交遊断片 豊島与志雄

 

 今日は、豊島与志雄の「交遊断片」を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 これは翻訳家の豊島与志雄が、文学仲間や親友のことを記した随筆なんです。
 岸田国士の描写や、芥川龍之介とのエピソードが興味深く、そんな意外な体験をしたのかと驚いたんですが、ちょっと思ったことは、映画を見たあとにそれに影響を受けてものの見方が変わることがあると思うんですけど、翻訳という仕事をしたら一文字一文字自分の日本語でこれを創っていってその作品と深く関わることになるわけで、豊島与志雄の眼差しは、氏が翻訳した「レ・ミゼラブル」となんだか似ていておもしろい、と思いました。
 

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晶子詩篇全集拾遺(41)

 今日は、与謝野晶子の「晶子詩篇全集拾遺」その(41)を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 今回の、水道と井戸について論じた詩は、なんだか千頁の小説を九行に凝縮したようで、空想の広がる作品でした……。
 
 

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一過程 島木健作

 今日は、島木健作の「一過程」を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 これは近代の、貧しい農民たちが選挙と地域政治に取り組む物語です。落選後の活動、というふつう見ることの出来ない場面から描かれてゆくのが印象深かったです。
 少数派は多数決で勝てない、けれども少数派は正しい政治によって不平等な条件を撤廃に持ちこむ必要がある、という不合理があると思うんです。そこで近代文学者の島木健作はどういうことを書いたのか、というのが興味深かったです。マイノリティーと政治の物語というと、ぼくはジョン・ルイスの『MARCH』という作品が好きで、これは十代向けのCOMICの形式で描かれた書物なんですけれども、二十世紀の黒人は具体的にどのような迫害を受けていてどのように政治運動を成功させたのか、史実の負の側面をどう描いて伝えてゆくのか、その表現方法に関心を持ちました。美談に終わらせないんですけど、マルコムXとキング牧師の晩期を慎重に割愛する、という表現もあって、一巻の終盤が見事だったのと、中盤で描かれてゆくオバマ大統領との描写と、最終巻の物語の帰結の持って行き方に感心しました。
 島木健作は、挫折を描きだすんです。現実的な描写に驚く物語なんです。社会運動の物語と言うよりもジョージオーウェルのディストピア小説「1984」に近いところがありました。「一過程」は1935年に書かれたもので、現実にも当時の作家はつねに発禁と隣りあわせで、当時の特高からの迫害をまぬかれて戦争の終わる日を迎えることはとても困難な十年間だったように思いました。この小説は後半で意外な展開があるんです。それから終盤の描写がみごとでした……。
 

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おかめのはなし 小泉八雲

 今日は、小泉八雲の「おかめのはなし」を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 この怪談ちょっとすごいんですよ。最初の話者なのか、それを物語にした小泉八雲の成果なのか、あるいは翻訳者の田部隆次が上手かったのか判らないんですけど、静謐な怪談になっているんです。小泉八雲の眼差しによって日本の夫婦と生死が描かれているんです。
 

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論語物語(11) 下村湖人

 今日は、下村湖人の「論語物語」その11を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 今回は孔子が、仕えるべきでは無い権力者に対して、いったいどのようにして依頼を断るのか、ということを描きだしていました。敵対するつもりは無いけど、なにがあっても関係を断るつもりの相手に、どうすれば正しく対応できるのかという話しでした。難しい状況では、丁寧さが重要になることが多いのだ、と思いました。
 

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★『論語物語』をはじめから最後まですべて読む(※大容量で重いです)
『論語』はこちら(※論語の原文に近い日本語訳です)

走れメロス 太宰治

 今日は、太宰治の「走れメロス」を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 これは太宰治の代表的な作品で、身代わりとなった友を救いにゆく物語なんですけど、太宰治が原典としたのは小栗孝則の翻訳した『新編シラー詩抄』の『人質』という詩だそうです。再読してみると、水や濁流や泉の描写がみごとで、水と渇きの対比が鮮やかな文学作品だと感じました。本文こうです。
quomark03 - 走れメロス 太宰治
  ふと耳に、潺々せんせん、水の流れる音が聞えた。そっと頭をもたげ、息を呑んで耳をすました。すぐ足もとで、水が流れているらしい。よろよろ起き上って、見ると、岩の裂目から滾々こんこんと、何か小さくささやきながら清水が湧き出ているのである。その泉に吸い込まれるようにメロスは身をかがめた。水を両手ですくって、一くち飲んだ。ほうと長い溜息が出て、夢から覚めたような気がした。歩ける。行こう。……quomark end - 走れメロス 太宰治
 
 ところでシラーの長詩『人質』はここで全文よめるんですよ。なるほど創作というよりも翻訳作品にちかいものだったんだなーとか、太宰治は演劇の舞台みたいに作品を描きだしたんだとか、この「走れメロス」は、太宰の作品と言うよりもシラーの作品という感じがするとか、「メロスは激怒した」というはじまりの文章は太宰治の完全なオリジナルの文章なんだとか、未完の原稿を二校に推敲する時は、太宰はこういう感じで書き直していたのかもしれない、と思いました。
 

0000 - 走れメロス 太宰治

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