論語物語(2) 下村湖人

 今日は、下村湖人の「論語物語」その1を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 この物語ではなんだか孔子が、妙に人間的に描かれているところがあっておもしろかったです。孔子はしょっぱなから、弟子の子貢しこうに皮肉を言ったりするんです。孔子たちについて、どうにも偉人のイメージからはほど遠いことがいろいろ書かれています。「弁論のゆう」であるはずの「宰我さいが懶者なまけもので嘘つきだ」とか。「孔子の声はふるえていた」というようなところにも、偉大さとは異なる人間っぽい描写がありました。
 大器晩成というときにも記されている「器」というのを、孔子やその弟子たちがどのように考えていたのか、今回はそのことが描かれていました。本文の、この箇所が印象深かったです。
quomark03 - 論語物語(2) 下村湖人
  「子貢、何よりも自分を忘れる工夫をすることじゃ。自分の事ばかりにこだわっていては君子にはなれない。君子は徳を以てすべての人の才能を生かして行くが、それは自分を忘れることが出来るからじゃ。才人は自分の才能を誇る。そしてその才能だけで生きようとする。無論それで一かど世の中のお役には立つ。しかし自分を役立てるだけで人を役立てることが出来ないから、それはあたかも器のようなものじゃ。」quomark end - 論語物語(2) 下村湖人
 
 今回作中になんども出てくる「公冶長篇こうやちょうへん」というのは、『論語』の第五章のことらしいです。

 

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論語物語(1) 下村湖人

 今日は、下村湖人の「論語物語」その1を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 今回から、25回くらいかけて、論語の物語を読んでゆこうと思います。これは大手出版社からいくたびも再販されつづけてきたもので、かなり長いこと読まれている名作なんです。論語の書き下し文とはまた異なって、平易な日本語で記された論語の物語です。1話1話読んでゆこうと思うのですが、こちらから全文を一気に読むことも出来ます。けっこうむつかしい本だと思うので、ぼくは分割して読んでみようと思います。
 作者の下村湖人は序文で、こう書いています。
quomark03 - 論語物語(1) 下村湖人
 この物語において、孔子の門人達は二千数百年前の中国人としてよりも、吾々の周囲にざらに見出しうる普通の人間として描かれている。quomark end - 論語物語(1) 下村湖人
 
 読んでみると、数十年前の日本人の雰囲気が漂っているようで、読みやすいんです。それにマチガイの例が分かりやすいと、理解もしやすいです。
 第1回では「富める子貢しこう」が貧富について語っています。孔子の、貧しくても「道を楽み」豊かになっても「礼を好む」、という指摘が印象に残りました。貧しくてもいろいろ工夫をして楽しむことができる。今ちょうど、外出することがむつかしい時期に、小麦粉が売れていて、食を楽しむことを工夫している人がいる、こういう時代にも共通した問題が描かれていると思いました。
 

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