老夫婦 黒島傳治

 今日は、黒島傳治の「老夫婦」を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 黒島伝治の作品は、小説と言うよりも、ドキュメンタリーかなにかの実話を文章化したような構成で、リアルなんです。
 貧しい家の子供が、学問をやりたい、学資をもらいたいと頼んできている。両親は農業でけんめいに稼いでおり資金上は苦労が絶えないのですが、子供が学問に打ちこんでいることを嬉しく思っている。だがその清三が病に臥してしまった。そのあとなんとか卒業して東京の会社に就職することができ、結婚もした。老夫婦は田舎の仕事を畳んで、東京の息子のところで暮らすことにした。
 これまでの野良仕事を思いだして、狭いところで庭いじりをしたりする。これが本格的すぎて、肥を肥料にしたりする。庭がふんぷんと匂ってしまう。この老夫婦がなんだかおもしろい。冬が明けてやっと東京見物をする。ところが休日も息子は仕事関係の付き合いで忙しい。土埃の舞うような東京の都心の、猛烈な人だかりの中で、夫婦二人で物見遊山してもどうもぐったりするだけである。それでこの二人の考える、こういうほうが良い、自分の仕事ができる場が良い、というオチのところの思いが、ずいぶん腑に落ちました。
 

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