感想家の生れでるために 坂口安吾

 今日は、坂口安吾の「感想家の生れでるために」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 文学に向かいあうときの所信について、とうの文学者が書いていて、これは参考になるなあと思いました。本の読書は、ひとり楽しむ世界だから、一人一党、という坂口安吾の言葉がすてきでした。
 ウィトゲンシュタインが、哲学の概念のほとんどは思考不可能なものごとを思考可能であるかのように記しているので、それはもはや語りえぬことであるから「沈黙するしかない」というようなことを言っていたのですが、坂口安吾による批評家への考察は、なんだかそういう大胆な仮説に貫かれていておもしろかったです。
 

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秋と漫歩 萩原朔太郎

 今日は、萩原朔太郎の「秋と漫歩」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 近代作家は、現代人とかなり似た家や町に住んで同じ現代語を使っているのにもかかわらず、平均寿命から見ても明らかにこう……自然界の力をほとんど古代人と同じくらい直接に受けていてつねに貧困と隣りあわせで、そこから文学性が生まれているところが特徴だと思います。萩原朔太郎はこう記します。本文こうです。
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  冬は紙の家の設備に対して、寒さがすこしひどすぎる。(しかもその紙の家でなければ、夏の暑さがしのげないのだ。)quomark end - 秋と漫歩 萩原朔太郎
 
 散歩をしているうちに浮浪する、自分の住み家のすぐそばで漂流する詩人の日々が記されています。
 

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晶子詩篇全集拾遺(42)

 今日は、与謝野晶子の「晶子詩篇全集拾遺」その(42)を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 今回、与謝野晶子は自然界を描いています。こんなにまっすぐに思ったことを書く人はすごいと思いました。『恍惚の淵、青い淵。』というもうひとつの詩の言葉も、印象に残りました。
 

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猿 芥川龍之介

 今日は、芥川龍之介の「猿」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 ぼくはこれを今回はじめて読みました。怪談というわけでもないのに、人間を獲物に見立てた恐ろしい心情が書き記されていったり、賽の河原のごとき刑罰が描かれて、芥川龍之介は、悪い考えを明確に描くんです。後半になって広がった風呂敷が畳まれてゆくにしたがい、個人的な倫理性が立ち現れてくるのがすごかったです。作中にすこし記されているんですけど今作はドストエフスキーの諸作がアイディアの源泉にあるようです。
 

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空気男 海野十三

 今日は、海野十三の「空気男」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 これはスラップスティックコメディーみたいな空想科学小説なんです。ピカソのキュビズム絵画の右上部分みたいな、オチの無い描きっぱなしの展開があって、これを海野十三は、別名義で書いているんです。投げやりな感じがかえって文体を個性的にしているように思いました。
 

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論語物語(12) 下村湖人

 今日は、下村湖人の「論語物語」その12を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 今回は「考」のことが論じられていました。wikipediaの『考』の頁が参考になりました。
 魯の権力者の三桓と呼ばれている男たちの悪行から話しが始まるんですが「専横のかぎりをつくして、国民怨嗟の的になっていた」のがこの三桓であると書いています。孔子はどうやってこのヤバイ権力者とつき合うのか、のちのちはこの権力者たちのもとで働くことを辞めた孔子なんですけど、可能であるなら力をそぐ必要がある。このような相手にこそ、非礼にならないように注意深くなっている……。
 考に基づいた慰霊祭に、孔子が関わってゆくわけですが、今回の家廟の祭に関して、良いはずのこともやりすぎたらダメなんだという孔子の話は、ぼくにはなんだか納得のゆくところがありました。美術や学究はとことんやり尽くさないと、はなしにならないと思うんですけど……。
 

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『論語』はこちら(※論語の原文に近い日本語訳です)