イギリス海岸 宮沢賢治

 今日は、宮沢賢治の「イギリス海岸」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 これはあまたの童話文学をつくった宮沢賢治が、古里の花巻にある北上川の夏を描いたものです。農学校時代の生徒たちと宮沢賢治先生の、夏休みのことを記していて、穏やかな随筆なんですけれども、『銀河鉄道の夜』を彷彿とさせるような描写や、自然界の宇宙的な果てしなさが描きだされています。実話を描写する随筆なんですけれどもところどころ差し挟まれる空想が、まさに賢治の童話の核心部分と通底していてみごとなんです。本文にある「紡績工場」の一文とか、「グスコーブドリの伝記」の「てぐす工場」を連想させます。川辺の「救助係」という大人のことを記していて、子どもたちがおちいりそうな問題に関する賢治の考察も、印象に残りました。
 

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明けましておめでとうございます。近代の名作の再読をおもにやっていますが、今年もすてきな文学作品を見つけて読んでみたいと思います。