小春 萩原朔太郎

 今日は、萩原朔太郎の「小春」を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 萩原朔太郎というと詩集「月に吠える」と「青猫」が有名です。こんどまた再読をしてみたいと思います。
 この「小春」はごく短い一篇の詩なんです。「月に吠える」では自然界をこう描きだしていました。
quomark03 - 小春 萩原朔太郎
 地面の底のくらやみに、
うらうら草の茎が萌えそめ、
鼠の巣が萌えそめ、
巣にこんがらかつてゐる、
かずしれぬ髪の毛がふるえ出し、
冬至のころの、
さびしい病気の地面から、
ほそい青竹の根が生えそめ、
生えそめ、
それがじつにあはれふかくみえ、
けぶれるごとくに視え、
じつに、じつに、あはれふかげに視え。
………………quomark end - 小春 萩原朔太郎
 
 「小春」では、萩原の見いだした自然界に、私と羽虫とまだみえぬ麦が描きだされます。くわしくは本文をご覧ください。
 

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記憶 萩原朔太郎

 今日は、萩原朔太郎の「記憶」を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 記憶をたとえてみれば
 記憶は○○のようなもので……
 という萩原の詩の始まりを読んでいて、記憶をたとえてみるのか、という問いの立て方がもうすでに詩人だと思うんですけど、このあとの詩の第一連のおわりに「うれしさ」という言葉で締められていて……ふつう言葉はこのようにみごとに響きあったりしない、と思って、韻を踏んでいるとか韻律が整っているとみごとだと思うんですけど、それ以上に、萩原朔太郎の自由詩における意味の共鳴のさせかたに魅力を感じました。萩原朔太郎のこの詩に出てくるモノ……雪や汽車の窓や月というものを画家が順番に並べてゆくだけで、ずいぶん美しい絵画になっているように思いました。いったいじぶんが何に感心しているのか、説明がつかないんですけど、繰り返しちょっと読んでみて、短い詩の中でいろんな言葉がうまく相互作用しているように思いました。「○○のようなもの」ということを複数回積み重ねていたりするんです。和音みたいに。
  

0000 - 記憶 萩原朔太郎

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秋 萩原朔太郎

 今日は、萩原朔太郎の「秋」を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 これは萩原朔太郎の一篇の詩です。草木と野分という言葉が印象に残ったのですが、与謝野晶子訳の源氏物語「野分」にはこのような一文があります。
quomark03 - 秋 萩原朔太郎
  今年の野分のわきの風は例年よりも強い勢いで空の色も変わるほどに吹き出した。草花のしおれるのを見てはそれほど自然に対する愛のあるのでもない浅はかな人さえも心が痛むのであるから、まして露の吹き散らされて無惨むざんに乱れていく秋草を御覧になる宮は御病気にもおなりにならぬかと思われるほどの御心配をあそばされた。おおうばかりのそでというものは春の桜によりも実際は秋空の前に必要なものかと思われた。日が暮れてゆくにしたがってしいたげられる草木の影は見えずに、風の音ばかりのつのってくるのも恐ろしかったが、格子なども皆おろしてしまったので宮はただ草の花を哀れにお思いになるよりほかしかたもおありにならなかった。quomark end - 秋 萩原朔太郎
 
 読み比べてみると、萩原朔太郎の風景描写の柔らかな表現が際立つように思いました。
 

0000 - 秋 萩原朔太郎

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泥葬 竹内浩三

 今日は、竹内浩三の「泥葬」を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 おおよそ百年くらい前のなんということもない詩を読んでみたんですけど、そこで都市の名前が出てくるんです。新宿や池袋の名前が記されています。新宿……というと都庁や歌舞伎町をイメージするんですけれども、そういうものがない新宿のことを書いている。都庁も歌舞伎町も無い新宿はイメージしにくい。昔は道ばたに腐ったものやゴミが散乱していたのかもしれなくて、泥という言葉ひとつとっても、その内側の意味がちがってしまっているのかもしれない、と思いました。無名の詩には変に現実的な描写があったりして、妙な感じがおもしろかったです。自然界の描写が二行だけ記されているんですけれども、そこだけ泥中の蓮……のような描写になっていました。
 

0000 - 泥葬 竹内浩三

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酔へ! ボードレール

 今日は、ボードレールの「酔へ!」を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 今回は富永太郎が翻訳した、ボードレールの短い詩を読んでみました。これおもしろい詩なんですよ。ロックンロールな詩なんです。本文こうです。
quomark03 - 酔へ! ボードレール
  すべての廻転するものにでも、すべての歌ふものにでも、すべての話すものにでも、今は何時だときいてみたまへ。(略)『時』に虐げられる奴隷になりたくないなら、絶え間なくお酔ひなさい! 酒でも、詩でも、道徳でも、何でもおすきなものでquomark end - 酔へ! ボードレール
 
 最近、YouTubeで海外のミュージッククリップを聞いてまわることがマイブームとして再燃しているんです。はじめは音を楽しんでいただけなんですけれど、それで、いったい彼らは何を歌っているのか、ちょっと知ってみたいと思って、和訳も調べつつ、これまで黒人がブルースやラップで何を歌ってきたのかというのを、歌の和訳サイトで、いろいろ見てまわりました。人気のあるものから順番に聴いていったのですが、音楽を聴いただけでも、Black Lives Matterという言葉がつい数カ月前に生みだされたわけでは無く、長い時間をかけて求められてきたことが理解できるように思いました。
 
Public Enemy – Fight The Power 和訳はコチラ
Childish Gambino – This Is America 和訳はコチラ
Travis Scott – SICKO MODE ft. Drake 和訳はコチラ
Lupe Fiasco & Guy Sebastian – Battle Scars 和訳はコチラ
Alicia Keys – Underdog 和訳はコチラ
 
ブルースの和訳サイトもいくつかリンクを紹介します。
【和訳】B. B. King – Everyday I have the blues
【和訳】B.B. King – How Blue Can You Get
【和訳】Howlin’ Wolf – Killing Floor
【和訳】Robert Johnson – Cross Road Blues
【和訳】John Bundrick – Muddy Water
【和訳】T-Bone Walker – Stormy Monday
 
 Black Lives Matterにかんする詳しい内容は、こちらのwikipediaや、wiredの最新記事や、映画と黒人文化に関する記事、が理解しやすかったです。
 今回はボードレールの詩を読みながら、ブラックミュージックをいろいろ聴いてみました。パブリック・エナミーの”Don’t Believe The Hype!”というのが印象に残りました。
 ボードレールはフランスの詩人で、のちの世の人からブラック・ヴィーナスとも呼ばれたジャンヌ・デュヴァルと恋愛し十年以上ともに暮らしたのだそうです。詩に酔いたまえ、というボードレールの言葉が印象に残りました。全文は以下から読んでみてください。すてきな詩なんです。
 

yoe line - 酔へ! ボードレール

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〈あめがふつてくりや〉 村山籌子

 今日は、村山籌子の「あめがふつてくりや」を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 これは幼子のための、オノマトペではないのですが言葉の音色のみを楽しむ、そういう詩のようです。絵本にしたらイメージが広がりそうな詩でした。

0000 - 〈あめがふつてくりや〉 村山籌子

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