今日は、ロバアト・ブラウニングの「魔法の笛」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
これはハーメルンの笛吹きと同じ物語を、詩のように記した童話です。おそらく子ども向けの本なんだと思います。山が開いて閉じる……というのがなんだか神話的で、不思議な描写でした。
マッチ売りの少女 アンデルセン
今日は、アンデルセンの「マッチ売りの少女」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
これはとても有名な童話なんですけれども、改めて読んでみると、難解な物語に思えました。どこかドストエフスキーが「カラマーゾフの兄弟」や「キリストのヨルカに召された少年」で描いた子どもに、似ているように思いました。アンデルセン以外が書いたら、とても読めたものでは無いむつかしい内容が描かれているように思いました。アンデルセンの読ませる力というのを感じました。
近代以前は、厳冬と貧困が直接的に人々を滅ぼすことがおおかったはずで、アンデルセンは今回、そのことを描いていました。漱石の登場人物が言うような、理由の不明瞭な「滅び」のほうが現代人にとっては身近な感覚なのではないかと思いました。
電信柱と妙な男 小川未明
赤い蝋燭と人魚 小川未明
今日は、小川未明の「赤い蝋燭と人魚」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
今回から童話を何作か読んでゆきたいと思います。これは小川未明の代表作で、西洋の人魚姫から着想を得て書いたのかと思ったのですが、読んでみると、日本の伝統的な「野山にまじりて竹を取りつつ、よろづのことに使ひけり」といったような竹取物語とよく似ている物語のはじまりかたで、日本昔話に出てくるような不気味な展開もあって、自然界と近代文明の相剋も描かれていて、公害を描いた文学と、どこか通底しているところがあるように思いました。作中に書きあらわされた「悲しい」という言葉が印象に残りました。