晶子詩篇全集拾遺(62)

 今日は、与謝野晶子の「晶子詩篇全集拾遺」その(62)を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 今回の戦争の詩は衝撃的でした。「塹壕は無いのだけれど」という一文に驚きました。同時代の哲学者の戦中日記の記述を思いだしました。

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あはれ今 ダンテ・アリギエリ

 今日は、ダンテ・アリギエリの「あはれ今」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 これは上田敏が翻訳した、ダンテの詩なんです。ほんの1ページほどなのですが、ダンテの『神曲』天堂篇とも深い関わりのある詩で、読み応えのある文学作品です。ダンテの描く愛はおもに、九歳の頃の出会いから一八歳のころの再会、そうして二十四歳まで生きたベアトリーチェへの思いで満たされていて、そこから詩作が行われている、らしいのです。記録だけを見ると、始まってもいないような恋愛関係なのですが、ダンテにとってはベアトリーチェは極めて重大な異性だった。そのことを作品に数多く書いている。いつかベアトリーチェのことを描いた『新生』も読んでみたいです……。
 

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人生案内 坂口安吾

 今日は、坂口安吾の「人生案内」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 坂口安吾は人生案内の名手だと思うんですけど、今回のはエッセーではなく小説です。新聞の人生案内の「熱狂的な愛読者となった」虎二郎という男を書くところからはなしが始まるんです。人生案内のページが好きすぎて、この投書に夢中になって、嘘の相談をいろいろやっているうちに、家業の蕎麦屋がおろそかになって立ちゆかなくなった。七転八倒があってじっさいに人生相談をしたくなるような苦境に至ったら、投書で解決できるようなもんでも無い。お竹の主人公への批判が、どうも筋が通っているように思える。
 なんだかトルストイの『人生論』における粉ひき男が水車と水源の謎に魅了されて山奥に消えるはなしがありますけれど、安吾の語る虎二郎のはなしは、これをみごとな落語にしたような魅力がありました。

 

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野分(4) 夏目漱石

 今日は、夏目漱石の「野分」その(4)を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 高柳君と中野君の、クラシック音楽の演奏会を聴きにゆくというなんということもない友だちづきあいの場面が描きだされます。
 手を叩く、拍手……が今回なんだかいろいろ描写されるんですけど、妙に念入りな表現に思いました。最初に高柳君が「山羊の手袋で外套の胸をぴしゃぴしゃ敲き始めた」というところから、クラップの序奏が始まる気がする。古典音楽のような、計算された場面描写を漱石が試みているのでは、と思いました。
 

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秋の瞳 八木重吉

 今日は、八木重吉の「秋の瞳」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 八木重吉はこの詩集に四十数回「かなしみ」と記しています。それが青空や焔にかかったり、季節の様相を表すのに用いられています。自分の知っている言葉とは異なるように使われていて、読むたびに新鮮であると思いました。八木重吉は、同じ言葉を繰り返し使うことが特徴的で、変奏曲のようにかなしみ、という言葉を用いているのが美しく思いました。
 

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変った話 寺田寅彦

 今日は、寺田寅彦の「変った話」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 寺田寅彦は百年まえの出来事や思想を描くのですが、いま読んでも納得のゆく話に思います。今回は孔子の「中庸」や、老子の話、それから感染の話しが描かれているんです。ぼくは老子の本がすごく好きで、なんども読んでみたんですけど、寺田寅彦が今回、老子の話しをしていておもしろかったです。コロナ禍にも老子の哲学は重要なのでは、と思いました。
 ドイツのアレクサンダーウラール(1876–1919)が翻訳した老子にかんする本が、おもしろいらしいのです。ウラールは中国の近代文化を研究したジャーナリストなんです。この寺田が愛読した本はじつは、ハイデガーも読んでいて、そのことを語っている記録があります。
「無限に大きな四角には角がない。無限に大きい容器は何物をも包蔵しない。無限に大きい音は声がない。無限に大きな像には形態がない」
 という老子の思想を、寺田とハイデガーとウラールが読んでいた。
  

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