほんの数ページの掌編小説です。
 

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