晶子詩篇全集拾遺(72)

 今日は、与謝野晶子の「晶子詩篇全集拾遺」その(72)を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 信濃は野沢の湯を楽しんだ、与謝野晶子の詩でした。
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 いで湯をば野沢に浴びて、
霧を愛で、月をよろこび、
日を経ればいよいよ楽し。quomark end - 晶子詩篇全集拾遺(72)
  
それと、昭和十年(1935年)の詩が……十五年戦争の最中に描かれたもので、wikipediaの関連頁をめくりながら読みました。
 

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蠱惑 豊島与志雄

 今日は、豊島与志雄の「蠱惑」を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 レミゼラブルを翻訳したことで有名な、豊島与志雄の文体がぼくは好きなんですけれども、昼夜逆転したような生活のことを、氏はこう記します。
quomark03 - 蠱惑 豊島与志雄
 私はその頃昼と夜の別々の心に生きていた。昼の私の生命は夜の方へ流れ込んでしまった。quomark end - 蠱惑 豊島与志雄
 
 「私」は謎のおとこを喫茶店で発見した。その男は、自分とほとんど同じような行動をしている。来る日も来る日も、「私」とまったく同じ店で、同じことをしている。ドッペルゲンガーというか自己像幻視のようなもの、それから近親憎悪の感覚を豊島与志雄が描きだしていました。なんだかドストエフスキーの「地下室の手記」と梶井基次郎の「檸檬」が入り混じったような、奇妙な話でした。
 

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海の使者 泉鏡花

 今日は、泉鏡花の「海の使者」を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 自然界の描写が精妙で美しいんですけれども、物語の途中で、陸にすむ沙魚はぜというのがどうも居るらしい、という話になります。池のくらげも、泉鏡花が描くとまるで奇態な神話の生きもののように記されていて……幻想的な物語でした。本文こうです。
quomark03 - 海の使者 泉鏡花
 この動物は、風のなまぐさに、そらを飛んで人を襲うと聞いた……暴風雨あらしの沖には、海坊主うみぼうずにもばけるであろう。 (略) 海月くらげはひたひたと詰め寄せた。quomark end - 海の使者 泉鏡花

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追記
ちょっと調べてみると、池にクラゲっているんですね。知らなかったです。幽霊の正体見たり枯れ尾花というかんじで、本作の水母の正体はどうも月影だったのでしょうか?

吉野葛 谷崎潤一郎(2)

 今日は、谷崎潤一郎の「吉野葛」その2を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 友人の津村の勧誘で、山奥まで個人的な取材に出かけた小説家の「私」は南朝の歴史を調べながら吉野を旅行しています。
 えーと、本作とはあまり関わりがないのですが、安倍晴明とも関わりの深い伝説があって、葛の葉という謎のキツネがいて、このキツネを助けた安倍保名と白キツネ女が結婚して生まれたのが、童子丸(安倍晴明)であるという、歌舞伎の物語があるんです。伝説と実話が混じるところが、この時代の物語にはいろいろあるようで、谷崎は今回、歌舞伎の「妹背山婦女庭訓」について語っています。wikipediaにはこの歌舞伎のあらすじについて、こう書いています。
quomark03 - 吉野葛 谷崎潤一郎(2) 
 大判事清澄と太宰の後室定高は領地争いで対立している。だが清澄の子久我之助と定高の娘雛鳥は恋仲である。二人が仲良く恋を語らっているところへ鎌足の娘采女の局が逃げてくる。采女の局は帝の寵を受けていたが、蝦夷が自分の娘橘姫を帝の后に立てようと望んだことにより身に危険が及び、宮中を脱出したのである。久我之助は采女の局を変装させて窮地を救う。quomark end - 吉野葛 谷崎潤一郎(2)
  
 妹背山には、久我之助と恋人の雛鳥がいた……。そこを「私」がまあ聖地巡礼するみたいに旅している。ほかにも「義経千本桜」とゆかり深い場所もめぐっています。菜摘の里とか、見に行ってみたいなあと思いました。この作品は難解な構成になっていて、ようするに「私」というのはまさに谷崎潤一郎そのものに、かなり近いんだそうです。小説と随筆が、混じりあっているというのか、小説家が歴史的な小説を書こうとしていろいろやっている、それそのものを書いた作品なんだそうです。
 

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吉野葛よしのくず」全文をはじめから最後まで通読する(大容量で重いです)

にぎり飯 永井荷風

 今日は、永井荷風の「にぎり飯」を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 戦争中の焼け跡を歩く佐藤という男。家族を失った男女2人が出会って、炊き出しのにぎり飯をもらい、のちに再会して恋愛が生じている……ということが永井荷風の精妙な描写で自然に描きだされていて、すごい小説でした。
 1944年の戦時中とかは、このあとどういうことになるのかさっぱり分からないわけで、それが事後に見ると、オチが分かっているわけで、そうするとその渦中の時代になにが重大だったのかが見えてくるわけで、永井荷風が戦後数年たったあとに、戦中のことを書く、というのがなんだが興味深かったです。オチが分かると、渦中の時代の意味が見えてくるというのか、文学は結末が判ってからでも、かえって興味深い作品があるように、思いました。安産の祈願をするシーンがほんの少し挿入されているんです。永井荷風はそこに感動をもたらそうとは思っていないはずなんですけれども、鎮魂と慰霊の描写がどうも、感慨深かったです。
 

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なぞ グリム

 今日は、グリムの「なぞ」を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 これは柔らかい文体なのにすごいことが書いてあって、おもしろい童話なんです。主人公の度量の広さとか正義の実現というのを、恐ろしい事態ののちに描きだしていて、大人でもじゅうぶん読めるように思いました。
     

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