野分(9) 夏目漱石

 

 今日は、夏目漱石の「野分」その(9)を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 前回と今回の第8・9回の展開はちょっと意外なもので、それまでの鬱々とした文芸誌の編纂事情とは打って変わって、才能があって人気もある中野君が結婚をする話なんです。
 漱石は「円満なる愛は触るるところのすべてを円満にす」とか「愛は堅きものをむ。すべての硬性を溶化ようかせねばやまぬ」と記します。
 そういった華やかな披露宴に、いつも孤立している高柳くんがやって来ることになっていた。彼は中野君を祝福したいんですけれども、自分は招かれざる不運を運んでいるような人間だというような錯覚がある、だから親友の目出度い現場を「敵地」だとか思ってしまう。「高柳君の服装はこの日の来客中でもっともあわれなる服装である」と記されています。高柳君は、幸福すぎる現場で、ぼんやりしています。この二人のギャップを漱石が描きだしていて、なんとも妙味のある場面に感じました。
  

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瀬戸内の小魚たち 壺井栄

 今日は、壺井栄の「瀬戸内の小魚たち」を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 ぼくはこの読書サイトで、おもに戦中と戦後数年間の作品を読んでいるのですけれども、これはそれとかなり異なっていて、もうずいぶん平和の時代が続いているもので、魚を食べる暮らしのことが描かれているんです。ちょっと調べてみると、このころから日本四大公害病が始まりつつあるんです。本文と公害はまるで関係が無いのですが、こういう時代にこういう平和が愛されていたのかと、読んでいて感慨深かったです。
  

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帆の世界 室生犀星

 今日は、室生犀星の「帆の世界」を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 この本を読んでいて連想したのは、西洋絵画における裸婦像のことです。室生犀星は、日常に於ける偶然のおどろき、これに夢中になってしまった男の思念を記していて、すごい説得力に思いました。主人公はただなんとなくピアノを弾いているだけの暮らしをしている、ちょっと謎めいた男なのですが、ある倒錯した習癖がある。その秘密に気がついた満子と刑事が、主人公に問いかけ……つづきは本文をご覧ください。
   

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晶子詩篇全集拾遺(66)

 今日は、与謝野晶子の「晶子詩篇全集拾遺」その(66)を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 「暖炉」という詩がみごとに思いました。与謝野晶子にとって文学とは「みんな漂泊者で/新世界を探し/蒙昧を開拓し」うるもののことなのでは、と思いました。
  

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岸辺 蔵原伸二郎

 今日は、蔵原伸二郎の「岸辺」を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 あるはずのものが不在になっているという描写が印象深い詩集でした。 蔵原は、萩原朔太郎の『青猫』を愛読し、猫の小説から創作を始めた作家なのだそうです。
萩原朔太郎の詩にはこういうのがあります。
quomark03 - 岸辺 蔵原伸二郎
 ああ このおほきな都會の夜にねむれるものは
 ただ一疋の青い猫のかげだ
 かなしい人類の歴史を語る猫のかげだ
 われの求めてやまざる幸福の青い影だ。quomark end - 岸辺 蔵原伸二郎
 

0000 - 岸辺 蔵原伸二郎

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わが散文詩 芥川龍之介

 今日は、芥川龍之介の「わが散文詩」を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 これは不思議な短編集で、六つの独立した掌編が並んでいます。筋のまったく無い、風景画か風刺画のようなごく短い作品なんです。「椎の木」という作品で芭蕉の文学性を論じています。季語を含む俳句の様式を借りて、この散文詩を書いたように思いました。
 芥川龍之介の文学論として、谷崎宛てのするどい文学批評に「話の筋というものが芸術的なものかどうか、非常に疑問だ」「筋の面白さが作品そのものの芸術的価値を強めるということはない」ということを述べているんです。句集や歌集には筋が無いわけで、筋の無い文学というのはそれはありえる、と思います。ただ芥川龍之介の著名な作品は、筋も重大になっているようにも思います。芥川が尊敬する夏目漱石の作品は、たしかに真ん中の章からいきなり読みはじめても、じゅうぶん読み応えがあるんです。いっぽうで谷崎作品は順々に読むとドラマが盛りあがってゆく。ただのストーリーものでは映画にならない、という話しをしていた映画監督のことを連想しました。
  

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