窓 リルケ

 今日は、リルケの「窓」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 これは堀辰雄が愛読した詩で、堀辰雄が同時代の作家に比べて群を抜いて洗練された文体である理由は、リルケの詩を和訳していたからなのかと、思いました。リルケは親の意向で陸軍の学校に入れられるのですが、十代の終わりにそこを去ってから、ドイツ語で詩を書きはじめたそうです。堀辰雄の文学の秘密はリルケにあったのか……と思いました。みごとな詩の数々でした。
quomark03 - 窓 リルケ
かの女は窓にもたれたまま、
何もかも任せ切つたやうな気もちで、
うつとりと、心を張りつめて、
夢中で何時間も過すのだ。quomark end - 窓 リルケ

0000 - 窓 リルケ

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白光礼讃 今野大力

 今日は、今野大力の「白光礼讃」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 これはほんの数行の詩で、大雪山と北海道の上川盆地を描きだした作品です。明るい雪の風景です。

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五月のように 竹内浩三

 今日は、竹内浩三の「五月のように」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 これは不思議な詩で、平易な言葉づかいのなかで二つだけ特殊な言葉を使っていました。作中の「ヴィヴェ・ジョアイユウ」というのはフランス語で”Vivez Joyeux.”と書いて「幸せに生きよう」あるいは……メリハリをつけて生きる、幸福に生きよ、歓喜して生きよ、という意味です。
終盤の「愉快に生きよう」という詩の言葉が印象に残りました。
 

0000 - 五月のように 竹内浩三

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追記   最近ずっと室内で暮らしていて近くにいろんなお店があるので、夏も冬も困らなくなってしまっているんですが……「青空のように/五月のように/みんなが
みんなで/愉快に生きよう」という、この詩の言葉は、農に生きる人か野外で働く人でしかその意味内容を感じられないのかもしれない、と思いました。5月は厳冬が完全に遠ざかっていて、なにをするのも気持ちのよい季節なんだと思うんですけど、5という数字だけからそれを連想することができず、3回読んでやっと5の意味が分かりました。

古街 漢那浪笛

 今日は、漢那浪笛の「古街」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 漢那浪笛かんなろうてき氏は1887年生まれ、沖縄の詩人で、ウィリアム・ワーズワースなどの海外詩の翻訳をした作家です。
古い街と共にある、「私」の心象を描いた詩でした。
 

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追記 古街と書くと、ふつうは「こちょう」とか「こまち」とか読むと思うんですけど、こんかいは「ふるまち」と読むそうです。

詩二つ 梶井基次郎

 今日は、梶井基次郎の「詩二つ」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 梶井基次郎の「檸檬」は唯一無二の作品でここでしかレモンは鑑賞できないのかと思いこんでいたら、檸檬の詩もありました。梶井基次郎の作品は小説のかたちをしていても詩なのでは、と思いました。梶井基次郎ファンでこれをぐうぜん読んでいなかったとしたら、まさに隠された名作として読めるのでは……と、思いました。
 

0000 - 詩二つ 梶井基次郎

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旅 森川義信

 今日は、森川義信の「旅」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 ぼくは森川義信の詩を読むのは生まれてはじめてなんですけれども、この一頁の詩がすてきでした。調べてみると、詩人で評論家の鮎川信夫とまったく同時代の詩人だったのですが、森川義信はビルマの戦地で病死します。日本の近現代文学は、森川義信のように若くして逝去してしまった青年への思いを中心にしてあった、というように思いました。この「旅」はまだ明るい時代に、芭蕉のような自由な旅を夢想して描かれたようです。ほんの一頁だけの詩なんですけど、言語化できなかった旅の心地よさを、みごとに詩の言葉で表出していて印象に残りました。
  

0000 - 旅 森川義信

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