今日は、宮本百合子の「昔を今に」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
戦中の1940年春の食糧不足の中、自宅の側に空き地のある世帯には、十坪以内で自給自足するための、馬鈴薯の種を配給するという新聞記事が載っていたことについて、庭いじりをしながら、都市の行く末と近代家庭の世相を読み解いた、宮本百合子の掌編でした。
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追記 短いですけれども、名随筆という印象の作品でした。このあと8年近く、近代でもっとも飢餓が深刻だった時代が来ると思って読むと、宮本百合子の言葉が響いてくるように、思いました。宮本百合子は〔昭和一五年〕と書かずに〔一九四〇年〕と書いたところにさえ、なにか無意味に感心してしまう作品でした。あるいは当時の編者が末尾に西暦を入れたのかもしれないとか、なんだかいろいろ空想してしまう随筆でした。