今日は、山本周五郎の「謎の頸飾事件」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
山本周五郎というと時代小説を多く書いた作家だと思うんですが、今回は、ふつうに少年探偵と刑事が出てくる推理小説で、読者対象は小学生という、作品なんです。
ギリシャの英雄アレクサンドロス大王が使っていたという伝説さえあるダイヤの首飾りが、探偵と刑事のいる屋敷の中で盗まれてしまいます。
ここからはネタバレなので近日中に読み終えるかたは、本文だけ読んでください。事件の内容はこうだったんです。「女中が何者かに襲われた、そばに女中を殴った棍棒が落ちていた、そして部屋の外に紳士が立っていた、棍棒には指紋があった、その指紋が紳士の指紋であった」この紳士が犯人であるはずなんです。三段論法みたいなものですが、この論法で導き出した答えがまるっきり間違いだった。なぜかというと泥棒がうまいこと偽装工作をして、詐欺を行っていたからです。少年探偵の春田龍介君は、ほんとの犯人は違うのだと宣言します。
「三十分の後、僕はこの事件の主謀者をつれてここへ帰ってきます」
そうして少年2人の格闘場面があって、ついに犯人が捕まるんですが、真犯人は料理人に化けた泥棒で、ある紳士の指紋を盗み出して犯人に仕立てあげて、警察が去ったのちに、洗面台に隠しておいた宝石を盗み去るという計画だったのでした。
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