今日は、グリムの「なぞ」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
これは柔らかい文体なのにすごいことが書いてあって、おもしろい童話なんです。主人公の度量の広さとか正義の実現というのを、恐ろしい事態ののちに描きだしていて、大人でもじゅうぶん読めるように思いました。
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(総ページ数/約10頁 ロード時間/約3秒)
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今日は、小川未明の「春の真昼」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
日本の近代に於ける四季の描写は、他国に例を見ないほど重大視されていて、俳句はほぼ季語を入れることになっていますし、季節を考える比率がとても高いです。小川未明の本作は春とミミズの童話で、ミミズが良い歌声で歌うという現実にはありえないことで……ミミズの鳴き声がきれいだという話なんです。調べてみると、むかしの人はミミズが鳴くと信じていた。どうしてそう思ったかというと、ミミズが居るところにたいていケラがいて、ケラは土の中でうつくしく鳴く。それでついうっかりおおくの人が勘違いをして、その音色をミミズの声なんだと思ってしまった。
童話は、ありえないものにありえない能力を付与するのがおもしろい、太陽や北風にはなしをさせるのがおもしろいんだ、と思いながら読みました。
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今日は、ハンス・クリスティアン・アンデルセンの「もみの木」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
生まれた土地と、その先の世界について考える、若いもみの木のはなしでした。大人になると自分たちはどこへいって暮らしはどうなるのか、ということが書かれています。植物のたいていは、本体は動かないのに、種や花粉は風や鳥に連れてゆかれて遠い世界で子どもたちが大地に根差すわけで、本文には書かれていない植物の特性が気になってくる童話でした。仲間のもみの木が、森から外へと連れ出され、それからどうなったかを知りたい、主人公のもみの木なんですけれども、アンデルセンのこの言葉が印象に残りました。
荷車につまれて、馬にひかれて、森を出ていくとき、もみの木はこうひとりごとをいって、ふしぎがっていました。
みんな、どこへいくんだろう。いったいどうなるんだろう。
春になって、つばめと、こうのとりがとんで来たとき、もみの木はさっそくそのわけをたずねました。
「ねえ、ほんとにどこへつれて行かれたんでしょうね。あなたがた。とちゅうでおあいになりませんでしたか。」
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今日は、モオパッサンの「親ごころ」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
これは行方不明の子どもを探す物語なんです。日本の神隠しで有名な童話と、このモーパッサンの神隠しの物語はどうちがうかというと、謎めいたサーカスの使者にさらわれるのか、自然界の化身としての山神に隠されるのか、というので近代フランスでは人的な力が働いているのが特徴のように思いました。終わりの十行がすてきでした……。
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今日は、アンデルセンの「はだかの王さま」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
これはとても有名な童話なのですが、改めて読んでみると、だまされてゆく過程がみごとで、こういうことが起きてしまうとあざむかれてしまう、という感じがするんです。人びとの考え方がそれぞれおもしろく、「無」についての連想が広がり、子供と群衆の差異が印象に残りました。
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今日は、新美南吉の「ごん狐」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
動物と人間の関係は、複雑怪奇なところがあると思うんです。とくに農業が現代のようには発達していない時代にはなお、害獣との関わりが複雑になる。この物語は新美南吉の完全なオリジナルというよりも、幼いころに聞いた猟師の口伝を回想しつつ童話にした作品なのだそうです。
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