烈日 若杉鳥子

 今日は、若杉鳥子の「烈日」を公開します。縦書き表示で、全文読めますよ。
 道ばたで妙に大きな声が聞こえてそちらを見ると、牛が大きな荷物をひいている。牛方が、牛に動け動けと叫んでいるのでした。ところが牛は大声にも動じることなく、ゆるゆると休んでいる。牛方はさかんに怒号を発しているのでした。
 アジテーションするような話法、というのにぼくは引っぱられやすく、そういう言葉についうっかり夢中になってしまうので、この短編もなにか興味深く読みました。ドストエフスキーやポーの作品にもそういう扇情的なところはあるように思います。とくになにもない場面のはずのところを、主人公「私」は「!」という感嘆符つきで、自身の感情を吐露しています。
 養子にだすつもりでいる母親の赤ん坊、の短編も記されていました。赤ん坊の快活な動きと、養子という考え方から、桃太郎をもらいうけたおばあさんの心もちを連想するところが魅力的でした。漱石も堀辰雄も養子だったわけですけれども、竹取物語や桃太郎などの昔話にも、親の側からするとこの養子という概念があるのでは、と思いました。赤ん坊が抱える不幸についても見逃さずに記しており、心情を吐露する近代作家の特徴的なところが印象に残りました。
 

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