階段 海野十三

 今日は、海野十三の「階段」を配信します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 これは近代の探偵小説で、犯人を科学的に調査して、理詰めで探してゆくというお話しでした。これはなんだかネタバレなんですが……この本は探偵小説ですけど、とくにトリックは存在しないんです。足音の録音によって、足音の特徴を見分けて、犯人をみごと特定できた、というところが印象的でした。指紋を検出して犯人を見分けるように、足音を記録して犯人を見つけてしまった。これが書かれた50数年後には監視カメラや通信履歴で犯人を探すわけで、音の記録で犯人を探す、というのが先進的でした。音だけでも、いろんなことが見えてくる、というのが不思議な感じでした。

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